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キネマのスタアたち27話

『ディア・ドクター』善と悪の二元論で捉えきれない人の心を描く西川美和作品

文=宮下かな子(俳優)

『ディア・ドクター』善と悪の二元論で捉えきれない人の心を描く西川美和作品の画像1
イラスト|宮下かな子

 皆さんこんばんは、宮下かな子です。
 他社ではございますが、最近久しぶりにグラビア誌に掲載して頂きました! 2年前サイゾーの表紙をやらせて頂いたのが最後のグラビアだったので、そこから約2年ぶり。

 先々週掲載して頂いた「週刊SPA!」(扶桑社)の〝みうらじゅん×リリーフランキーのグラビアン魂〟に呼んで頂くのは2回目だったのですが、今回なんと、リリーさんが物語を作って直筆原稿をくださり、物語の女性像を演じる形で撮影をしたんです! グラビアは基本的に、自分自身を撮って頂くお仕事なので、演じる感覚でのグラビアは初めての経験でした。

 現場では衣装さんがあらかじめ古着屋さんを巡って、手入れのされていない毛玉っぽいニットを用意してくださっていたり、お洒落じゃないご近所サンダルを何足か履き比べて、みんなで盛り上がりながら衣装を決めて。ヘアメイクも出来る限り引き算で仕上げ、撮影では担当編集者さんが事前に準備して作ってくださった、枯れかけた花をインテリアに置いたり。私も、普段だったら足先から全身隈なく最前線を尽くしてツルツルピカピカにして現場に行くのですが、リリーさんが考案してくださった疲労感のある女性像に近づけるよう、あえてやり過ぎずに、剥げかけた足のマニキュアもそのままに撮影に臨みました。まるで映画の撮影みたい! チームが一体となって1つの作品作りをしているような現場で、とてもワクワクしました。自分が望んでいた形の、グラビアの可能性を感じた現場。今後こんな風に、女優がやるグラビアとして何か形にしていけたら面白いんじゃないかなぁなんて思っています。

 週刊誌なのでもう発売は終了してしまいましたが、週刊プレイボーイから販売されたデジタル写真集『隠れ美ボディ』(自分で書くとかなり恥ずかしいです)はご覧頂けます! ご一緒してみたかったカメラマンの三瓶康友さんに撮って頂き、こちらは爽やかな写真集に仕上がっています。是非、隠れ美ボディかチェックして頂けたら嬉しいです(笑)。よろしくお願い致します。

 さてあっという間に12月になりまして、もう気付いたら年が明けてしまいそう! 今年はようやく映画館にも足を運べるようになりましたが、皆さんの2021年ベスト映画はどんな作品でしょうか? 私も色んな作品を鑑賞しましたが、ベストワンはぶっちぎり西川美和監督の『すばらしき世界』。『蛇イチゴ』『ゆれる』『永い言い訳』等の過去作品をはじめ、人間の善悪付け難い複雑な心情を描く監督の眼差しはとても鋭くて、でも優しくて、観賞後も余韻にどっぷり浸かってしまう作品ばかり。

 年に1度、いや数年に1度ほど、観劇観賞後に立てなくなる作品に出会えるのですが、この『すばらしき世界』はまさに客席から動けず、涙が止まらず、最後に退場した思い出深い作品でした。

 今回は、そんな西川監督の、キネマ旬報ベスト1位に輝いた『ディア・ドクター』(2009年エンジンフィルム+アスミック・エース)を紹介させて頂きます。

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