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『関ジャム』山下達郎は“古くならない”、ピチカートは“忘れられる”音楽を目指した

『関ジャム』山下達郎は古くならない、ピチカートは忘れられる音楽を目指したの画像1
『関ジャム』(テレビ朝日系)TVer公式サイトより

 8月14日の『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)にて、オンエアに入りきらなかった超貴重シーンをお届けする「未公開満載スペシャル」が放送された。

70歳間近でもまだシャウトできる山下達郎、ヘビースモーカーの過去

 まずは、いきなり山下達郎特集(6月12、19日放送)の振り返りから。ギャラクシー賞の6月度月間賞を獲得した、最強の神回である。

 印象的だったのは、シンガーソングライター・さかいゆうからの「ボイストレーニングはしますか?」という質問。山下からの回答は以下だ。

「全然やってません。ボイストレーニングってあんまり信用してないんで。ウォームアップはします。もうそろそろツアーなんで、ツアーのときはきちっとウォームアップしてます。若い頃は、そんな声が出ないなんて考えたこともない(笑)」(山下)

 ここまでは、6月の放送でも公開された部分。以下は、今回が初出の発言だ。

――達郎さんでも歌うのが難しい曲はございますか?

「もう来年で70歳なんですけど、歳とったらファルセットで優しく歌っていけばなんとかなると思ってたんです。シャウトの声はキツくなるだろうと思っていたんですけど、全然逆で、この歳になるとむしろファルセットのほうが難しいです。シャウトする分には『RIDE ON TIME』とかまだオリジナルで歌えますけど、MID(中音域)からHI(高音域)に行く中間のところのファルセットは、歳を追うごとにスゴく難しくなっていますね。ウォームアップをちゃんとしないと全然ダメです。若い頃はそんなこと、考えたこともないですけど。自分が予想したことと全然逆だった。歳とったら『ア~♪』って気楽にやっていけると思ったら、とんでもないです」

――達郎さんがおっしゃるように、年齢を重ねるとシャウトのほうが大変なのかなとか……。

「全然、全然逆でした。自分で言うのは変ですけど、シャウトはまだ大丈夫です。それは普通にできます。こういうやつ(ファルセット)はスタジオだったらなんとかなりますけど、ライブだと結構大変かもしれません。なんつったって、22歳の頃の声は出ませんから」

「シャウトするよりファルセットで歌うほうが難しい」という証言は、一般人が抱く歌のイメージとかなり異なる。「へぇーっ」という感じだ。

 あと、「『RIDE ON TIME』はまだオリジナルで歌える」という山下の発言である。思い返すと、彼がライブで真正面からシャウトする曲は「RIDE ON TIME」くらいじゃないだろうか? もし、60、70代以降のライブ活動を想定してシャウト曲の制作を抑えていたならば、やはり「予想と全然違った」だ。とはいえ、最新作『SOFTLY』に収録された「Shining From The Inside」で、今も絶品ファルセットを聴かせてくれているのだけど。

 声といえば、山下達郎のミュージシャン人生は90年代にある転換点を迎えた。タバコをやめたのだ。

 1日に3箱吸うほどヘビースモーカーだった山下が、禁煙を決意した理由とは? それは、当時の現場マネージャーの父親の他界だ。喘息持ちなのにタバコを我慢できなかった、件のマネージャーの父。彼も、やはりヘビースモーカーだった。最終的に、その方は呼吸不全で亡くなったらしい。この訃報にショックを受け、山下はスパッとタバコをやめた。以来、声の調子は明らかに上向きである。「ヘタすりゃ30代より声が出てるときもある」(2016年6月2日「音楽ナタリー」インタビューより)とのことで、老いてなお盛んだ。

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