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今週の『金曜ロードショー』を楽しむための基礎知識⑪

今週の『金ロー』玉木宏『極主夫道』ヤクザコメディが生まれるシビアな現実

文=しばりやトーマス(しばりや・とーます)

玉木宏『極主夫道』くすっと笑えるヤクザコメディが生まれたシビアな現実の画像1
玉木宏(写真/Getty Imagesより)

 金曜ロードショーを楽しむための企画、今週は玉木宏が強面の極道を演じる人気漫画のテレビドラマ『極主夫道』の特番『極主夫道 爆笑!カチコミSP』を掘り下げます。

 極道モノドラマと聞くとヤクザ同士がシマ争いで血生臭い抗争を繰り広げたり、違法なお薬をバラまいたり、一般市民を暴力で苦しめたり、国家権力と争ったり……するわけではない。いや、違う意味で騒ぎを起こす様子が繰り広げられる。

 元・最強かつ最凶のヤクザ、“不死身の龍”と呼ばれ恐れられた龍(玉木宏)は、愛する女性との結婚をきっかけに極道から足を洗い堅気の世界、しかも専業主夫に身を投じる。彼が専業主夫をなぜやるかというとキャリアウーマンの妻、未久(川口春奈)が一切の家事ができないタイプで、娘の向日葵(白鳥玉季)にも「できないことはしない方がいい」と呆れられているから。

 龍の現役時代は対立組織にたった一人でカチコミをかけて潰してしまうほどゴリゴリの武闘派であったが、元々は折り目正しい真面目な男だったので掃除・洗濯・炊事・買物などの家事をほぼ完ぺきにこなす。

 が、ヤクザ時代の癖が抜けず妻や娘が帰宅する度「おつとめごくろうさんです!」とドスを利かせたり、スーパーの野菜があまりに安いと「こら、生産者を拉致らんとこの価格にはならんで!」とおだやかでないことをいったり、掃除をする際は「この白い粉を使うと綺麗に落ちますわ!」と重曹を持ち出し、「ジュースにこれ入れたら、疲れも吹っ飛びますわ!」と白い粉(クエン酸)を入れたり……。

 家の中どころか外でも龍は変わらない。緑のおばさんならぬおじさんとして登下校の児童を見守り、町内会の出し物に協力、PTAのハロウィン会で「危険な桃太郎」の出し物をし、婦人会のバレーボールに助っ人参加、ラッパーとして全米デビューを目指す。未久が忘れた弁当を渡しにいこうとした時は弁当を厳重にアタッシュケースの中にしまい込んでいくので、傍目にはヤバいブツを運んでいるようにしか見えず即、警官の職質を受けてしまう。

 現組員で弟分の雅(志尊淳)に「明日河川敷に“れんこん”を持ってこい!“こうそう”は用意できとる!」と電話。対立する組にカチコミをかけてくれると勘違いした雅と組長(竹中直人)、姐さん(稲森いずみ)、警官たちが駆け付けると婦人会のバーベキューパーティーの真っ最中!野菜の蓮根と香草ってこと!バカバカしいオチにもほどがある!

……とこんな感じで強面の元ヤクザが堅気の世界になじもうとして周囲の誤解からトラブルを巻き起こしながら「主夫道、舐めたらあかんで!」とキメ顔を見せるヤクザ・コメディなんです。

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