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『ユニコーンに乗って』西島秀俊がドラマ現場を変える? 役者やスタッフから“神扱い”のある言動

『ユニコーンに乗って』西島秀俊がドラマの現場を変える? 役者やスタッフから神扱いされる言動の画像1
西島秀俊(Getty Images)

 7月5日から放送がスタートした永野芽郁の主演ドラマ『ユニコーンに乗って』(TBS系)が、まずまずの滑り出しだ。初回放送は世帯平均視聴率が8.7%、個人視聴率は4.8%(共にビデオリサーチ調べ/関東地区)。一部では、設定や展開、演出を「韓国ドラマのパクリだ」と指摘する声もあるようだ。

「永野芽郁演じる主人公のITベンチャー企業の若手女性CEO(最高経営責任者)を中心に、お仕事はもちろん恋愛要素もある“大人の青春ドラマ”。完全オリジナル脚本という触れ込みなのですが、韓国ドラマ『スタートアップ:夢の扉』(2020)に設定や登場人物の関係性などが似通っていて、ネットでは“パクリ疑惑”も浮上している。もちろん、ストーリーが進むにつれてオリジナリティが出ててくる可能性はありますが、海外ドラマが擦り尽くしたような設定やキャラクターで、新鮮味を感じられないんですよね」(民放関係者)

 ただ、そんな作品の風評も吹き飛ばすかのように、いい味を出して、ドラマを盛り上げている役者がいる。西島秀俊だ。

「西島は、まじめで堅苦しくもどこか抜けている“おじさんサラリーマン”を演じています。ずっと地銀に勤めていながらも、48歳で永野たちの会社に転職。若者ばかりのスタートアップで悪戦苦闘しながらも、働くことの素晴らしさやサラリーマン生活で培った企業人としてのプライドを見せて、ドラマに深みを与える重要な役どころです。

 今回も、どんな役柄でも変幻自在にこなしてしまう西島のうまさが出ている。現場でも、まだ座長としての経験の少ない永野より、西島を中心に回っている印象です」(民放関係者)

 そんな西島といえば、主演映画『ドライブ・マイ・カー』が昨年の「第74回カンヌ国際映画祭」で日本映画として初の4冠に輝き、さらに今年の「第94回アカデミー賞」でも国際長編映画賞を受賞。俳優として世界的な評価を受けた。

 『ドライブ・マイ・カー』の功績によってオファーが急増した西島が、今回、ドラマへ出演することは、テレビ業界としても“意外な選択”だったという。

「西島は、主演映画『グッバイ・クルエル・ワールド』(大森立嗣監督)の公開も9月に控えていますし、このタイミングで無理にドラマに出る必要はないはず。今後は、作品により没頭できる映画を中心に活動し、地上波ドラマへの出演は少なくなるだろうと思われていました。でも本人は、今回の『ユニコーンに乗って』に限らず、スケジュールさえ合えば今後もドラマにも積極的に出演したい、と話しているようです」(同上)

 そんな西島の意向は、彼の過去が関係していそうだ。

「西島は、90年代にデビューしてすぐに人気を得ましたが、その後に“方向性の違い”で事務所を移籍したことで干され、地上波から遠ざかるなど、苦難の時期を経験しました。そのドラマの撮影現場でも、演技指導とは名ばかりの厳しいパワハラを受けたこともあったそうです。

 その後、無事にブレイクした西島ですが、若い頃の苦い経験を忘れていないのでしょう。『ユニコーンに乗って』も、“撮影現場で監督やスタッフが怒鳴らない”、“パワハラやセクハラ、過重労働をスタッフがしない”などを条件にオファーを受けたそうです。俳優としての評価はもちろん発言力も高まっている西島が、率先してドラマ業界の改革に乗り出している」(同上)

 西島の行動には、後輩俳優たちだけでなく、スタッフからも称賛の声があがっているという。

「ドラマも映画も、いまだに制作現場でのパワハラやセクハラが起こりやすい業界だと言える。西島は『ユニコーンに乗って』の制作記者会見で、“監督と話し合いながら非常に良い環境で仕事できている”としっかり公言していました。こうした西島の言動を見て、俳優やスタッフ、男女問わず“西島信者”が急増しています。実際、西島が関わっている撮影現場は明るい雰囲気で、毎回評判がいい。今回の西島の行動をきっかけのひとつにして、クリーンで働きやすい現場が増えていってくれれば」(同上)

 昨今、俳優の木下ほうかや園子温監督、河瀬直美監督らのセクハラやパワハラばかりがクローズアップされていたドラマや映画の制作現場だが、西島の行動が大きな転換点となるかもしれない。

小林真一(フリーライター)

テレビ局勤務を経て、フリーライターに。過去の仕事から、ジャニーズやアイドルの裏側に精通している。

こばやししんいち

最終更新:2022/07/14 08:00
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