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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.677

今泉力哉&城定秀夫の魅惑のタッグ作! 大人の恋愛コメディ『猫は逃げた』

文=長野辰次(ながの・たつじ)

人それぞれに、いろんな愛のかたちがある

今泉力哉&城定秀夫の魅惑のタッグ作! 大人の恋愛コメディ『猫は逃げた』の画像3
城定秀夫監督が演出した『愛なのに』。瀬戸康史、河合優実らが出演

 今泉監督と城定監督がコラボした「L/R15」のもう一本の映画『愛なのに』は、すでに2月25日から公開が始まっている。『愛なのに』は脚本を今泉監督が用意し、城定監督が演出した逆パターンの作品だ。ピンク映画出身の城定監督が官能シーンをしっとりと撮り上げ、こちらも見応えのある恋愛コメディとなっている。

 古本屋の店主・多田(瀬戸康史)は、学生時代の仲間である広重(毎熊克哉)たちと久々に飲み、片想いの相手・一花(さとうほなみ)がもうすぐ結婚することを知る。多田は今でも一花のことを想い続け、独身のままだった。そんな多田の店に、女子高生の岬(河合優実)が通い詰め、果敢に多田にアプローチする。

 若い女性から好意を抱かれるのはうれしいものの、さすがに30過ぎた男が女子高生に手を出すのはまずい。多田は読み終わった本の貸し借りや手紙のやりとりを、岬と交わすようになる。だが、多田と岬とのプラトニックな関係を、常識ある大人たちは「気持ち悪い」と断罪する。岬の純粋な気持ちも、多田の思いやりも、モラリストたちの狭い価値観によって否定されてしまう。普段は温厚な多田は叫ぶ。

「愛を否定するな!」

 どんなかたちであれ、愛は愛だ。人それぞれに、いろんな愛のかたちがあってもいいではないか。脚本に込めた今泉監督の心の叫びが、スクリーン越しに感じられる。

 映画監督として脂の乗った時期にある城定監督と今泉監督によるコラボ企画。また、機会があれば、お互いにリスペクトしあう両監督の組み合わせの新作映画をまた観てみたい。この2人がもっと活躍すれば、日本映画はもっともっと豊かになるだろう。

 

『猫は逃げた』
監督/今泉力哉 脚本/城定秀夫、今泉力哉
出演/山本奈衣瑠、毎熊克哉、手島実優、井之脇海、伊藤俊介、中村久美、オセロ(猫)
配給/SPOTTED PRODUCTIONS R15+ 3月18日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開
©2021「猫は逃げた」フィルムパートナーズ
lr15-movie.com

『愛なのに』
監督/城定秀夫 脚本/今泉力哉、城定秀夫
出演/瀬戸康史、さとうほなみ、河合優実、中島歩、向里祐香、丈太郎、毎熊克哉、オセロ(猫)
配給/SPOTTED PRODUCTIONS R15+ 新宿武蔵野館ほか全国順次公開中
©2021「愛なのに」フィルムパートナーズ

長野辰次(ながの・たつじ)

長野辰次(ながの・たつじ)

フリーライター。著書に『バックステージヒーローズ』『パンドラ映画館 美女と楽園』など。共著に『世界のカルト監督列伝』『仰天カルト・ムービー100 PART2』ほか。

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最終更新:2022/05/17 15:40
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