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バカリズムが因縁深き『R-1グランプリ』で初審査員を務める意味

バカリズム、因縁深き『R-1グランプリ』の初審査員を務める意味の画像1
バカリズム(マセキ芸能社公式サイトより)

 ひとり芸日本一を決める『R-1グランプリ2022』決勝戦で、ピン芸人のバカリズムが審査員を務めることが発表された。バカリズムが同大会で審査員を務めるのは初となる。そのほか、陣内智則、小籔千豊、野田クリスタル(マヂカルラブリー)、ハリウッドザコシショウが審査員に選出されている。

 バカリズムはこれまで、2006年、2007年、2009年、2010年と4度にわたって『R-1ぐらんぷり』の決勝戦に進出。2010年の大会後に“R-1卒業”を宣言して以来、予選にも参加していなかった。

「バカリズムは、ピン芸人としてR-1でしっかり結果を残していましたが、その一方でいいところまではいっても優勝できないという状態が続いていたんですよね。しかし、R-1を卒業してから一気にブレイクしていったので、バカリズムにとってR-1は黒歴史なのではないかとさえ言われていたんです。なので、今回審査員を引き受けたのは意外でしたね」(構成作家)

 2006年は決勝4位、2007年は決勝3位、2008年は準決勝敗退、2009年は決勝3位、2010年は決勝7位という戦績だったバカリズムにとってのR-1。そのなかでも、最も優勝に近づいたと言われるのが2009年だった。

 2009年大会で3度目の決勝進出を果たしたバカリズム。ネタ順は3番目で、“都道府県を持つ”ネタを披露した。まさに唯一無二の発想によって作られた、オリジナリティーあふれるネタは大爆笑を誘い、審査員の清水ミチコが100点満点をつけるほどに高評価となった。

 しかし、その次の出順であったエハラマサヒロが、シンガーソングライターのネタを披露すると、あっさりとバカリズムの点数を超えてしまう。そして、最終出順だった中山功太が“時報”のネタを披露すると、ここでエハラの得点を抜き去り、優勝をかっさらったのだ。

「正直言って、2009年大会でもっともネタにオリジナリティーがあり、そしてウケていたのはバカリズムでした。3番目にネタをやって、爆笑をとった時には、誰もが優勝すると思っていたのではないでしょうか。しかし、清水ミチコが100点をつけたことが影響したのかわかりませんが、その後の審査員のつける点数がどんどん高くなっていったんですよね。点数がインフレ化してしまい、最初の方のネタと最後の方のネタでは点数の基準がまったく異なっていた。あの大会でバカリズムが優勝できなかったのは正直、審査ミスと言えなくもないほどです。審査員たちが、出順に左右されず、最初から最後まで同じ基準で点数をつけることができていたら、バカリズムが優勝していたはずです」(同)

 いうなれば、疑惑の審査によって優勝が盗まれてしまったバカリズム。翌年2010年にも決勝戦に進出するが、7位という結果に終わった。

「バカリズムが撤退したことで、どれだけ独創的で面白いネタをやっても、優勝できないのがR-1というイメージがついたのは間違いない。しかも、R-1を卒業した途端にバカリズムはブレイクしたわけで、むしろR-1がバカリズムの足を引っ張っていたのではないかとさえ思えてくる。M-1グランプリやキングオブコントに比べて、R-1がいまいち権威がないのは、バカリズムを優勝させることができなかったからと言えるかもしれません」(テレビ局関係者)

 今回、R-1グランプリの審査員を務めるにあたり、バカリズムは「恩返しという感じで何か力になれるんだったらということで、ピン芸人界がちょっとでも盛り上がればっていう思いです」とコメントしている。

「バカリズムはR-1で煮え切らない審査を経験してきたわけで、だからこそ自分はそういう審査をしないように、ちゃんと公平にネタを見ることになるでしょう。そして、出場する若いピン芸人たちにとっても、天才と称されるバカリズムに評価されるのは、とても意味があることです。そういった要素もあり、今年のR-1はこれまでとは違う大会になるでしょう。それこそ、権威ある大会に生まれ変わるタイミングになるかもしれません」(同)

 今年のR-1グランプリでは、決勝進出者が前回の10人から8人に減少、審査員も7人から5人に減った。これらのマイナーチェンジも含めて、新しくなった今年のR-1グランプリは注目を集めそうだ。

浜松貴憲(ライター)

1980年生まれ、東京都出身。大学卒業後、出版社に入社。その後、いくつかの出版社を渡り歩いた末に、現在はフリーライターとして、テレビ番組、お笑い、YouTubeなど、エンターテインメント全般について執筆している。

はままつたかのり

最終更新:2022/02/25 20:00
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