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『関ジャム』アイナ・ジ・エンドがボーカルスタイルを作り上げるまで 「アイナは今からチバユウスケや!」

文=寺西ジャジューカ(てらにし・じゃじゅーか)

『関ジャム』アイナ・ジ・エンドがボーカルスタイルを作り上げるまで 「アイナは今からチバユウスケや!」の画像1
テレビ朝日系『関ジャム 完全燃SHOW』(Tver公式サイトより)

 10月10日放送『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)は「プロが絶賛! 大注目のボーカリスト特集」特集であった。登場したのは、milet、アイナ・ジ・エンド(BiSH)、アヴちゃん(女王蜂)。この3人をまとめて一回の企画で済ませてしまうとは、贅沢というかもったいないというか。

milet「日本語と英語がシームレスに聴こえるように」

 miletについて、ヒャダインは「低音は国籍と年齢がわからない声」と評したが、そういう意味で思い当たるのはLOVE PSYCHEDELICOからの系譜だ。また、ワールドワイドな活動を志向するONE OK ROCKのToruが彼女の楽曲をプロデュースしたという事実も“国籍不詳な声”の裏付けとなっていて、腑に落ちる。あと、彼女の声を聴いて真っ先に浮かぶのはアデルからの影響である。間違いなく、miletは意識していると思う。そんな彼女が気をつけているボーカルポイントは「英語と日本語の縫い目」だそう。

「自分で曲を作るときは日本語と英語がミックスされていることが多く、そういうときに壁がないよう、シームレス(縫い目がない)に聴こえるように考えています」(milet)

 英語の発音は日本語に寄せ、日本語の発音は英語に寄せ、お互いの気持ちよくなれる点を探す。要するに、日本語を歌う場合は“英語っぽい日本語”に変換するのだ。この辺りは、桑田佳祐など偉大な先達が行ってきた作業にも通じる。

 小さい頃からダンスに没頭していたアイナは、R&Bやヒップホップを聴いて育ったという。だから、BiSHのメインボーカルとしてロックな歌い方を染み込ませる必要がある。そこで重要になってくるのは、BiSHのプロデューサー・松隈ケンタからの指導だ。東京スカパラダイスオーケストラとコラボし、チバユウスケのボーカル曲「カナリヤ鳴く空」をカバーした際、アイナは松隈から「アイナは今からチバユウスケや!」と檄され、細かくディレクションされたという。例えば、「切り裂く日々 明日の彼方」の箇所は「切りすぁ~くぅひぃーゔぃー やぁしたのきゃなったー」と歌うよう教えられた。アイナの歌声からはさまざまなボーカリストからの影響を察することができる。特に大きいのは、CHARAと椎名林檎の要素だ。松隈のプロデュースによって先達のスタイルをミックスさせ、アイナの今の歌い方はでき上がったのかもしれない。

 アヴちゃんのボーカルは、変幻自在。喉に複数の人が住み着いているかのような声である。高音は超音波だし、それでいて実は低音が本領。初期ジェネシスみたいにシアトリカルな女王蜂だからこそ、コロコロ歌い方を変えるアヴちゃんの歌はハマっている。スタイルとしてはイギリスのロックバンドのザ・ダークネスと近似性を感じるが、アヴちゃんが実際に憧れるのはPerfumeというのは結構意外だ。

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