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『関ジャム』オーケストラの裏話、バイオリニストはモテず、チェリストはモテモテ?

文=寺西ジャジューカ(てらにし・じゃじゅーか)

『関ジャム』オーケストラの裏話、バイオリニストはモテず、チェリストはモテモテ?の画像1
『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)TVerより

 10月23日放送『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)が行ったのは、「普段は聞けないクラシックの裏トーク」なる企画。ゲストは、指揮者の原田慶太楼、オーボエ奏者の最上峰行、バイオリニストのNAOTO、カウンターテナーの彌勒忠史の4人だ。

 原田以外の3人は『関ジャム』に何度かゲスト出演しているのだが、久々に見る最上が髪型を変えており、ほとんど葉加瀬太郎と見分けのつかないフォルムになっていて驚く。SNSを見ると、やはり見間違えている視聴者は多かったようで、「葉加瀬さん、オーボエも吹けるんだ」とガチ勘違いをしている人も数多く見受けられた。違う。最上峰行である。

 原田は、今回が『関ジャム』初登場。彼が話している場面を見ると、トークしながら手振りが大きいのだ。指揮者の職業病なのだろう。

 あと、今回の古田新太の衣装を見ると、フィンランドのメタルバンドであるストラトヴァリウスのTシャツを着ていることに気付く。クラシックの企画だけに、ストラディバリウスにかけてストラトヴァリウスを着てきたのかもしれない。

オーケストラから“共演NG”が出る指揮者もいる

 初登場の原田が興味深い事実を明かしてくれた。

「指揮者が初めてのオーケストラと共演するとき、だいたい3分ぐらいでオーケストラは『この指揮者と仕事をしたいか、したくないか』が決まるんですよ」(原田)

 この証言については、残りの3人も大いにうなずいている。

NAOTO 「指揮者って職業的に、自分からは何も音を発せられないじゃないですか? だから、僕らは車でいうタイヤにならないといけないのに、“ムチャクチャな運転をさせられる感”っていうのが元からわかる。指揮棒を“ポン!”って置いたり、譜面を“バサッ!”ってめくったりしたら、『うわ、デリカシーない』と思って」

最上 「指揮者と僕らは一緒に音楽を作るじゃないですか。ジャンケンと一緒なんですよ。ジャンケンポンのポンのときに僕らとしては音を出す。そのジャンケンの準備ができてない指揮者とかもいるんで。急に『ポン!』とかやられても出せないじゃないですか。そのくせ、『後出しだ!』とか言われるパターンとかあるんですよね」

彌勒 「指揮者は全体の音楽の方向性を決めてくださる方なんですけど、実はこちらも『その曲をどういうふうに演奏しようか』っていうアイデアはちゃんと練ってから伺うので、頭ごなしに『こっちが決めることなんだから!』と自分の考えだけ押し付けようとする、『言ってることだけやれ』みたいな方とは、あまり合わないかもしれないですね」

 3人の、指揮者に関する愚痴が止まらない。まるで、指揮者の悪口を言い合う企画のよう。要するに、それくらい指揮者は決定権を握っているということだ。しかも、クラシック愛好家には「あのオーケストラだから聴きにいこう」だけでなく「この指揮者だから聴きにいこう」と考える人も少なくない。

 つまり、指揮者と奏者は相性が重要ということ。結果、奏者から“指揮者NG”が出ることもある。

「いっぱいありますよ! やっぱり、“邪魔な指揮者”とかたくさんいるので」(原田)

「邪魔な指揮者」というのもまたパワーワードだが、自身が指揮者である原田が言ったのだから、説得力は十分。本当に存在するのだろう。

指揮者には顔芸のスキルも必要!

 指揮者と奏者の間に、トークでのコミュニケーションは発生しないらしい。

最上 「僕らとしては、棒のバトンテクニックで全部伝えてくれって思ってる」

丸山 「じゃあ、事前に飲みに行ってとか……」

最上 「ああ、もう全然必要ない。逆に、それやったほうが甘いですよ。飲みニケーションをやっちゃうと甘くなるから、いい音楽できないですよ。ある程度、お互いいい緊張感を持ってないと。距離感」

 しゃべらずに指揮棒で伝える、そんなことが本当にできるのだろうか? 原田、最上、NAOTOの3人で、それを実践してくれた。一切の打ち合わせなしで演奏するのは、「Happy Birthday to You」である。

 このときの原田の指揮を見ると、指揮棒を振るタイミングを調整しつつ、振りながら表情は怒っていたり軽やかに笑っていたり、都度でキャラを変えているのだ。その指揮を汲み取り、最上とNAOTOは音で表現する。結果、同じ曲でもスピードと雰囲気がガラッと変わったのは驚きだ。

ザキヤマ 「棒より顔が強い時期もなかったですか(笑)?」

原田 「結局、全部なんですよね。全体的なね」

古田 「表現力だから、表情も込みで」

 NAOTO曰く、「タイミングは棒、感情は表情」ということらしい。くだけた言い方をすると、指揮者は顔芸のスキルも必要だ。

 以前、『題名のない音楽会』(テレビ朝日系)を見ていたら、同じ課題曲を、オーケストラを変えず、指揮者を替えて演奏する企画が行われていた。そのときも指揮者によって曲の雰囲気はガラリと変わり、驚いた記憶がある。ロックやジャズは指揮者がいないのに、クラシックは指揮者が入ると途端にテイストが変わるのだから、興味深い現象だ。

 

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