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『紅白』で露呈した“若者向け”の無意味さ コア視聴率は大物リストラの口実か

文=田井じゅん(たい・じゅん)

『紅白』で露呈した若者向けの無意味さ コア視聴率は大物リストラの口実かの画像1
『第72回NHK紅白歌合戦』

 2021年の大晦日に放送された『第72回NHK紅白歌合戦』は、平均世帯視聴率が第1部31.5%、第2部34.3%(ビデオリサーチ調べ/関東地区、以下同)で、2部制となった1989年以降、第2部の視聴率は過去最低となった。

 個人視聴率は第1部が23.4%(前年25.0%)、第2部が24.8%(前年は29.6%)と、いずれも昨年を下回る結果に。そもそもテレビを見る人が減っているのだろうが、世間の興味が『紅白』から他に移っていることが露呈された。

「ここ数年、『紅白』は若い世代にアピールしようと、演歌の大物歌手をリストラする一方で、ネット発のアーティストを多く起用するなどしています。しかし、そもそも『紅白』は高齢者にこそ楽しまれている番組であり、そこを切って若者向けにシフトしたところで、視聴率は好転するはずもない。今年の数字は、まさに若者向けに舵を切って失敗した結果でしょう」(テレビ局関係者)

 テレビを見る習慣のない若者向けの番組作りにシフトしたところで、視聴率が上がらないのは当然のこと。『紅白』の制作サイドも、そんなことは重々承知のはずである。

「このまま高齢者向けの番組を続けていても未来がないというのは、制作サイドが感じているところ。だから、数字が悪くなってもいいから、若者向けにシフトするという選択をしたという側面もある。ただ、それだけではない事情もありそうです。“コア視聴率”や“個人視聴率”を重視することで、制作サイドには、ギャラが高くて、いろいろと面倒くさい大物を切ることができるというメリットがある。時代の流れだということにして“老害”を追い出す口実として、コア視聴率などの新たな指標が利用されている面もあるというわけです」(同)

 コア視聴率とは各テレビ局によって多少の定義の違いがあるが、大まかに言えば「男女4~59歳」のファミリー層における視聴率のことだ。

「民放各局でコア視聴率が重視されるのは、広告代理店がコア視聴率こそを重んじているから。スポンサーとしては、やはり若い視聴者にアピールしたいですからね。一方、制作サイドはコア視聴率を盾にして、数字を持っていない大物をクビにしていく。つまり、コア視聴率は、制作費を削るためのツールでもあるんですよね。コア視聴率という指標が登場してくれたおかげで、一気に世代交代が進んで助かっています」(制作会社関係者)

 コア視聴率を重視すれば、若い視聴者が獲得できる──そんなものは、もはや幻想となっているのかもしれない。

「もう若者たちに、地上波のテレビ番組を見るという習慣はほぼない。録画してみるか、TVerのような見逃し配信で観るか、あるいはAbemaやNetflixなどネットの動画配信サービスを楽しんでいる。コア視聴率なんてものを追い求めるのではなく、ネットでいかにコンテンツを配信していくかを考えていくべきなんです。現場では、すでにそういった認識になっています」(同)

 このまま多くの大物タレントたちがリストラされて、ある程度テレビの世代交代が進んだら、もう誰もコア視聴率なんてものを気にしなくなるのかもしれない。

田井じゅん(たい・じゅん)

田井じゅん(たい・じゅん)

1985年生まれ。神奈川県出身。専門学校在学中より、ミニコミ誌やフリーペーパーなどでライター活動を開始。一般企業への就職を経て、週刊誌の芸能記者に転身。アイドル業界や音楽業界を中心に、その裏側を取材中。

最終更新:2022/01/05 18:00

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