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キンプリ平野紫耀たちはなぜ「海外進出できない」と判断したか? ジャニーズの複雑な現状

キンプリ平野紫耀たちはなぜ「海外進出できない」と判断したか? ジャニーズアイドルの複雑な現状の画像1
King & Prince。左から永瀬廉、岸優太、髙橋海人、平野紫耀、神宮寺勇太。脱退するのは岸、平野、神宮寺。永瀬と髙橋は2人でキンプリを続ける。

 ジャニーズファンだけでなく、日本のエンタメ業界に大きな衝撃を与えた、King & Prince(以下、キンプリ)の平野紫耀、岸優太、神宮寺勇太の脱退・退所発表。

 公式発表によると、3人の退所には「それぞれの人生について何度も、話し合いを重ねました。その中で、海外での活動をはじめとして、それぞれに目指す方向が異なってきている」との背景があるという。

 現状、多くのグループやタレントが日本国内での活動に留まっているジャニーズ。平野たちにも、思うところがあったのかもしれない。

「キンプリの海外進出は、亡きジャニー喜多川氏の大きな夢でもあり、多くのファンもいつかは海外デビューしてくれるのではないかと期待していました。ただ、今回の騒動で浮き彫りになったのは、“ジャニーズ事務所にいたら海外進出が厳しそうだ”と平野たちが判断したという事実。もしもジャニーさんが存命だったら、また異なる展開が待っていたとも考えられます」(音楽業界関係者)

 では、どうしてキンプリの海外進出は“難しい”とみられるのか?

「まず第一に、単純にキンプリのメンバー全員が、日本国内の仕事で忙しすぎる。ジャニーズ事務所のグループは、地上波テレビを筆頭に日本の大手メディアとのつながりを強めていくことで、人気を獲得してきたという歴史があります。

 メディアとの関係性を保つためにも、国内での仕事を優先しなければならない。事務所の人的リソースも国内仕事に割かなくてはならず、簡単に海外進出に向けて事務所をあげて動けないという事情もある。本気で海外進出をするならば、3年~5年くらいかけて、長期的に仕事を調整しなければならなず、国内メディアから蔑ろにされてしまうかもしれない。それは現実的ではない」(同)

 特に人気が高く、仕事のオファーも多いキンプリであれば、なおさら海外進出に向けて時間を作るのは難しい。

「先日世界デビューしたTravis Japan(以下、トラジャ)は、まず国内での仕事を整理した上でロサンゼルスに武者修行に行き、そのまま……という流れ。メジャーデビュー前のグループで国内の仕事が少ないからできたとも言え、人気絶頂でオファーがひっきりなしに届くキンプリに、今さら同じような形でのデビューは無理でしょう。

 それに、ジャニーズとメディアの関係性は、世代を超えて受け継がれているものであって、キンプリだけが特別扱いというわけにもいかない。人気絶頂時のキンプリが忙しい中で番組に出演すれば、それが“恩”となって、次にジャニーズが新人の売り出す際に、優先的に番組に出してもらえる。そういった形で、ジャニーズとメディアが互いに支え合っている関係がある限り、キンプリが全てを投げ売って海外に行くことは、ジャニーズ事務所の社内政治的にも難しいのだと思います」(同)

 本格的な海外進出ではないが、過去には多くのジャニーズのグループがアジア圏を中心に海外でコンサートを開催している。2015年には滝沢秀明氏主演の『滝沢歌舞伎』がシンガポール公演を実施、さらに2023年にはSnow Man主演の『滝沢歌舞伎ZERO』のアジア公演も発表されている。

「かつては、日本国内で活躍すれば、自動的にアジア圏での人気が獲得できた時代もありました。いわば、積極的に海外を狙っていかなくても、アジアであれば進出できたんです。しかし、BTSを筆頭にK-POP勢がアジアだけでなく欧米でも本格的に成功したことで、“世界進出”の意味が根本から変わってしまった。ジャニーズもアジアだけでなく、欧米でブレイクしないと“成功”とは言われなくなっているんです。

 でも、今のジャニーズには欧米で成功するためのノウハウがほとんどない状態。そもそもK-POPも、少女時代やBIGBANGといった第2世代が全米進出に挑んで下地をつくり、BTSやBLACKPINKといった第3世代で花開くことになった。それだけ時間とコストをかけた上での成功であり、韓国政府が後援したからこそ実現できた部分もある。つまり、今のキンプリが日本での活動を制限してアメリカやヨーロッパに進出したところで、BTSクラスの成功はほぼ不可能。事務所判断としては、海外進出をしたくても、リスクが大きすぎる」(同)

 とはいえ、K-POP勢の成功を見た若いジャニーズのアイドルたちが、今後も海外進出を夢見ることはあるだろう。

「だからこそ、トラジャに期待がかかっている部分はありますね。トラジャがBTSクラスに成功するというのは、なかなか難しいことではあるものの、これまでにはなかった道を切り開いていく可能性はゼロではないと思います」(同)

 海外進出を果たせないままにメンバー3人が脱退するという悲しい結果になってしまったキンプリ。この騒動によってジャニーズ事務所の海外進出は今まで以上に消極的になってしまうのか。
 それとも、キンプリの失敗を繰り返さないために、トラジャを足がかりとして積極的な海外進出を模索していくのか──。

 いずれにしろ、ジャニーズ事務所が岐路に立たされていることは間違いない。

手山足実(ジャーナリスト)

出版業界歴20年超のベテランジャーナリスト。新聞、週刊誌、カルチャー誌、ギャンブル誌、ファンクラブ会報、企業パンフレット、オウンドメディア、広告など、あらゆる媒体に執筆。趣味はペットの動画を見ること、有名人の出没スポットパトロール。

てやまあしみ

最終更新:2022/11/09 19:00
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