日刊サイゾー トップ > 連載・コラム > 世界は映画を見ていれば大体わかる  > ラジー賞2022にブルース・ウィリスの全作品がノミネート!!
世界は映画を見ていれば大体わかる#33

ブルース・ウィリス突然の引退― 今年ラジー賞に出演全作品ノミネート

時代は26世紀、戦い方は20世紀のとんでもSF!

 もう一本は『コズミック・シン』。こちらはまだ見られます。26世紀の宇宙が舞台で、その時代になると地球人は宇宙に進出していてほかの惑星に入植を始めている。その人間たちの前に異星人が現れる。それは人類にとってファースト・コンタクトだった。異星人は地球人に襲い掛かり、精神をのっとり自由に操る能力を持っていた。

 異星人との全面対決による破滅を回避するために軍は前大戦の英雄だった元将軍のジェームズ・フォード(ウィリス)を招聘する。彼は英雄だったが数千万人の味方ごと敵を吹き飛ばしたとして「殺人鬼」と忌み嫌われ、軍を離れていた。

 26世紀だというのにマズルフラッシュの出る銃火器が使われている。ビームガンとかじゃないんだね。異星人の武器はナイフ(!)で、戦闘する場所は林か倉庫。もう一度いうけど、26世紀の話です。

 異星人と激戦中の惑星にウィリスらを「転移」させるのだけど、テレポートさせるとかではなく、人間大砲のようにすっ飛ばす! 宇宙空間に撃ちだされた人員は特殊なスーツを着た状態で直接、惑星の大気圏に突入する。『機動戦士ガンダム』のザクですら突入したら燃え尽きてたのに。ちなみに突入したひとりは宇宙船の破片にぶつかって宇宙空間に放りだされる。だから、そんなことしないで宇宙船ごと突入すればいいだけじゃないか。

 激戦の果てに侵略しようとしたのは異星人か、それとも地球人か? みたいなテーマを出しながら、最後は敵の大勢力に「地球から冥王星まで吹き飛ばす」爆弾を撃ち込んで大勝利。ものの考え方が20世紀からまるで進歩していない!

 監督兼脚本はエドワード・ジョン・ドレイクという人。最近のウィリスはこの監督と何度も仕事をしていて、今回ノミネートしている『アメリカン・スィージ』『エイペックス』も同監督の作品で、来年以降も『ガソリン・アレイ』『パラダイス・シティ』が公開予定。

 去年公開された『アンチ・ライフ』(U-NEXTで配信中)もドレイク作品で、地球を捨て新しい植民惑星に行こうとする宇宙船が寄生型エイリアンに襲われるという80年代に山ほど見たD級SF。ウィリスの役はかつて英雄と呼ばれたが失態を犯したことで部隊を追われた元軍人……って『コズミック・シン』と同じじゃないか!なんならセットも同じじゃないかなってぐらい。3時間分のフィルムを撮影して、1時間半の二つにわけて別の映画として公開している、と言われても信じられるほど。

 多作の上に駄作ぞろいという、最近のウィリスはどうしちまったんだ? 多作といえばニコラス・ケイジもそうだけど、彼はカルトとして評価を高めているのに比べ、ウィリスはダメな製作者と組んで同じような映画の同じような役だけこなして、いくらなんでも省エネすぎない?

 一体彼はどうしてこうなったのか? それで思い出すのが去年、ウィリスがロサンゼルスの薬局にノーマスクで入ろうとして店員から入店を拒否されていた、という話題だ。

 ウィリスは首にバンダナを巻いていたので、店員はバンダナで口元を覆うよう要求したのに、応じなかったという。人の言うことを聞かないというあたりに、最近の作品選びの傾向が表れている気がする。誰が見てもダメな製作者の作品に出続けるって、人の意見に耳を貸さないからかも?

 アカデミー賞を取ったことのあるニコラス・ケイジみたいに演技が評価されることはまずないんだから、ラジー賞の授賞式に堂々と出てくれないかな? 以前『アルマゲドン』の時に最低主演男優賞を受賞したけど、来てくれなかったからね!

※こちらは、2022年3月8日に配信した記事を再掲載したものです。

しばりやトーマス(映画ライター)

関西を中心に活動するフリーの映画面白コメンテイター。どうでもいい時事ネタを収集する企画「地下ニュースグランプリ」主催。

Twitter:@sivariyathomas

しばりやとーます

最終更新:2023/02/24 11:43
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