テレ朝『あざとくて何が悪いの？』が年越し番組になった理由　“大みそか視聴率合戦”に波紋？

　今年の大みそかに民放各局で放送される番組が出揃った。各局の視聴率競争が一段と激しくなる大みそかだが、なかでも注目を集めているのが、テレビ朝日の年越し番組だ。

　今年のテレ朝は、田中みな実や弘中綾香が出演するバラエティ番組『あざとくて何が悪いの？』が、年越しスペシャルとして“日本一豪華な女子会”を放送。通常放送と同じく田中、弘中、山里亮太に加えて、上戸彩、指原莉乃、トリンドル玲奈ら女性陣、そしてスペシャルゲストに佐藤健も出演する予定だ。豪華なホテルで“女子会”を行い、トークとVTRで今年を振り返るという。

「テレ朝は、コア視聴率と呼ばれる40代以下を中心にした平均視聴率を取りにいくようですね。ただ、田中みな実は女性人気も高く、番組に出演するとCMが入りやすいタレントではありますが、必ずしも視聴率を持っているわけではない。そもそも同番組の通常放送は視聴率は3%前後を行ったりきたりしている状態で、ネットニュースになることは多いですが、人気番組とは言えないでしょう。『あざとくて～』の前番組には『ザワつく！大晦日一茂良純ちさ子の会』が放送される予定ですが、こちらは内容が飽きられていて目新しさはない。いい流れを作れそうにもなく、厳しい戦いになりそうです。
　一方、視聴率の面では在京キー他局の後塵を拝しているテレ東は、毎年恒例の『東急ジルベスターコンサート』で年を越すものの、その前後を『孤独のグルメ2021大晦日スペシャル』、『来世ではちゃんとします お正月初夢SP』という根強いファンを持つ人気ドラマで固めています。もしかすると、テレ朝がテレ東に負ける可能性もあるかも知れません」（民放関係者）

　そして、大晦日に民放首位の視聴率を今年も狙っているのが日本テレビだ。6時間にわたって生放送される『絶対笑って年越したい！笑う大晦日』の放送を予定している。

「毎年恒例だった『笑ってはいけないシリーズ』がさまざまなトラブルで放送できなくなり、その“代打”となる同番組ですが、吉本興業が全面協力をすることで豪華な作りに仕上げるようです。現時点で発表されているMCは、麒麟・川島明やフットボールアワー・後藤輝基と小粒な印象。最終的にはナインティナインが総合司会扱いで、ダウンタウンも出演をすることになるようですが、それでも意外性はない。視聴率を取るためにはスペシャルゲスト頼みになりそうです。大みそかまでにMCやスペシャルゲストを順番に公開し続けて、視聴者を煽る作戦なのでしょう」（民放関係者）

　もう放送日まで半月を切っているが、番組の詳細はまだ明かされていない。どんなゲストを予定しているのか？

「他局の大晦日番組に出ない吉本の人気芸人は、ほとんど駆り出されて出演するそうです。それ以外の“シークレットゲスト”ですが、不倫で世間を騒がせたタレントや、スキャンダルで消えたタレント、あとは『全裸監督』シリーズの村西とおるの出演もあるようです。他にも『NHK紅白歌合戦』に対抗して、さる大物アーティストも極秘でブッキングしているそう。ただ、時間がないのと人手不足で、出演者や番組内容もギリギリまで未確定要素が多いんです」（民放関係者）

　今年の『NHK紅白歌合戦』は目玉となるアーティストがいないと言われており、民放キー局は視聴率を獲得する大チャンス。それでも、今年も日テレの独走となってしまうのだろうか？

小林真一（フリーライター）

テレビ局勤務を経て、フリーライターに。過去の仕事から、ジャニーズやアイドルの裏側に精通している。

こばやししんいち