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『チコちゃんに叱られる!』金庫破りに聴診器はウソ演出?「元ネタはうちのオヤジ」

ルパンⅢ世にも影響を与えた“鍵のプロ”による演出とウソ

 この日2つ目のテーマは、「なんで鍵はギザギザしているの?」という疑問であった。回答者に指名されたのは竹山である。

竹山    「鍵穴の中でギザギザとデコボコがバシッと合うようになってんじゃないですか? バシッと合ってガチャッと開くシステムだからギザギザにするんじゃないですか」
チコちゃん 「擬音ばっかりですけども。ちょっとわかりにくいですねえ」
竹山    「だから、鍵の反比例みたいな穴が空いてるんじゃないですか? そこに鍵が入ることによって空間がなくなって、それで何かをグゥっと押せるんじゃないですか」
チコちゃん 「ボーっと生きてんじゃねーよ!」

 チコちゃんが発表した正解は「ギザギザの数ぶんの金属の棒の切れ目を一定の高さにそろえるため」であった。詳しく教えてくれるのは、「金庫と鍵の博物館」の杉山泰史館長。杉山館長は、実際に錠前のカットモデルを見せてくれた。

 内部を見ると縦にいくつかの穴があり、金属の棒と棒を押さえるスプリングが仕込まれているのがわかる。鍵の挿入方向に対し、垂直に金属棒が数本並んでいる構造だ。2つへ分かれるよう金属の棒に切れ目がある点が、錠前のポイント。切れ目の位置(高さ)はそれぞれの棒でまったく異なる。このままの状態だと金属棒が邪魔するので内側の筒が回らず、扉を開けることはできない。ここに鍵を差し込むと、棒を持ち上げながら鍵が奥へ入っていく。結果、鍵のギザギザに合わせて鍵穴の中の金属棒がそれぞれバラバラの高さで持ち上がるのだ。すると、すべての金属棒の切れ目の高さはピッタリ一致し、内側の筒を回すことが可能となる。こうして、鍵は開くわけだ……って、それなら竹山の回答は合ってたじゃない! なぜ、正解にしてあげなかったのか?

 というか、こんな情報を発信してピッキングのヒントにならないのだろうか。一般市民として不安だ。BGMに「キャッツ・アイ」まで使っているし……と思っていたが、鍵屋のホームページへ行くと構造についてはとっくに公開していた模様。おそらく、この説明でどうにかなるほど簡単な仕組みじゃないのだろう。逆に言えば、鍵を渡すと短時間でスペアキーを作ってくれる鍵屋さんは本当にすごい。

 ところでドラマやアニメで金庫を開ける際、扉に聴診器を当てる描写をよく見る。あれはどういう意味があるのだろうか。泥棒は金庫の何の音を聴いている?

「演出上のトリックというか嘘っぱちであって、実はそんなのは全然聴いてないんです。元ネタはうちのオヤジです」(杉山館長)

 えーーーっ、マジか! すっかり騙された。ルパンでさえやってたのに!! 杉山館長のお父さん、映画やドラマやアニメに影響を与えすぎである。確かに、“開かずの金庫”を開ける番組を見ると、プロは手の感覚一つで金庫破りに挑戦している。そういえば、みんな聴診器は使っていなかったな……。とにかく、今日イチ驚いた情報だった。どうせなら、こっちのほうを掘り下げて問題にしてよ!

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