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「いじわるばあさん」はもういらない? 日本から『ホームコメディ』消滅か

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「いじわるばあさん」株式会社エイケン 公式サイトより

 つい先日、古本屋巡りをしている際にあるマンガ本が目に入ってきた。それはサザエさんでお馴染みの長谷川町子さんが書いた四コママンガ「いじわるばあさん」だ。

 現在46歳の僕にはとても馴染み深いタイトルなのだが、今の人達はピンとくるだろうか?

 内容はそのタイトル通り、主人公の「伊知割 石」(イジワル イシ)という老婦人が、家族や知人、さらには通行人などを巻き込み見境なく意地悪をしていくというもの。その意地悪は基本的には他人を不愉快にさせたり、自己の利益を目的として行うことが多い。それだけ聞くとかなり不快な気持ちになりそうなものだが、時として窃盗や密航などの犯罪を意地悪により未然に防いだり、結果的に犯罪者を発見する為に活躍したりすることもあるので、不快になるばかりではない。

 さらにイシさん自体が意地悪されたり、仕返しされたり、意地悪しようとして逆に酷い目にあったりするので、見ている側がスッキリするパターンもあり、フジテレビ系で放送されていた『痛快TVスカッとジャパン』の“世の中のムカっとをスカっとに変える”という要素も含まれている。

「いじわるばあさん」はとても人気が高く、アニメ化はもちろんのこと何度も実写版のドラマ化もされている。一番新しい所だと2009年から2011年にかけてフジテレビ系の『金曜プレステージ』枠で3作放映された。しかもいじわるばあさん役をあの『家政婦は見た!』シリーズの主演をなさっている市原悦子さんが演じたのだ。

 実はこのいじわるばあさん役を、女性が演じたのは初めてのことだった。それまでの映像化作品ではアニメ・ドラマを問わず、男性の俳優や男性の声優が主演をしていたのだ。

 僕自身が一番馴染みのある「いじわるばあさん」は1981年から1982年にフジテレビで放送されていたバージョンで、主演は放送作家であり、「『踊る大捜査線』(フジテレビ系)の自己紹介でも使われていた、東京都知事だった青島幸男さんだ。この青島さんが主演の『意地悪ばあさん』 は当時大人から子供まで人気を博し一世を風靡した。そして国民的キャラクターとして定着し青島さん一番の当たり役とも言われている。

 さてここまで「いじわるばあさん」のことを細かく書いてきたが、ここで思うのは昨今テレビドラマ自体もかなり、様変わりしているのではないかということだ。

 バラエティ番組は「コンプライアンス」により規制が厳しくなり、形が変化してきたというのはたびたび話題にあがるが、同様にドラマも現代の風潮に合わせて形が変化してきている。

 そもそも現代のドラマにおいて「ホームコメディ」というジャンルはほぼ見かけなくなった。家族を題材にした「ホームドラマ」はあるものの、喜劇に特化した「ホームコメディ」は今の世の中に、必要ではなくなってしまったのだろうか。

 もちろん恋愛のドキドキ感や、涙が止まらなくなるほどの感動はドラマにおいて必要不可欠なものだ。しかしそれと同じくらい「笑う」のも大事なはずなのだ。

 しかし今のドラマにおいて、笑いに特化したドラマはゼロに等しい。もちろん物語の流れやフックとしての笑いが入るときがあったとしても、『意地悪ばあさん』や実写版『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ系)のように、メインは喜劇で感動や恋愛がフックとして入るというドラマは明らかに無くなってしまった。

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