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シンガーソングライター・ZIN インタビュー

香取慎吾からGANMI、KOJOEともコラボするシンガーソングライター・ZINって何者?

人がどれだけ感動したかは数値化できない

香取慎吾からGANMI、KOJOEともコラボするシンガーソングライター・ZINって何者?の画像5
写真/石田寛

――楽曲提供のときは、基本、求められることに応えるみたいな感じなんですか?

ZIN というよりは、わりと“ZINっぽさ”を求められますね。“ZINくんみたいな曲を”っていうオーダーが多い印象です。

――大比良瑞希の「ダージリン」とかも、確かにZINくんっぽい。

ZIN あれはすごい特殊で、メロディも歌詞も全部出来上がってたんですよ。そこに“僕のニュアンスが欲しい”って言われて、このメロディとこの歌詞を僕が歌うと、どんな感じに歌い崩すのか、語尾の感じだったり、そういうのを取り入れさせて欲しいって言われたんです。で、やってたらコーラスもいいですか?ってことで、コーラスも入れたっていう。

――Snowkとの「Haze」はハウスということで新鮮でした。

ZIN めっちゃ楽しかったです。作る前にお会いして「ハウスとは」みたいな、どういうふうにハウスが生まれたのかっていう話を聞かせてもらって。ちょっとハウス、ハマりそうになってます(笑)。

――コラボでいうと、GANMIとの「BANDAID」はザ・R&Bという感じで。

ZIN あぁー! いろいろやりすぎて、自分でも「あぁー!」て感じになってますね、最近のことなのに(笑)。あれは最初はSUN-CHANGっていうメンバーからDMが来て。GANMIは今までSIRUP、eillとかいろんな人とコラボしてるんですけど、彼らは#CHOREOMUSIC【※】っていうのをやってて、そのプロジェクトに声をかけてくれたんです。TiMTと、showmoreの井上惇志と、ベースの越智俊介、みんなでTiMTのスタジオに集まって、GANMIのSota(Kawashima)くんとkooouyaくんも一緒に、何か全員でゼロから作った感じ。こんなのどう?みたいな感じで。僕も好きです、あの曲。

【※…ダンサーが主体となって、アーティストとコラボレーションして楽曲を作り上げていくGANMIのスタイル】

――それまでGANMIとは特に面識はなかった?

ZIN SIRUPの『channel 02』って配信イベントのときに僕はSoulflexで出てて、GANMIも出演してたんですけど、挨拶してないんですよね、その時は。でもインスタだけ繋がってたみたいな感じだったんです。だから意外でした。そんな自信ないから、「俺?」みたいな(笑)。SIRUP、eillときて、「俺?」(笑)。もうちょいメジャーっていうか、名の知れた人とやらないんだ?と思って。いやでも、嬉しかったですね。

――Rin音の「snow jam」を手がけたことで知られるRhymeTubeの曲にも参加してましたよね。

ZIN あぁ、それもあった(笑)。もう何個やってんだ(笑)。さすがにもうないかと思ってたんですけど(笑)。

――(笑)。幅広い活動というところでいうと、ダンスの舞台『WINGY』に歌で参加というのも驚きました。

ZIN 高校の時にミュージカルやってたのもあって、そういうのすごい好きなんですよ。ニューヨークで仲良くなったスタイリストの先輩がいて、その奥さんが、今回の舞台の演出をした柿崎麻莉子さん。イスラエルってコンテンポラリーダンスの本場なんですけど、イスラエルのダンスカンパニーにいたり、世界的に活躍されてた方で。ダンス公演って、しかもコンテンポラリーってこう、“ぐっと見入る”みたいな印象があるじゃないですか。それをちょっと取っ払いたい、みたいな。もうちょっとライブ感があって、お客さんも一緒に参加できるような舞台を作りたいっていうので、今回歌で入ってほしいって言われて。あと、ちょっと踊るんですけど、僕も。

――そういえば「Walk-in closet」のミュージックビデオで踊ってましたよね。

ZIN 踊りは一瞬やってたんですけど。あれは、元々はストリートダンスっぽく振りをつけてもらおうと思ってたんですけど、思ったより自分ができなくて。レッスンもしてもらったんですけど、自分はまだそれをかっこよく踊れないなと思って。それだったらもう、踊りっていうか、僕がすごい感情的に体を動かしてるみたいな映像が撮れたらいいなって感じでやったんです。

――ちょっとずつライブもできるようになってきましたが、自分の作品の制作も?

ZIN 今、アルバムを作ってて。

――おぉ、ついにアルバムを。

ZIN そうなんですよ。EPしか作ってこなかったんで。今かなって思ったんですけど、大変ですねアルバムって。やっぱシンプルに曲数も多いし、流れとか考えるのは……。僕はアルバム世代っていうか、アルバム聴きで聴いてたから。エリカ・バドゥの『Mama’s Gun』とか、コモンの『Like Water for Chocholate』とか、アルバムで通して聴くからこそ、っていう作品がいいなって思うんですよ。インタールードとか曲の繋ぎとか、そんなこと考えてたらマジで時間がかかりまくってて。でもかかってもいいやって今思ってます。今、4割ぐらいはできてきたんですけど、まだかかりそうです。

――KOJOE、BUPPONとのコラボでじっくり時間をかけて制作した経験もあるだけに。

ZIN あれはBUPPONさんが割と指揮を執ってくださってて、「もうそろそろ出しましょうか」みたいな感じで言ってくれたりして。でも、自分のアルバムは僕1人でやってる手前、ディレクターさんとかいないし、ケツ叩いてくれる人がいない。それが自分の最近の悩みっちゃ悩みで。

――ディアンジェロみたいにならないことを祈ります(笑)。

ZIN (笑)。めっちゃ時間かかるんだったら、どえらい作品作らないと(笑)。

――アルバムのコンセプトとか決まってるんですか?

