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大みそか、『紅白』視聴率と YouTube再生数に表れた視聴習慣の変化

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『NHK紅白歌合戦』

 例年、大みそかに放送される『NHK紅白歌合戦』に対して、民放各局の特番がどこまで食らいついたかがニュースになる。2021年末はどういう結果が出たのか?

 まず、『第72回NHK紅白歌合戦』の視聴率は前半(午後7時30分~8時55分)が31.5%(ビデオリサーチ調べの世帯視聴率、関東地区/以下同)で、20年より2.7ポイントダウン。後半(同9時~11時45分)は34.3%で、前年比6.0ポイントダウンで大幅に数字を落とした。2部制になった1989年以降では、前半は90年の30.6%に次ぎ、ワースト2位。後半は過去最低だった19年の37.3%を割り込み、史上ワーストを記録した。

『紅白』は近年、若年層の取り込みのために、大御所を重用するより、若者に人気のアーティストを多数起用。今年もBiSH、DISH//、まふまふらが出場したが、その成果は数字的には表れなかったように見える。

 この歴代ワーストの視聴率をやり玉にあげ、“『紅白』が惨敗した”と囃し立てるネットニュース記事も多い。一方で、NHKは今回の『紅白』に際して、オンデマンドのみならず、NHKプラス(見逃し番組配信サービス)での視聴を熱心に宣伝していた。また、YouTubeチャンネルにアップされていた『紅白』ハイライト動画では、まふまふが約470万回(1月7日時点)と、全出場歌手の中でもダントツの再生数を獲得。地上波リアルタイムよりも、配信で好きな時間にコンテンツを楽しむという視聴習慣の変化がわかりやすく表れたといえるかもしれない。

 一方、民放に目を向けると、11年連続で視聴率民放トップの座をキープしてきた『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!絶対に笑ってはいけない』シリーズ(日本テレビ系)が休止となり、ファンがどう流れるかが注目された。

『笑ってはいけない』の後継番組『笑って年越したい!笑う大晦日』は、第1部(同6時30分~)が7.2%、第2部(同9時~深夜0時30分)が5.6%で、力及ばずな結果に終わった。20年の『ガキ使』と比べると、第1部は10.4ポイント、第2部は8.5ポイントもの大幅ダウンという大惨事である。吉本興業を中心にナインティナインらの人気芸人が数多く投入されたが、『笑ってはいけない』のように番組コンセプトが明確ではなく、企画力にも乏しかった印象。芸人が酒を飲みながらダラダラするような内容は、YouTubeなどでは人気コンテンツであるものの、テレビで流す企画としてはミスマッチだったのかもしれない。同局内では、早くも『ガキ使』復活待望論が噴出しているという。

 日テレが数字を落とすなか、テレビ朝日は3年目となった『ザワつく!大晦日 一茂良純ちさ子の会』(テレビ朝日系)。第1部(同6時~)が12.1%、第2部(同8時~11時)が9.3%をマークした。昨年末は羽鳥慎一アナ、黒柳徹子、日本ハムファイターズの“ビッグボス”こと新庄剛志新監督らを登場させ、安定した視聴率をマークした。

 テレビ東京は、大みそか恒例番組の『第54回年忘れにっぽんの歌』(同4時~10時)が8.3%、5年目の『孤独のグルメ2021大晦日スペシャル』(同10時~11時30分)が6.1%だった。前年比で、『年忘れにっぽんの歌』は0.9ポイント、『孤独のグルメ』は2.0%アップさせている。『紅白』が凝りすぎた演出や若手の起用で、高齢者層から不評を買うなか、わかりやすく狙いをしぼった潔い番組となった。

 フジテレビ系の格闘技中継『大晦日はRIZIN』は、第1部(同6時~)が6.0%、第2部(同7時~)が5.5%、生放送枠の第3部(同8時~)が7.4%、第4部(同11時~11時45分)が4.3%で、前年と大差なし。看板カードを並べた生放送枠は、前年よりわずか0.1ポイント増。昨年はボクシングに転向する那須川天心の“RIZIN卒業マッチ”も行われたが、ガチンコ勝負ではなく、五味隆典とのエキシビションマッチで大きな注目は集められなかった。全盛期の「PRIDE」と違い、格闘技は今ではマニアックな人気しかないだけに、“一般受け”するようなマッチメイクをしないかぎり、大きく数字を伸ばすことはできないのかも。

 そして、今年も『THE鬼タイジ 大晦日決戦in鬼ヶ島』(同7時40分~11時45分)で、3.9%。これでTBSは、19年の『SASUKE2019大晦日』(第1部=4.0%、第2部=5.0%)、20年の『バナナマンのせっかくグルメ5時間SP!』(4.6%)に続き、3年連続でビリとなってしまった。『SASUKE』や『せっかくグルメ』は通常放送では一定の人気を持っているものの、大みそかでは惨敗。それに比べ、『THE鬼タイジ』は特番でも好評を得ていたとはいいがたい。もはや“捨てゲーム”だったのか、それとも他の狙いがあったのだろうか。

 昨今ではすでに多くのメディアでテレビ離れが叫ばれており、制作サイドもそうした状況を見越して番組を作っている。その中で昨年末は、若年層のテレビ離れと、ネット配信を含む他コンテンツへの移行が実際に目に見えた年だったというところだろうか。すでに視聴率だけではすでになにも分析しきれない状態。今年の年末は、更にその傾向がすすんでいることだけはまちがいなさそうだ。

最終更新:2022/01/08 06:00
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