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『全力!脱力タイムズ』ヒコロヒーゲスト回、懲りすぎたギミックで本末転倒?

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『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系)TVerより

 7月22日放送『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系)にゲスト出演したのは若村麻由美とヒコロヒーであった。

 待ちに待ったヒコロヒー回である。番組内での言動や態度に関する“問題点”を冷静に指摘する「脱力コンプライアンス委員会」として準レギュラーの彼女。今まで、数々の芸人に「もっと食ったツッコミができたのではないでしょうか」とダメ出しをしてきている。

 彼女がゲストの立ち位置になることで、これまでの「コンプラ委員会」が壮大なフリになっているのだ。彼女も、ちゃんと“食ったツッコミ”をすることができるのか? それとも、今までのダメ出しがそのままブーメランで返ってきてしまうのか? というか、今回の「コンプラ委員会」は誰が担当するのだろう。

 まずは、若村麻由美のプロフィールの紹介から。生年月日は1953年7月12日(69歳)で、ニックネームは「史上最強の1番打者」。いつもの『脱力タイムズ』の流れである。

ヒコ 「1番打者? なに、この人? ……あっ、真弓(明信)選手。元阪神の真弓選手ですよね、真弓ダンスの。真弓選手!」
有田 「こちらが間違えてるのは申し訳ないんですけど、ヒコロヒーさん、この席弱いですね。大丈夫ですか? もっとスパッと」
ヒコ 「うわ、(ゲストの芸人は)こんな感じでやってんねや……」
有田 「いつもだったらそれを人に指摘されるので、もっとパンパン行くかと思ったら、意外とこっちだと」
小澤 「食ったツッコミを」
ヒコ 「やめてください、ワシがいつも言ってるやつ。恥ずかしいのう」

 食ったツッコミを出せずじまいで、アドリブが弱めのヒコロヒー。果たして、彼女は有能風無能なのか? こんな調子で、この日の彼女は絶えずツッコミが弱かった。

調子が悪すぎるヒコロヒー

「コンプラ委員会」からやって来たヒコロヒーを意識してか、今回の『脱力タイムズ』のテーマは「現代社会で求められるコンプライアンス」であった。

 例えば、会社員は就業時間中に「職務に専念する」という義務を負うらしい。自分のスマホであっても私的に利用するとコンプラ違反になるそうだ。実際、勤務時間中に出会い系サイトを利用していた専門学校の教師が懲戒免職になった事例もある。

若村 「仕事中に出会い系サイトなんて絶対ダメだと思います。マッチングアプリとかじゃないと!」
ヒコ 「そういうアレじゃないと思います」

 上司に黙って自主的に行うサービス残業もコンプラ違反らしい。なぜなら、企業側に残業代を支払う義務が生じるからだ。

若村 「サービス残業とか小っちゃなこと言ってないで、残業を毎日毎日しまくってお金をいただけばいいんじゃないかと思います」
ヒコ 「根性の人やったんですね、意外と」

 ふわっとしたツッコミをし続けるヒコロヒー。食ったツッコミの片鱗さえ窺わせない。

 続けて、番組はテレビ業界のコンプラ違反にもメスを入れていった。つまり、罰ゲームに関してである。「痛い」「熱い」といったリアクションを見せる罰ゲームは、コンプライアンス的にもう行えない。でも、罰ゲームを食らったフリをして盛り上がればセーフなのでは? そんな趣旨で検証を行っていくようだ。

 というわけで、「ADが1週間履き続けた“激臭くつ下”を嗅ぐ」「激辛料理」といった罰ゲームに臨む若村&ヒコ。しかし、実際に用意されたくつ下は臭くないし、用意された料理は激辛じゃない。演技することで、罰ゲームを受けているフリをするのならコンプラ違反じゃないし、盛り上がれば問題はない……という検証だ。

 まずは、若村の番。さすが、無名塾出身だ。涙目になり、「スタッフが手違いで本物を用意してしまった?」と周囲に心配させるほどリアルな“臭いリアクション”、“辛いリアクション”を見せた。続いては、ヒコロヒーの番。またしても、彼女がダメだったのだ。くつ下を嗅いで「くさっ」と顔を背けるだけだったり、麻婆豆腐を食べて「ブーッ!」と飛沫を飛ばすだけだったり。下手というか、わざと下手にリアクションしているようにも見える。

「無茶振りファーストテイク」でのヒコロヒーの姿は、特に印象的だった。思い出の曲が流れ、それを歌うはずが全然違う曲が流れてくるという罰ゲームである。ヒコロヒーはDREAMS COME TRUEの「未来予想図Ⅱ」をリクエストするも、流れてきたのはT-SQUAREの「TRUTH」だった。F1グランプリの中継でおなじみのインストゥルメンタル曲だ。

「なんて歌ったらいいの? 歌詞とかあるん!?」(ヒコロヒー)

 適当な歌詞を歌うだけで笑いになるし、F1グランプリばりに実況するだけでもいい。でも、アドリブでそんなふうに乗れない彼女。腕の無さを露呈してしまったか? もしくは、ずっと“無能キャラ”を演じているようにさえ見える。それでいて、「激痛マッサージ」のリアクションでは大暴れしながら悶絶し、迫真の演技を見せたからよくわからない。

 というか、解せないのは純粋な“演技対決”になっている点だ。はじめに女優に演技をさせ、ヒコロヒーには本物の痛みやからさが生じる罰ゲームを用意すれば、流れ的に落ちるだろうに。展開として、芸人側の面白みが担保されていないのだ。

 ずっと、番組として笑いのポイントが訪れずじまいだった。延々、お預けを食らっているかのような感覚というか。

 滝沢カレンがナレーションを務める「美食遺産」のコーナーでは、カレンがいくら読み間違いをしてもヒコロヒーはツッコミすらしない。食ったツッコミどころか普通のツッコミまで放棄している。もはや、これは仕事をしていない域だ。いくらなんでも、調子が悪すぎるのでは……。

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