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オリンピック批判で現場は大混乱…日テレ『24時間テレビ』今年も放送の是非

オリンピック批判で現場は大混乱…日テレ『24時間テレビ』今年も放送の是非の画像1
『24時間テレビ』(日本テレビ)公式サイトより

 新型コロナの影響により、大混乱の中で開会式を迎えた東京オリンピック。国民からは開催に否定的な意見も多かったが、選手たちの活躍に応援の声も多くなり始めている。

「テレビをメインとして、マスコミ全体で今回の東京オリンピックの開催に否定的な報道を行ってきました。批判的な報道のほうが過激にできるので視聴率が取れ、雑誌も売れたからです。ただ、テレビに関しては各局が生中継をする手前、徐々に批判ムードを少なくするようコントロールしました。ワイドショーやニュース番組に関しても、大手広告代理店からチェックが入るので批判的な報道は極力しないようにしています」(民放関係者)

 そんな中で、東京オリンピックの放送に関して最も神経をすり減らしているテレビ局が、日本テレビだという。

「日テレは今回のオリンピックに関する報道を、他局よりも肯定的な内容に調整していました。というのも、来月に『24時間テレビ』を控えているため、他人ごとではないからです。オリンピックは海外から選手が来日することなどで新型コロナの感染拡大が懸念されて、一部の国民から非難を受けました。『24時間テレビ』も関わるタレントやスタッフの多さから、オリンピックと同じように感染拡大の懸念が批判の対象になる。なので、日テレとしては何とかしてオリンピックを盛り上げて、来月の『24時間テレビ』につなげたい考えなんです」(民放関係者)

 しかし、オリンピックが無事に開幕したとはいえ、状況は好転しているわけではない。

「都内の新規感染者数が増えていますし、8月には一日3000人の感染者を見込むという試算も出ている。『24時間テレビ』を放送する8月21日、22日付近はオリンピックの“負の遺産”が出始める頃だと予想され、週刊誌などが批判報道を開始する可能性が高い時期なんです。今年の『24時間テレビ』も無観客で行いますが、昨年度よりも厳しい状況下で放送当日を迎えるのは間違いない」(民放関係者)

 そんな中で、『24時間テレビ』の制作サイドは大混乱を極めているという。

「新型コロナの感染拡大で、生放送や生中継が予定通りにできない可能性もあり、VTRに頼るしかない状況になっています。通常放送の少ないオリンピック期間中ということも幸いして、バラエティ班や情報番組制作班が総力を上げて『24時間テレビ』の映像を作っていますが、どんどん追加が出ているようで間に合わないかもしれないと嘆いていますね。しかも、今回のオリンピックでは、海外の選手がマスクをしていないなどの粗探しがSNSで行われていることを受けて、幹部からの号令で、取材をしたVTRを再度チェックしてコロナ対策が完璧かどうかを確認しているとか。現場からは悲鳴が上がっていますよ」(民放関係者)

 さらに、身内である日テレ社員からもクレームが出始めているとか。

「報道局の記者からは自由に報道ができないと嘆きが聞こえてきています。そもそも『24時間テレビ』の関係者にコロナ感染が出た場合はどう報じるのか、記者たちは頭を抱えています。日テレが築き上げてきた報道局の格を落としかねないでしょう。現状では、去年の放送をしたときよりも若年層のコロナ感染が増えていますし、何より芸能人が感染するリスクもある。出演者が後日感染していたと報道でもされたら大問題になりますからね」(民放関係者)

 これだけリスクがありながらも、今年も『24時間テレビ』の放送を予定通り行うつもりの日本テレビ。放送をすれば莫大な広告費が獲得できるのだから、オリンピックに続きたいというのが本音なのだろう。

小林真一(フリーライター)

テレビ局勤務を経て、フリーライターに。過去の仕事から、ジャニーズやアイドルの裏側に精通している。

こばやししんいち

最終更新:2021/07/27 22:00
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