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『家、ついて行ってイイですか?』39歳女性“結婚13カ条件”とまさかの2年後

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『家、ついて行ってイイですか?』(テレビ東京系)

 2月9日放送『家、ついて行ってイイですか?』(テレビ東京系)が久々に面白かった。今回取り上げた2本のVTRはどちらも神回だったと思う。

 

シンママを思う長男が“子どもらしくない子ども”になった理由

 東京都江東区・砂町銀座商店街でスタッフが声をかけたのは、息子2人、娘1人を連れたママであった。彼女の名前はなつきさん。ショッピングモールへ行く途中というこのご家族に「家、ついて行ってイイですか?」と尋ねると、特に長男のおうせ君(小6)が乗り気のリアクションなのだ。

――ちょっとだけ、お話いいですか?
おうせ 「はい。逆に、お話聞いてほしいです」
――今日のお買い物代をお支払いするんで、家、ついて行ってイイですか?
おうせ 「スゲー! じゃあ俺、欲しい物買ってもらえるってこと? お願い、ママ!!」
なつき 「だって、今から買い物行くんだよ」
おうせ 「だから、お金払ってもらえるじゃん!」
なつき 「うん、じゃあ……(苦笑)」
おうせ 「ヤッター!」
なつき 「(自分たちは)訳あり家族です、本当に」

 3人の子どもたちは、野球用具やマンガなどをごっそり購入。しめて、20,164円だ。しっかりした買い物である。

 というわけで、この家族が住む家賃8万2千円のマンション(2DK)に到着。「汚いからキッチンは映さないで」という条件が事前に出ていたが、キッチンどころか全体的にゴチャゴチャしている。物が多いし、人が多い。ふすまには大きな穴が空いており、生活感もすごい。でも、家族が多いのだからこんなものなのでは? という気もする。

 家に帰ってマスクを外すと、なつきさんが美人なのだ。年齢は35歳で、とても3人のお子さんがいるママとは思えない。

おうせ 「もの凄く若いですよね。とても可愛いんですよ」
なつき 「(照笑)」

 家の中は物が多く、特に多いのは本だ。子どもたちみんな、本が大好きらしい。そんな本の山の中に、身体の仕組みを解説する本が混じっていた。なつきさんはスポーツクラブでインストラクターの仕事をしているそうだ。

「マジ、カッコいいです」(おうせ君)

 親のことを「カッコいい」と言えるのは、いい家庭の証である。続いてキッチンに行き、冷蔵庫を開けると、その中になぜかチンアナゴのマグネットが入っていた。

おうせ 「冷蔵庫の外に落ちてて、ある日『可哀想だな』と思って。(入れ物に)入れてみたんですよ。ずっぽりサイズで入って、丁度いいです。“冷やしチンアナゴ”って言って、うちの名物です」
なつき 「(照笑)」

 無意識にママにセクハラするおうせ。なんて、大人びた少年なのか。子どもたちの寝室へ行くと、そこにあったのは驚きの3段ベッドだ。当初、おうせ君の狙いは真ん中の2段目だったらしい。

「いざ試しに乗ってみたらスノコがきしんで、余儀なく下の段(1段目)に変更されました」(おうせ君)

 さっきから、おうせ君のトーク力が抜群なのだ。「余儀なく」なんて40代の筆者だって日常会話で使わないし、ハキハキしゃべれる人間力は小6のそれではない。彼の語彙力は読書の賜物か?

 家族の中で彼の存在は大きい。いるのといないとでは、空気がまったく違ってくるだろう。ちなみに、この家にパパはいない。なつきさんはバツ2のシングルマザーだった。

おうせ 「そのときに、お母さんが俺たちには離れてほしくないってちゃんと3人とも全員引き取った感じですかね」
なつき 「兄妹っていうのは離すもんじゃないと私は思ってるので、『金銭面で不利でしょ』って話はされてたんですけど、絶対に親権だけは譲らないと思って、大変なのは承知の上でこうなりました(笑)」

 シンママである。やはり、金銭面はカツカツだ。しかし、彼女には家族からの理解があった。

「今やってるフィットネスの仕事は、最初のうちは不慣れで空回りが多かった印象なんですけど、でも何年も何年もやって、お母さんがやりたかった仕事だっていうのもあって。仕事をしている時のお母さんは目がすごく輝いてて、俺もいつかそうなりたいなって。俺が人生で1番尊敬している人は、やっぱりお母さん。いつも、お家に帰ってきてから疲れてすぐそこら辺で寝ちゃうこともあって、大変だなっていうのはわかるけど、自分で楽しんで仕事してるっていうのは俺にはとっても響いてて、その仕事を頑張ってもらいたいと思います」

「お母さんとケンカしたら、やっぱり俺たちってお金もあんまりないし、『お父さんのほうがよかったなあ』ってこぼすこともあったんですけど、(お母さんは)優しさにあふれてるから心はいっぱいだよ」(おうせ君)

 ちなみに、なつきさんは正社員ではない。非正規の雇用だそうだ。

「俺が言える立場じゃないかもしれないけど、『社員にしてほしいな』とは思います」(おうせ君)

 横で聞いていて、なつきさんは泣いてしまった。感動したからだ。この家族は長男がしっかりしている。逆に言うと、“子どもらしくない子ども”という印象も受ける。もしかしたら、彼はそうなるしかなかったのかしれない。自分が大人にならないといけない環境だったのかもしれない。母を助けるため、父親の代わりをしようとしている。

 スタッフが声をかけたとき、「好きなものを買える!」とわかって彼ははしゃいだ。ちゃんと子どもっぽかった。やっぱり、無理をしている気がするのだ。「お話いいですか?」と言われ、彼は「逆にお話聞いてほしいです」と返していた。クラスメートには話せない“訳あり家族”ゆえの思いを吐き出したいから、スタッフを前に止まらなくなったようにも見えた。

 お母さんへのありがとうの気持ちを一通り口にした後、彼は言った。

「もうすぐ思春期に入って中学生なんで、感謝を今のうちに伝えとこうと」(おうせ君)

 自ら予告する「もうすぐ思春期なんで」の宣言には笑った。なつきさんにとって、もはや夫がいらなくなりそうな程の包容力を持つ長男。しかし、中学に入れば反抗期だって来るだろう。親への適度な反抗は大事である。母からすれば、「子どもは子どもらしくいてほしい」という気持ちもあるはずだ。すごくいい子だけれど、子どもにここまで言わせてしまうのは正直心配になった。ただ、こんな子がそばにいるだけで、彼女は幸せだと思う。

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