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テレビでサッカーは死んだのか!?「JFATV」を通じて考えるメディアとサッカーの関係性

大谷翔平の動画を買うのも一苦労…

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※イメージ写真

 旧来、テレビや新聞などのメディアは、試合結果や選手の動向の紹介を中心にスポーツコンテンツを取り扱ってきたが、スポーツそのものの価値を向上させるための施策には、悩んできた背景がある。

「現状、日本の放送局で視聴者が満足するような映像を提供できているのは、NHKだけでしょう。MLBのロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手の活躍に注目が集まっていますが、民放では大谷選手のホームランシーンの動画を買い付けることにも一苦労していると聞きます。その結果、スチール写真をつなぎ合わせてホームランの瞬間を再現するなどしていますが、これはサッカーでも実際に起こり得る話です。

 今後、日本のサッカー選手の中からスーパースターが生まれたとしても動画が使えず、海外で活躍をしていることが認知されない可能性もある。メディアは動画が使えないとか選手が全然活躍しないとか、文句を言いたいのも分かりますが、ファンやユーザーのために、満足できるコンテンツの提供に努力をお願いしたいですね」

 テレビで取り扱われないからこそ、自分たちが理解しているコンテンツバリューを最大限に引き出し、コンシューマーにオウンドメディアで提供しようというの試みがJFATVというわけだ。

 そしてこの動きには、日本でも前例がある。

 「プロ野球のパ・リーグTVや新日本プロレスなどはJFATVにとっても、いいベンチマークになると思っています。どちらも放映権がかかる割に視聴率が取れないということで徐々に、テレビメディアから切り離されていった存在ですよね。ところが、振り返ってみるとお客さんもそこそこ入っているし、各地域や特定のファンに根付いていたり、ユーザーの熱量が高かったりスポーツコンテンツとしてのバリューは高いんですよ。そうすると、いまの状況は、メディア側の動きが問題だと認知するようになるんです」

 マスメディアの従来の枠組みとコンテンツの持っている潜在価値が噛み合わなくなっている。これこそが、メディアが追いついていないと語る所以なのだ。

「日本代表の選手のほとんどが欧州のクラブチームに所属していることからもわかるように、サッカーの技術や選手の質は今、過去最高クラスです。昔よりも代表戦は面白くなっているはずなんですよね。これを楽しむためにユーザーにどういった届け方ができるか、JFATVもテレビメディアもしっかりと考えなければいけないでしょうね」

 JFATVはサッカー人気再燃の一助となり得るのか。マスメディアはサッカーコンテンツの価値をビジネス的に変換できるのだろうか。日本サッカーの夜明けはいかに。

黒崎さとし(編集者・ライター)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。普段は某エンタメ企業に勤務してます。

Twitter:@kurosakisatoshi

くろさきさとし

最終更新:2021/09/10 16:20
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