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『六本木クラス』韓国では酷評されていた「形式だけを模倣した“悲しい作品” 」

文=与良天悟(よら・てんご)

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テレビ朝日・木曜ドラマ『六本木クラス』公式サイトより。

 竹内涼真が主演し、新木優子、平手友梨奈ら出演した『六本木クラス』(テレビ朝日系)。放映中に香川照之の性加害スキャンダルが発覚し、放映継続に批判がわく局面もあったが、なんとか最終回まで漕ぎつけた。

 原作である『梨泰院クラス』は韓国のみならず日本でも人気が高い作品だったため、リメイク版である『六本木クラス』に対する注目は、製作過程から高かった。完成度、独自性、俳優たちの演技、作品の制作環境などについては視聴者から賛否両論があり、多くのメディアがそれぞれの視点から批評を行ってきた。

 なお、『六本木クラス』に関しては韓国メディアでも批評が多数展開されていたことを、ご存じだろうか。しかも、メディア側がタレントや芸能プロ、テレビ局に忖度する必要性がないだけに、その傾向は日本のそれよりさらにストレートかつ辛辣だ。

 例えば、芸能メディアのひとつ・ohmystarは、「原作の再解釈」がまったくなかったと批評している。言い換えれば、日本の社会背景に沿う物語を構築することができず、形式だけを模倣してしまった“悲しい作品”であるという指摘だ。原作の人物キャラクターや物語の雰囲気、発生するイベントのみならず、主人公のヘアスタイルまでコピーするあたり、「リメイクというよりはパロディに近い」という、日本国内の評価に対しても激しく同意している。

 俳優陣に対する評価も手厳しい。唯一、スキャンダルを起こした「香川照之を除外して、日本の俳優たちの演技および設定も、原作キャラクターを日本語で演じただけ」と、再解釈のなさに改めて言及。日本のドラマと韓国ドラマのテンポや呼吸の違いなども考慮すべきだったと指摘している。

「日本では『六本木クラス』と『梨泰院クラス』の製作費の違いなども強調されていますが、そもそもそういう問題ではないという気がします。もちろん製作費は重要ですし、ドラマの話数によって込められる内容も差が出てくると思います。ただ、物語の再解釈はクリエイター陣の知的産物であるし、能力や努力次第でもう少し昇華できたはず。原作に忖度せざるをえない理由があったのか。いずれにせよ、ドラマファンとしては、“自分たちの物語として魅せてやる”という気概が同作からはあまり感じられず、とても残念でした」(韓国の芸能事情に詳しい記者A氏)

 過去にもウェブトゥーンからドラマ化され、日本でリメイクされた結果、韓国では酷評されてしまった作品がある。例えば、韓国で大人気となった『未生~ミセン~』(リメイク作品名は『HOPE~期待ゼロの新入社員』)だ。舞台を日本に移しただけ、また話数が少ないためかキャラクター説明が乏しく、原作の深みがなくなっていたという評価が趨勢だ。

 反対に韓国版にリメイクされ酷評されている作品もある。

 黒木華が主演し2016年にTBS系で放送された『重版出来!』は、韓国では2022年7月末から『今日のウェブトゥーン』というリメイク作品として放映された。日本の漫画家・編集者の情熱を描いた原作の「重版出来!」(小学館)の人気は韓国でもとても高かった。そもそも韓国社会では、日本の漫画へのリスぺクトが高い。加えて黒木華らの演技力なども好感を得ている。

 しかし、韓国版は視聴率1~2%を行ったり来たりと大ゴケ。韓国メディアに答えた批評家のひとりは、「日本の漫画には伝統があるが、ウェブトゥーンはデジタル文化(中略)韓国ドラマの長所はスピード感だが、日本ドラマは教訓的な話に魅力がある(中略)製作陣がこのギャップを取り込めなかった」と“大惨事”の理由を分析している。

 日本と韓国は、社会的背景、経済状況、人の情緒や感覚がまったく異なる国同士だ。話題作だからと安易にリメイクすることは、逆に怪我をする確率を高めることが、ここ数年で実証されている。リメイク作品をどう、制作すれば互いにハマるのか。今後もさまざまな模索と試行錯誤が必要となりそうだ。

与良天悟(よら・てんご)

与良天悟(よら・てんご)

1984年、千葉県出身のウェブメディア編集者。某カルチャー系メディアで音楽や演劇を中心にインタビューなどを担当するほか、フリーで地元千葉県の企業の記事なども請け負っている。

最終更新:2022/10/05 19:00

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