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菅直人と長島昭久が激しく争う“東京18区最終戦争”旧民主同士の因縁の師弟対決

菅直人と長島昭久が激しく争う東京18区最終戦争旧民主同士の因縁の師弟対決の画像1
菅直人(写真/GettyImagesより)

 東京18区では旧民主党政権で首相だった菅直人(75)と防衛副大臣だった長島昭久(59)が激しく議席を争う。自民党は元首相の菅に止めを刺そうと麻生太郎副総裁、小泉進次郎前環境大臣、菅義偉前首相、安倍晋三元総理と次から次へと、スター級の弁士を送り込む。そして、27日にはとうとう岸田文雄首相が選挙区入りし、長島のために弁を振るった。

 しかし、自民党のなりふり構わぬ、菅つぶしはもともと判官びいきの18区の有権者の反発心に火をつける結果を招き、武蔵野市、府中市、小金井市の3区からなる18区のうち、特にリベラル色の強い武蔵野市では菅直人優勢をもたらしている。武蔵野市民の一人は「麻生さんも安倍さんも間接的に菅さんを応援してくれている」と皮肉まじりに語る。

菅直人と長島昭久が激しく争う東京18区最終戦争旧民主同士の因縁の師弟対決の画像2

 中選挙区時代の旧東京7区も含め、1980年6月に初当選を果たして以来、菅は40年以上に渡り議席を守り続けてきた。初期の菅が主に取り上げたのはロッキード事件発覚後も影響力を行使し続けた田中角栄とその金権政治。角栄の旧新潟3区への露骨な利益誘導を「我々、東京に住む人間が払った税金が新潟に持って行かれる」と事あるごとに強く批判した。

 しかし、当時、菅ら若手革新政治家やマスコミが角栄を強く批判すればするほど、旧新潟3区の有権者は強く団結した。廻り巡って40年後、菅の初当選以来の金城湯池であり続けた武蔵野市で同じような現象が起きている。「これまでになく菅直人支持で固まっている」(武蔵野市市議)のだという。

 実際、武蔵野市では7月に都議選、10月に市長選が行われたが、いずれも菅が推す立憲民主党系の候補が圧勝した。7月の都議選では、新人で弁護士の五十嵐衣里が投開票日の午後8時の開票と同時に当確を決めた。自民党は元市長で衆議院議員だった土屋正忠の娘の土屋ゆう子を擁立したが、当時、都民ファーストの現職だった鈴木邦和氏に次ぐ3位と惨敗した。

 今月3日に行われた武蔵野市長選に自民党は医師の鹿野晃を擁立したが、自民党支持であるはずの東京医師会の尾崎治夫会長と武蔵野医師会の田原順雄会長が、菅が推す現職の松下玲子市長の支持に回った。結果は松下が3万4000票以上を獲得しダブルスコアで鹿野に圧勝した。

 しかし、菅もずっと楽な選挙を展開していた訳ではなく、現在の東京18区では旧民主党政権が下野した12年12月と、その後の14年12月の総選挙では武蔵野市長だった土屋正忠に小選挙区で連敗し、首相経験者が比例で救済されるというほろ苦い勝利を味わっている。菅は民主党政権崩壊のA級戦犯とされた。

 ようやく小選挙区を奪還したのは4年前の17年10月の総選挙だが、それも土屋とは僅か1046票差という薄氷の勝利だった。

 09年の政権交代選挙で16万3千票以上の票を獲得した全盛期の勢いは今の菅にはない。しかも、当時の菅は他の民主党候補の応援に全国を回っていたので、自らの選挙区にはほとんどいなかった。

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