日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 有吉弘行“らしさ”全開の蛭子さんとの交流

ギャラクシー賞『有吉クイズ』有吉弘行と蛭子能収の心の交歓の「その後」を振り返る

「ギャラ払いますんで、夏にまた会いましょう」

 「有吉と蛭子さん2022春」は、これにて終了。別れの間際に交わすのは、次回の約束だ。

有吉 「今は3月ですけど、次はどうですか? 夏は暑いですけど、1回またお会いできたらいいなと。ギャラ払いますんで」
蛭子 「(満面の笑み)」
有吉 「笑いが止まんないじゃないですか、本当に(笑)」
蛭子 「ありがたい、本当にそれはもう」

 ギャラと聞き、ニマニマ顔で喜ぶ蛭子。まだまだお金は大好きである。そんな蛭子に、夏という短いスパンで目的を与えてあげる有吉。次の約束、未来の予定があるとお年寄りは嬉しいらしい。「だから、元気でいてくださいね」というメッセージを込めていたのかもしれない。

有吉 「なんかないですか? (次のロケで)やってみたいとか、食べてみたいとか」
蛭子 「あの、うるさいようなところが好きです」
有吉 「そうですか! やっぱり、街がいいんですね。新宿、渋谷、六本木?」
蛭子 「やっぱり、渋谷かなあ」
有吉 「ハッハッハ! じゃあ、渋谷辺りで、夏に」
蛭子 「ありがとう、本当に」

 有吉は蛭子が現場で仕事できるようにさせてあげたがっている。「本人が仕事をしたいのなら、元気でやってほしい」と有吉は言っていた。この日、蛭子の口から有吉に「有吉君」と呼びかけることは一度もなかった。テレビに出なくなったら、病気は進行しかねない。だから、シーズン毎に会う。次の渋谷編は今までとは違った内容になりそうなので期待大だ。

 「女性自身」2020年8月18日・25日合併号(光文社)のインタビューで、蛭子は有吉について言及している。

「有吉さんは、テレビの世界での昔からの仲間。オレが認知症になる前からオレを取り上げて、無料で宣伝してくれます。きっとオレのことが好きなんでしょうね。本当は会ってお礼をしたほうがいいでしょうけど、オレは話すのが苦手だから。有吉さんが勝手に話してくれて、オレは黙ってるだけでいいんなら別に会ってもいいですけど……、やっぱり、『また会いたいな』ということにしてください」

 ロケの最中、事あるごとに蛭子は「ありがとう」と口にしていた。

 VTRが終わり、スタジオの出演者たちからは「心が洗われました」「2本目のギャラクシー賞、あるんじゃないですか?」というコメントが続出した。そういう番組として大団円を迎えてもいい流れだ。

「蛭子さんの笑顔を引き出す俺の人柄もいじゃない?」
「普段は結構キツいこと言ってんだけど、ああいうのを見るといい人だなって思うだろ?」

 自分から言うことでその流れを潰し、プラマイゼロに戻す有吉の“らしさ”が好きだ。

 「有吉と蛭子さん」のロケは、あとどれくらい見られるだろうか? 次回も「都会が好き」と蛭子は言うだろうか? 回を重ねる毎に認知症は進み、いつか有吉のことがわからなくなるかもしれない。でも、本人と家族が出たいと言うのなら、そのときまで有吉は企画を続けようとしている気がする。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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てらにしじゃじゅーか

最終更新:2022/06/02 18:00
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