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2020年下半期で自殺増加「厚労省」相次ぐ著名人の自殺と報道による影響を指摘

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 人気俳優・三浦春馬さんと人気女優の竹内結子さんの自殺によって、「ウェルテル効果」とよばれる自殺者が出ていた可能性があることが、厚生労働省の分析で明らかになった。

 厚労省は11月2日、「令和3年(2021年)版自殺対策白書」を公表した( https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/jisatsuhakusyo2021.html )。この中で、2020年下期に、相次ぐ著名人の自殺と自殺報道から影響を受けたとみられる自殺の増加が特徴だったことを指摘し、著名人の自殺と自殺報道後に自殺が増える現象「ウェルテル効果」の分析を行った。

「ウェルテル効果」は、米国の社会学者ディヴィッド・フィリップス(David P. Phillips)が1974年、米国大手紙の自殺報道が自殺者数の増加に影響を与えていた可能性を明らかにし、1774年に出版されたゲーテ著『若きウェルテルの悩み』発刊後にその影響を受けたとみられる自殺が増加していたことを踏まえて、「ウェルテル効果」と名付けたもの。

 報告の第2章第3節「新型コロナウイルス感染症の感染拡大下の自殺の動向」(こちらは普通にリンクで:https://www.mhlw.go.jp/content/gy2-3.pdf)の中で、「特に影響が大きかったとみられる2人の俳優の自殺及び自殺報道について、過去5年の自殺者数の日次推移の予測値と2年の自殺者数の実測値との差をグラフ化して分析を行った」と、名前はふせられているが、20年7月18日に自殺した三浦春馬さんと、竹内結子さんが自殺で亡くなったことが速報された同9月27日を対象に「ウェルテル効果」の分析を行った。

 三浦さんの自殺が報道される2週間前(7月4日~7月17日)と報道後2週間(7月18日~7月31日)の自殺者数を比較すると、報道前2週間の自殺者数は715人(男性472人、女性243人)だったのに対して、報道後2週間の自殺者数は925人(男性572人、女性353人)と210人(29.5%)増加した。男性は100人(21.2%)、女性は110人(45.3%)の増加だった。

 さらに、三浦さんの自殺報道後2週間と前年同期(2019年7月18日~7月31日)の自殺者数を比較すると、前年同期の自殺者数は725人(男性496人、女性229人)で、200人(27.6%)増加していた。男性は76人(15.3%)、女性は124人(54.1%)の増加だった。

 一方、竹内さんの自殺が報道される2週間前(9月13日~9月26日)と報道後2週間(9月27日~10月10日)の自殺者数を比較すると、報道前2週間の自殺者数は813人(男性528人、女性285人)だったのに対して、報道後2週間の自殺者数は1079人(男性647人、女性432人)と266人(32.7%)増加した。男性は119人(22.5%)、女性は147人(51.6%)の増加だった。

 同様に、竹内さんの自殺報道後2週間と前年同期(2019年9月27日~10月10日)の自殺者数を比較すると、前年同期の自殺者数は651人(男性451人、女性200人)で、428人(65.7%)増加していた。男性は196人(43.5%)、女性は232人(116.0%)の増加だった。

 三浦さん、竹内さんのいずれのケースでも、自殺報道の前後、自殺報道の前年同期を比較すると、自殺者が大幅に増加していることがわかる。特に、女性の自殺者数の大幅増加が特徴となっている。

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