ZIN コンセプトあるんですよ。沖縄に去年、初めて行ったときに、都会にしか住んだことないんですけど、すごい自然に惹かれる自分がいて。ていうのが大前提にあるんですけど。僕は家具屋さんでバイトしてたことがあって、その時もそうなんですけど、丸いもの、曲線があるものにすごい目が行くというか、「エロいな」って感じるんですよね。それで、自然界には曲線しかない、でも人間が作るものは直線のものばっかりだって思って。人間って、疲れたなと思ったら海に行ったり山に行ったり、都会を離れて自然が多いところに行くじゃないですか。人間自身も曲線でできてて、自然も曲線で、そういう自分と似たものの場所に帰りたくなるのかなと思って。僕が作る音楽も、ちょっと疲れたときにほっとする、みたいなものになればいいなと思って、それで「曲線」をテーマに、ざっくり作ってます。うまく言葉がまとまらないですけど。

――いやいや、伝わります。そういえばアーティスト写真のポーズも曲線的ですね。

ZIN そうですね。前の『GINGER』っていうEPの、男4人裸体で重なり合ってるジャケットは人体模型を意識してて。人間で生姜(ジンジャー)を表してる感じであったりとか。アルバムは『GINGER』の続編的な感じもあるんですよ、実は。『GINGER』を引き継いだ作品になると思います。

――それは楽しみです。ここでちょっと2022年の始めを振り返って……VivaOlaの「My Moon」が『関ジャム』でピックアップされたじゃないですか。あれ、やっぱり大きかったですか? そうでもない?(笑)

ZIN ぶっちゃけ……(笑)。いや、「見たよ」っていう反応はあったんですけど。でもフィーチャリングっていうのもあったし。ただ、リリースしてからだいぶ経った後にピックアップしてもらったし、それも自分が参加した曲だったから、なんか、“ちゃんと評価してもらえた”っていうのは嬉しかったです。リリースしたタイミングで評価されなくても、コツコツ何か自分が納得したものをやり続けてれば、いつかポンっていったときに、「この人、3~4年前からずっとかっこいいことやり続けてたんだ」って思ってもらえたらいいなって思ってて、なんかその感覚でしたね。あ、今いいって言ってもらえるんだ、って。

――評価ということともリンクしてくると思いますが、アーティストとして目指している像とか目標ってありますか?

ZIN 難しいですね……。今、音楽ってファストファッション的というか。バッて燃えたものってバッて消えちゃう。でも、時間をかけて作ったものだったり、じわじわ好きになっていったものってずっと引っかかって残るじゃないですか。だから「無人島に持っていきたいアルバム」の中に入るようなアルバムを作りたいですね。僕もいまだにローリン・ヒルのアルバムを聞き返したりとか、ディアンジェロを聞き返したりとか、そういう長く愛されるものを作るのが目標ですかね。

――消費されていっちゃうものが多いですよね。

ZIN すごいですよね。僕も追いつけないですし。でも残酷ですよね、数字が見えるって。明らかに人気ない・人気あるが数字で見られるっていう。人がどれだけ感動したかは、数値化できないのに。再生回数が多いから感動してるのかって言ったらそうじゃないので。

――同じ5万回再生でも、5万人が1回ずつ聞くのと、50人が5000回ずつ聞くのとでは全然意味が違うわけですし。

ZIN 確かに。あとは目標というか、シンプルにフェスに出たいです(笑)。ずっと言ってるんですけど。

――何に出たいですか?

ZIN 『森、道、市場』とか『りんご音楽祭』とか『SUNSET LIVE』とか。『GREENROOM FESTIVAL』も出てみたいですね。やっぱりライブは生きがいなので。

 

香取慎吾からGANMI、KOJOEともコラボするシンガーソングライター・ZINって何者?の画像6
ZIN(ジン)
R&B/SOULを軸に活動するシンガーソングライター。そのスタイルは時に優しく、時にダイナミックに人間の深層を浮かびあがらせるような独自のサウンドを追求している。ソングライティングに定評があり、様々なアーティストの客演や楽曲提供も行う。2014年には全米最大級のゴスペルフェス「McDonald’s Gospelfest 2014」の男性ソロボーカル部門で5名のファイナリストのひとりに選出。およそ3年間のニューヨーク留学を経て、現在は東京を拠点に活動をしている。関西を中心に活動するアーティストコレクティブ「Soulflex」の一員としても活躍している。
TwitterInstagram

Soulflex主催パーティ『Soulflex joint MILESTONE』東京公演
日時:2022年9月9日(金) OPEN 16:00 / START 17:00
会場:東京・渋谷 duo MUSIC EXCHANGE
料金:ADV. ¥5,400(1D代別途) チケットはこちら
出演:
Soulflex

[GUEST]
??? 

※未就学児入場不可

Soulflex主催パーティ『Soulflex joint MILESTONE』大阪公演
日時:2022年10月16日(日) OPEN 16:00 / START 17:00
会場:大阪・なんばHatch
料金:ADV. ¥6,000(1D代別途) チケットはこちら
出演:
Soulflex

[GUEST]
梅田サイファー / Shin Sakiura
and more…

※未就学児入場不可

末﨑裕之(ライター/編集者)

ライター・編集者。音楽を中心に、俳優・ドラマ~映画の取材まで。共著に『新R&B教本 2010sベスト・アルバム・ランキング』(スペースシャワーブックス)。まれにラジオ出演(NHKラジオ第1、FM802他)、作詞(アイドリング!!!他)も。
Twitter:@hsuezaki

すえざきひろゆき

最終更新:2023/03/14 14:07
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