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TVerドラマ人気ランキング

『石子と羽男』夏ドラ大混戦を制す! TVerドラマ人気ランキング

『石子と羽男』、夏ドラ大混戦を制す! TVerドラマ人気ランキングの画像
『石子と羽男』Paravi配信ページより

 在京民放キー局5社を中心として2015年10月に始まったTVer。参加局、取り扱う番組も増え、昨年10月には月間動画再生数が初めて2億回を超えるなど、もはや定番のサービスとなった。今や「見逃し配信」は当たり前となったが、やはりTVerではドラマが圧倒的に見られており、ドラマの見逃し配信需要がこのサービスを牽引していると言えるだろう。

 しかしTVerにおける再生回数は基本的に非公表で、期ごとの番組再生数ランキングなどで一部が明らかになるか、あるいは新記録を打ち立てた時などに番組側が発表する程度。そのため、視聴率をもって番組が語られてしまう状況が長らく続いている。

 そこで、TVerの総合ランキングを定点観測することで、視聴率とは違ったドラマ人気をある程度は可視化できるのではないか、と考えたのが本企画だ。総合ランキングでの順位に対しポイントを付け、合計した結果から日刊サイゾー独自の「TVerドラマ人気ランキング」をご用意した。今週は7月16日(土)~7月22日(金)までを観測した結果(1日2回、決まった時間に観測)をお伝えする。

『石子と羽男』が圧勝、『競争の番人』は失速気味か

 今回の結果は以下のとおり。今回もトップ10とした。

『石子と羽男』、夏ドラ大混戦を制す! TVerドラマ人気ランキングの画像2

 夏ドラマはほぼ出揃ったとはいえ、『オールドルーキー』は参院選のため7月10日の放送を休止しており、17日放送の第3話からの集計となっているのに加え、『魔法のリノベ』『初恋と悪魔』なども集計途中からスタートした作品ということで、まだ同じ条件の争いではないことは留意しておきたい。

 7日間すべて計測されるフルスコアだった作品で比較すると、15日スタートの『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』の勢いがやはり目立った。中村倫也と有村架純というタッグに、『とと姉ちゃん』などの西田征史による脚本、さらに『最愛』『MIU404』『アンナチュラル』などを生んだ新井順子プロデューサーと塚原あゆ子監督のタッグというだけでドラマファンの期待値はMAXだったが、軽妙さ、テンポのよさ、ヒューマンドラマとコメディ要素のバランス、細部にいたる演出とさすがの出来。

 前期の『インビジブル』の尻すぼみの影響もあってか、視聴率では初回6.9%という厳しい出だしだが、見逃し配信では圧倒的に支持される作品になると思われる。特に先週からは夏ドラマが出揃い始めたからか、TVerの総合ランキングの上位はかなりの混戦状態で、すぐにトップも入れ替わるが、『石子と羽男』は唯一、TVer総合ランキング首位を2日にわたってキープする強さを見せつけていた。この人気ランキングにおいては不動の1位となるかもしれない。

 『六本木クラス』『ユニコーンに乗って』も好調に推移していたが、気になるのが月9『競争の番人』(坂口健太郎&杏)の失速だ。初回は、放送後すぐにTVer総合ランキングの1位を取っていたが、第2話では一度も1位を取ることができず【*】、同日から放送がスタートした月10『魔法のリノベ』(波瑠&間宮祥太朗)に首位を奪われる格好だった。『魔法のリノベ』は集計途中から放送が始まった作品のため、今回の人気ランキングでは10位に甘んじているが、フルスコアとなる次週以降、『競争の番人』を追い越すこともあるかもしれない。

※……これは確認するタイミングによると思われるため、「総合1位を取っていない」ことを確認することは難しく、正確性を保証するものではないことをご了承いただきたい

 難しいのは、『競争の番人』も『魔法のリノベ』も次週以降、落ち込んでいくことが予想されること。『競争の番人』は原作小説の内容をおそらく25日放送の第3話で終えると思われ、以降は『元彼の遺言状』同様にオリジナル展開になると見られる。公正取引委員会という舞台を生かしたオリジナルストーリーをどこまでおもしろく描くことができるのか。『元彼の遺言状』の二の舞いにならなければいいが……。また、『魔法のリノベ』も初回ということで勢いがあったが、『探偵が早すぎる』シリーズなどの瑠東東一郎監督の演出は視聴者の間でかなり賛否が分かれていた印象だ。また、個人的な感想としては、原作からの脚色がうまくいっていない部分も目立った。第2話で今の勢いが続くかどうかはちょっと疑問が残るところだ。

 最後に触れておきたいのは深夜ドラマの『復讐の未亡人』。前回から順位は落としているが、ゴールデンプライム帯の夏ドラマもほぼ出揃い、上位争いが激化している中で、深夜ドラマにしては珍しく、TVer総合ランキングでのトップ10滞在率が長い。しかも今回の集計対象外(次回の集計対象)ではあったが、これまでTVer総合ランキングでの最高順位は4位だったものの、23日にはトップ3入りするタイミングがあり、さらに勢いが増している。

 本作は『やんごとなき一族』での「松本劇場」で注目を浴びた松本若菜が主演する復讐劇で、3月にすでにParaviで先行配信済みなのだが、地上波放送でここまで支持されるというのも興味深い。『やんごとなき一族』で松本の認知度が上昇したことも大きく影響したのだろうか。今期の深夜ドラマは最大瞬間風速的にも上位に食い込む作品が少ないのが寂しいが、『ちむどんどん』を退場した飯豊まりえ主演の『オクトー ~感情捜査官 心野朱梨~』と共に注目しておきたい。

〈前回のランキングはこちら〉

新城優征(ライター)

ドラマ・映画好きの男性ライター。俳優インタビュー、Netflix配信の海外ドラマの取材経験などもあり。

しんじょうゆうせい

最終更新:2022/07/23 11:00
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