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『関ジャム』山下達郎が語る自戒、多くのミュージシャンたちに突き刺さる“一問百答”

『関ジャム』山下達郎が語る自戒、多くのミュージシャンに突き刺さる一問百答の画像1
『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)TVer公式サイトより

 6月26日放送『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)は、山下達郎特集の後半戦。山下を敬愛する識者からの質問に本人が回答、その音声がスタジオで紹介される、90分超えのロングインタビューである。

※山下達郎回、前編はこちら

山下達郎の「僕はサブカルチャーなんですよ、しょせんは」宣言

 山下は、ジャニーズの大ヒット曲を多数手がけてきた作曲家でもある。近藤真彦「ハイティーン・ブギ」に関しては、ステージで山下がセルフカバーすることも多い。6月11日からスタートしたライブツアーでも、「ハイティーン・ブギ」はしっかりセットリストに組み込まれている。

 そんな山下に対し、SUPER BEAVERの渋谷龍太は「提供曲を作る上で、ご自身の曲を作る時との違いや苦労はありますか?」と質問。山下は、人に楽曲提供するようになったいきさつを説明した。

「人に曲を書くということでは、僕はCMが長かったです。バンドじゃ食えないので、コマーシャルで生活していた時代が長いんです。あとは、コーラスのスタジオミュージシャンとか。できる仕事はなんでもやったんです。当時は、コーラスという職がすごく少なくて、特に男のコーラスボーイがいなかった。いわゆる、ロックのコーラスができる人は男が僕1人だったので、一手に引き受けていた時代があるんです」(山下)

 有名なところでいえば、山下は松任谷由実(荒井由実)の楽曲にコーラスで参加。アルバム『MISSLIM』(1974年)や『流線形’80』(1978年)などを聴けば、しっかり山下の声を確認することができる。

「そういうところでやっているうちに、『曲を書いてみないか?』と声をかけてくださる方がいて。(中略)当時のコマーシャルソングは30秒・15秒。歌詞はコピーライターで、(自分は)作曲・編曲・演奏・歌唱で。3時間で30秒・15秒を上げるのが仕事だったんです。3時間完パケ。それを100本以上やりましたから。月にそれを何本かやれば食いつなげる。それでようやく飢え死にしなくて済む。ハウス食品の『フルーチェ』とか『シャービック』とか、あのへんは僕が最初です。あと、不二家の『ハートチョコレート』ね。あれの1番最初期にやらせてもらった」(山下)

 山下は他にも「三ツ矢サイダー」「ボラギノール」「イチヂク浣腸」「ミスタードーナツ」など、膨大な数のCM曲を手掛けている。このあたりは、影響を受けた大滝詠一と同じ道程と言えるか? 他にCMソングで生活していたミュージシャンといえば、同時代にオフコース(「明治ブルガリアヨーグルト」など)が、後の世代では菅野よう子(「コスモ石油」など)がいる。

「CMのほうが制限はすごいありますよ。逆に、それが自分の中の引き出しを増やしてくれた。(中略)おっきな事務所に入って、はじめから10tトラックでツアーやらせてもらって……みたいなそういう生活じゃない。ライブハウスで20~30人から始めているので。だから僕はサブカルチャーなんですよ、しょせんは。今も自分は別にメインストリートだと思ってやってないから」(山下)

 山下から飛び出た“サブカルチャー宣言”だ。ただ、彼が在籍したシュガー・ベイブはデビュー前にはっぴいえんどの解散コンサートで起用されているし、1stソロアルバム『CIRCUS TOWN』はニューヨークとロサンゼルスで録音が行われた。実のところ、本人が言うほど叩き上げではないというのが正直な印象だ。

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