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【日刊サイゾー】関西バラエティ番組事件簿

永野VS.お見送り芸人しんいちにみる、バラエティ番組のドッキリのデッドライン

文=田辺ユウキ(関西在住ライター)

永野VS.お見送り芸人しんいちにみる、バラエティ番組のドッキリのデッドラインの画像1
TBS『水曜日のダウンタウン』公式サイトより

 全国で人気のタレントを多数輩出し、またローカル番組らしい味わいがクセになる、関西制作のテレビ番組に注目する連載「関西バラエティ番組事件簿」。

 今回は、7月27日放送『お笑いワイドショー マルコポロリ!』(カンテレ)で起こった因縁の対決、永野VS.お見送り芸人しんいちについて触れながら、バラエティ番組におけるドッキリのデッドラインを考えていきたい。

あらためて振り返る、永野VS.しんいち

 もはや多くを語る必要はないだろうが、永野VS.しんいちの火種となったのは、6月29日放送『水曜日のダウンタウン』のなかのドッキリ企画「陰口引き出し王決定戦」だ。飲み会の席で、仕掛け人・永野がわざと嫌味なことをばかりを言って、自分が先に退席した後、残ったしんいちらがどんな陰口を叩くかを調査するというものだった。

 永野は、しんいちがいつも『R-1グランプリ 2022』の優勝トロフィーを持って収録に臨んでいることを口撃。「あれはもうみんな飽きている」などと指摘した。先輩の陰湿な説教を堪えるように聞いていたしんいちは、永野が3000円だけ置いて帰ると、残った芸人らに「尊敬しているフリはしていました」「マジで老害」など不満爆発。

 時間が経って永野が戻ってきて、ドッキリであることもバラされたが後の祭り。修復不可能なレベルまで両者の関係は険悪なものに。そして過激な陰口を叩いたしんいちは、SNSで炎上した。

カオスな番組のなかで光った口笛なるおの「社会人としての注意」

 7月27日放送の『マルコポロリ!』では、以前からグレープカンパニー所属芸人の特集をおこなう予定だったそうで、永野としんいちについて、MCの東野幸治も「こんなことになるとは」と大笑い。永野は「老害」と呼ばれたことを相当根に持っているようで、番組中も何度もそのワードを口にした。しんいちも吹っ切れたかのように「なんなん」「ほんま無理」など悪態をついて対抗。

 番組を観ている上では、しっかりと「ケンカ芸」になっていた。永野の言い分は的を射ているものの、その言い方がいやらしいせいもあってなかなか素直に受け取りづらく、しんいちに至っては、永野だけではなく共演者・口笛なるお(わらふぢなるお)にまで悪口の対象を広げることに。

 たしかにここでの口笛の役割は絶妙だった。ほかにもランジャタイ、あぁ~しらきというクセが強いメンバーが揃っており、彼はそれらに囲まれる形でど真ん中に座席が配置された。必然的に全部を見渡すことになるが、口笛自身、他4組に対抗できるほどの大きな特徴を持っていないため、場が荒れるとひたすら「社会人として当たり前の注意」を繰り返した。ただ番組がスタートして30分近くになっても、東野が「台本がまだ0ページ」というほどのカオスのなかでは、口笛のような真っ当な存在は必要不可欠であった。

 ラストはしんいちが、永野への感謝を綴った歌をギターで弾き語り。永野は険しい表情で聴きつつ、「感動した」とこぼしたことから良いオチがついた。ただ、本当のところどうであるかは当人同士でしか分からない。

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