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しまじろうアニメテーマ作曲家・樫原伸彦、音楽家生活40周年ライブレポ

『しまじろう』『ガンダム』に『セーラームーン』…アニソンとアイドルソング飛び交う

しまじろうアニメテーマ作曲家・樫原伸彦、音楽家生活40周年ライブの画像6
令和琴姫(PHOTO: かでぃ)

 樫原伸彦は、平成琴姫時代に楽曲をプロデュース(令和になり、名前を令和琴姫に変更) 。彼女たちは、大正琴を改良した平成琴(今は令和琴?)を弾きながら、歌謡メロも印象深い『涙の革命』。心地好く跳ねた演奏も魅力的、甘さと青春と恋心を混ぜ合わせたポップチューンの『ちょこれぃと!』の2曲を披露。メロウ/ポップという異なる二つの美味しいスイーツのような楽曲を並べ、アイドルという枠を超えた胸に響く良質な歌を、艶やか/明るく軽やかな音色と二つの装いを持って届けてくれた。

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SHiN(PHOTO: かでぃ)

 樫原伸彦が担う制作会社officeGGWに所属、作曲家のSHiNが登場。樫原伸彦が作詞をし、キセキレイが歌い、オリコンチャート入りした『君と僕のブロッサム』を、作曲を手がけたSHiNがアコギの弾き語りで歌唱。女性シンガーが歌った曲を、裸の状態に近い姿で作曲家みずから歌ったことで、楽曲の原型となる姿を味わえたのが嬉しかった。歌い手の個性という華やかさを原曲にまとわせる形で、楽曲は新たな色を魅せてゆく。その芽吹くための幹となる姿を耳にしたことで、どんな風に曲が一つの色を持った花を咲かせたのか、聴き比べたい欲求が生まれていた。

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太田彩華(PHOTO: かでぃ)

 太田家/囁揺的音楽集団AsMRのメンバーとしても活動している、声優/シンガーの太田彩華。先に、樫原伸彦が作曲をしたソロ曲『全員カンパイParty Night』を披露。弾む曲調に心をくすぐられたのか、太田彩華は軽やかにステップを踏みながら、キュンと心を刺激する愛らしい声を響かせていた。さらに彼女は、「美少女戦士セーラームーンR」のテーマ曲『愛の戦士』をカバー。甘いパフュームを振りまく大人の美少女戦士になり、少し大人びた香りも振りまきながら、ドレッシーな姿に似合うしとやかな声で歌っていた。

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山川陽彩(PHOTO: かでぃ)

 イベントの司会も、担当。最近、樫原伸彦が力を入れてプロデュースしているNEO歌謡シンガーの山川陽彩の登場だ。過去には、韓流シンガーのパク・ジョンミン(元SS501)もカバー。同楽曲を手がけた作家陣から曲を受け継ぐ使命を託された山川陽彩は、樫原伸彦が編曲を手がけ、壮大な弦楽曲として新たな命を宿した『愛をください』を、低音の効いた奥深い歌声で熱唱。曲に込めた思いと歌い手の感情の波長が重なり合った瞬間、そこには人の心を揺さぶるドラマが生まれていた。続く、樫原伸彦が曲を手がけ、ピアノ演奏で参加した『あの夏の約束』も、そう。語り部となった山川陽彩の歌声を通し、心揺さぶる思い出の風景を、記憶の中のスクリーンへ色鮮やかに映し出す。ピアノと歌というシンプルな編成であり、樫原伸彦の奏でる温かな音色が歌声へ寄り添うように音の手を差し伸べるからこそ、心揺れ動くままに歌う山川陽彩の声へじっと耳を傾けていたかった。

 最後に、山川陽彩と樫原伸彦が「機動武闘伝Gガンダム」のエンディングテーマ『君の中の永遠』をデュエット。心地好く跳ねたソウルフルな楽曲の上で、2人とも低音を生かした太い声を響かせ、男の浪漫を漂わせた奥深い燻銀なソウルミュージックを届けてくれた。

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森ふうか(PHOTO: かでぃ)

 アイドルのプロデューサーとしても活躍中、スーパーポジティブアイドルの森ふうか。彼女は、樫原伸彦が手がけた「しましまとらのしまじろう」のエンディングテーマ『ハッピー・ジャムジャム』が大好きすぎて、みずからカバーして歌い続けている。樫原伸彦との縁も、『ハッピー・ジャムジャム』が好きすぎるあまり楽曲の制作を依頼。そこで繋がった関係であることを、樫原伸彦と一緒にライブ前のトークで語っていた。

 彼女の性格をそのまま投影。森ふうかは、樫原伸彦が手がけたスーパーポジティブパワーナンバーの『ようこそ! ポジティブワールド!!!』を満面の笑みを浮かべて歌いながら、キラキラした輝きをフロア中に降り注いでいった。さらに、オリジナルアレンジを編曲家に発注して制作した大好きな『ハッピー・ジャムジャム 森ふうかver.』を歌い、会場にいる人たちを童心に変え、この空間をキラキラな笑顔に満ちたワンダーランドに染め上げていった。

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かとう唯(PHOTO: かでぃ)

 平成琴姫のメンバーだった頃から、その才能に注目。ミュージカル女優/ソロシンガーとして活動を始めて以降も、積極的に活動をバックアップし続けているかとう唯が登場。

 ライブでは、彼女が在籍していた時代に提供した平成琴姫の『乙女革命』を、樫原伸彦のエレピ+オケ演奏スタイルで歌唱。とても華のあるアーティストだ。彼女が躍動した楽曲へ身を預けるように歌いだしたとたん、この空間がパッと華やいだ。観客たちの視線や心をグイグイ引き寄せるかとう唯の力強いパフォーマンスに刺激を受け、フロアにいる人たちも身体を揺らし、手を高く掲げだす。

 続く、かとう唯の最新ナンバー『東京プリンセスストーリー』は、長大なミュージカルを数分強に濃縮した楽曲。かとう唯は、五線譜の上で華麗に舞い踊る樫原伸彦のエレピの演奏をパートナーに、ヒロインを演じるように歌い踊り、時に語りながら、何度も挫折を繰り返しながらも夢を追いかけ続け、輝き(プリンセス)を手にするまでの、心踊る物語を描きだしていった。

 MCでは、ダジャレントとして活動しているかとう唯の、駄洒落がポンポン飛び交っていたこともお伝えしておこう。

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