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『キングオブコント』になぜこだわるのか? おしみんまるの「これしかない悲しみ」

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『キングオブコント2022』(TBS)決勝が近づいている。芸人にとって賞レースが人生を変えるターニングポイントであることは言うまでもない。それは、毎年生まれるただ1組の王者だけでなく、敗者にとっても同様である。だからこそそこにこだわる。『M-1グランプリ』や『R-1グランプリ』と違って芸歴制限のない『KOC』はなおさら、その魔力から距離を取ることが難しい。2014年のファイナリストであり、現在はピン芸人として活動するおしみんまる(元・犬の心/2020年解散)は、まさに『KOC』に魅入られている(本人いわく「つきまとわれている」)ひとりだ。今年はユニット参加で準々決勝敗退。この賞レースに賭け続ける芸歴25年目の心情を掘り下げる。

――今年の『キングオブコント』、ユニットを組んで参加されましたね。ピン芸人になった今、出ない選択肢もあるのになぜ出るんですか?

おしみんまる それは大会がずっとつきまとっているというか……。前のコンビが芸歴10年目で『M-1』に出られなくなった年、『キングオブコント』が始まったんです。それまでコントしかやってこなかったので、当然出るじゃないですか。そして今度はコンビを解散したら、その翌年からユニットの参加が認められた。そういう出ざるを得ないタイミングで大会が始まったり、ルール改正があったりしたんですよ。

――今年の手応えはいかがでしたか。

おしみんまる 去年は後輩のゴスケと組んで、ウケ方が0点か100点かのコントをやったんですよね。今年はさらに実績のある守谷日和と組んだので、ちゃんとしたコントをしなきゃという思いが強くあって、手ごたえもそれなりにありました。準々決勝まではいったけど、負けて去年の何倍も悔しかったですね。今は来年を視野に入れて、守谷と正面きって頑張ろうかなと思っています。

――その準々決勝で落ちた後、配信でめちゃくちゃ悔しがってましたね。

おしみんまる コンビで出ようがユニットで出ようが、そこの感情は変わらないですね……。まるまる1年準備して万全で挑むのも、3日前になんとなく出ようかで出るのも、一緒でした。「悔しい」もありますけど、本音を言うと「恥ずかしい」に近いです。賞レースで落ちるって、会場でウケきれなかったということじゃないですか。それを「恥ずかしい」と言うと生々しいから、「悔しい」に変換してる。僕はずっとその感情ですね。

――後輩が賞レースで結果出すことに関してはどんな感情ですか。

おしみんまる それは嫉妬しかありません! 自分が優勝したり、「大会はもういいや」と思ったら特に感じないんでしょうけど、俺はいまだに現役で出てますから。もちろん所属する∞ホールから何組も決勝には行ってるので、「おめでとう」とは言いますよ。でも「優勝するなよ」とも言ってます。『キングオブコント』の生放送見ていて、途中で優勝しそうな感じになると、「優勝してくれるな!」と叫んでますね。うるとらブギーズが決勝に初めて進んだ年(2019年)とかそうでした。

――それはライスさんの優勝(2016年)がトラウマになっているんですか?

おしみんまる ですね。ライスはめちゃくちゃ仲いい後輩で、優勝するわけがないと思っていたんですよ。なめていました。飼い犬に噛まれて、「あっ、噛むんだ?」みたいな。

――しばらくツイッターのアイコンを真っ黒にしていましたよね。

おしみんまる それまでカレーライスを食べてニコニコしているアイコンだったんです。でも、後輩が優勝しているのにニコニコしている自分にムカついて、何に変えていいのかわからないから真っ黒にしました。

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