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今年もM-1決勝前におさらい

ツートライブがめちゃくちゃ惜しい! 元芸人が準々決勝敗退の全ネタ一言レビュー

空気作りがものすごく上手で、予測不能なボケが多い『華山』

61組目『アインシュタイン』
スタートしてすぐの掴み、各ボケの丁寧さ、そしてツッコミのワードと間の心地よさ、どれをとっても漫才技術の高さが伺える。設定が少しわかりづらく、展開も強引なので、技術で補えない部分が後半出来てきてしまい、笑いが減ったような気がした。技術面のすべてが高水準なので、もう少しベタな設定でも十分笑えたはず。

62組目『くらげ』
昨年拝見したときにネタのシステムが変わっていたので、あまり完成度が高くないように思えていたが、そのシステムが板についてきてスマートに笑えるネタになっていた。ただどうしても、くらげが注目されるきっかけとなったネタのシステムを越えておらず、その辺りの試行錯誤はまだ必要な感じがした。ただ喋り方、キャラクター、ボケの質はかなり上級である。

63組目『華山』
空気作りがものすごく上手で、ネタも予測不能なボケが多く、最後まで見入ってしまった。さらに後半になるにつれてボケの面白さもテンションも上がっていったので、理想的な漫才の形だった。強いていえば後半のボケが説明的なものが多くなってしまい、笑いが途切れてしまったのが勿体ない。

64組目『リニア』
尻上がりで面白くなっていく形は漫才としては良いのだが、ボケの加藤さんの立ち振る舞いと喋り方、ボケの種類が合っていない気がした。立ち振る舞いは少し奇抜で、喋り方は丁寧で賢そう、そしてボケの種類がバカのシステム。どこかに重点を置いたほうが見やすくなる。オチが丁寧過ぎて、笑いに直結していなかったのでオチはもう少しサラッとしていても良い。

65組目『黒帯』
好きな人は好きなのかもしれないが、僕にはあまり刺さらなかった。というのもボケに特長が無いだけに、どうしてもツッコミに注目が集まってしまいその分、粗が目立ってしまうからだ。ちなみに僕が感じたツッコミの粗は前半アドリブ感が強すぎて間が伸びしまい、後半は元々用意されていた感が強くリアクションがお芝居に見えてしまった。ツッコミに特徴をつける前に、ボケの特長を考えたほうが良いかも。

66組目『演芸おんせん』
登場してきた時と終わりの印象がまったく違う珍しいコンビ。最初は素人くさいキャラ漫才のように見えたが、漫才が進むにつれてキャラすらも計算されているとても緻密な漫才だった。全体的に芝居のような漫才なので、アドリブっぽくつっこむところが少したどたどしかったので、ネタをブラッシュアップするなら漫才としての基礎を鍛える必要あり。

67組目『入間国際宣言』
ボケの千葉さんのキャラが強いが、ツッコミの西田さんも違う意味でキャラがあり、とても良いバランスに見えた。基本的な動きのボケは面白いのだが、時折わかりやすすぎるボケが混ざっているので、そこでトーンダウンしてしまう。お客さんに伝わらなくても良いので、わかりやすすぎるボケは排除した方がいい。

68組目『トム・ブラウン』
トム・ブラウンが一躍全国区になった2018年の「M-1グランプリ」当時とほとんど変わらないネタのシステムで面白かったのだが、少し丁寧にし過ぎてスピード感が落ちてしまっていた。さらに題材も複雑になりすぎてわかりづらくなっていたので、ネタのクオリティが下がっているように感じてしまった。

69組目『蛙亭』
コンビ間の音量の差により若干、聞きづらくなってしまう。漫才コントのコントに入ってからはキャラも活きており、ボケも面白いのだが、漫才部分のセリフが芝居じみているので、漫才は漫才でもっと自然に喋れたほうが良い。さらにコント部分のイワクラさんの声量を、ネタのスタートからキープ出来たらバランスがもっと良くなって笑いやすくなるはず。

70組目『ぶるファー吉岡』
ピン芸人のルシファー吉岡さんと紺野ぶるまさんのユニット。ルシファーさんの演技がかなり芝居寄りになっているので、紺野さんの演技はもっと自然体に見えるようにしたほうが良い。さらにツッコミの仕方も引きツッコミではなく、強めのツッコミをぶつける手法にしたほうがより、漫才らしく見え面白さも増す。

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