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佐久間宣行「本質をしゃべるトーク番組が増えすぎた」 テレビの中の本音のようなもの

ノブコブ・徳井「『平場スゴい』って言われてるのは、ちょっと怒んなきゃいけない」

 29日の『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)は特別企画。「脱・中年の危機 我々の未来について考えよう」と題して、若林正恭と春日俊彰(オードリー)、吉村崇(平成ノブシコブシ)、澤部佑(ハライチ)、平子祐希と酒井健太(アルコ&ピース)が、中堅の男性芸人として「中年の危機」を脱する道を模索する様子が放送された。

 この日は吉村の悩みに焦点が当てられた。吉村いわく、自分には20代のころのような勢いがない。スタッフとのリモート打ち合わせの映像で彼は、「お笑いの天下をとる」=「時代のトップになる」には20代のころでないと無理ではなかったかと語り、次のように胸の内を吐露した。

「ここ10年ぐらい、自分より年上にだけ仕事してきてるような気がするの。演者も視聴者も。時短とか、格安とか、これで味が再現できるっていう(番組に出る)のが、もう苦痛というかさ。知らず知らずにそれを俺が選んじゃったからしょうがないんだけども」

 そんな悩みを語る吉村だが、周囲の芸人たちは「前線に単独で乗り込んでいくみたいな姿はやっぱりカッコいい」(澤部)、「フットワークの軽さというか、軽さがいいですよね」(春日)、「単純な平場の天才だから」(平子)などと高く評価。吉村自身、自分は現場にいると「安定する」存在ではなく、「ワクワクする」存在だったのではないかと己を見つめ直し始めた。

 で、吉村の相方、徳井健太が「分析のプロ」として別室から出演。徳井いわく、確かに吉村は「前に出るのがすごい」。けれど、加藤浩次(極楽とんぼ)や日村勇紀(バナナマン)、上田晋也(くりぃむしちゅー)などは、「平場がすごい」とは言われない。なぜなら番組で前に出るのは当たり前だから。

「前に出るのなんて当たり前。シュート打つなんて当たり前。その上で、シュート打った上で超カッコいいゴールを決めてくる人たち。だから、吉村はそこを目指すべきだと思う。今日みんなに『平場スゴい』っすよねって言われてるのは、ちょっと怒んなきゃいけないと思う、内心。『ごめん俺そのレベルじゃないんだわ』って」

 そんな相方からの指摘に、吉村は改めて「読みすぎたか、空気……」などと自身を省みるのだった。そんな本音語りや自省のムーブもまた「平場の安定感」に見えてしまうのが、吉村のスゴさだと個人的には感じるけれど。

 にしても、「本質をしゃべるトーク番組」がさまざま出てきたなかで、『あちこちオードリー』にせよ『しくじり先生』にせよ、紆余曲折がありつつも放送が続いている番組にオードリーの若林が出演しているというのはなんだか示唆的だ。この手の番組は視聴者の定着が難しいのだろうか。それこそ「熱量ありすぎるものばっかり見てるのしんどい」のだろうか。本質トークのようなコーナーを設けた番組は、すぐに軌道修正を図ることも少なくないような気もする。普遍性があるのが“本質”だけれど、「本質をしゃべるトーク番組」は属人的なものだったりするのかもしれない。

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