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『100よか』井上真央“悠依”の記憶が鍵? 「脳が記憶を書き換える」発言は伏線か

『100よか』井上真央“悠依”の記憶が鍵? 「脳が記憶を書き換える」発言は伏線かの画像
ドラマ公式サイトより

 これまでにも『Nのために』や『最愛』など、ラブストーリーとサスペンスが入り混ざる上質なドラマを生み出してきたTBS金曜ドラマ枠。井上真央主演の『100万回 言えばよかった』もまた、目の肥えた視聴者たちの心をガッチリと掴んでいる印象だ。そんな『100よか』の第4話(2月3日放送)は、ラブストーリーとしてもサスペンスとしてもターニングポイントとなった回だった。

 主人公・相馬悠依(井上真央)が、運命の相手だと思っていた恋人・鳥野直木(佐藤健)を突然失い、そこに幽霊となった直木を見ることができるという刑事・魚住譲(松山ケンイチ)が現れ、3人で直木の失踪の理由を追っていく本作。

 直木の関与が疑われている高原涼香(近藤千尋)の殺害事件の捜査が進むなか、街中を流れる川の橋の下で、直木の携帯電話が見つかった。遺体が放置されながら携帯電話が見つからない涼香と、携帯電話は雑に捨てられながら体が見つからない直木。直木と魚住(松山ケンイチ)は、行動パターンの違いから、直木が何者かに殺されたとして、犯人はそれぞれ別である可能性を考える。

 直木は自分の体を探していた。悠依は「もしも体が見つかったら、直木は消えちゃうのかな」と不安をこぼすが、直木から相談を受けた幽霊の“先輩”樋口昌通(板倉俊之)は、自分は体を見つけたが消えていないと自身の経験を話す。おそらく事故で死んだという樋口は、自分の遺体は発見してもらえたものの、直木と同様に死んだ前後の記憶がなく、成仏できないのは「自分が死んだいきさつがわかってないから」ではとの推測を述べる。まずは体を見つけたい直木に、樋口は「なんだかんだ魂と肉体は引き合うよ」と助言する。

 悠依は、病院で世話になった医師の夏英(シム・ウンギョン)と弁当屋で偶然会う。夫を亡くした夏英と、運命の人とまで思っていた直木が突然失踪し、もう死んでいるかもしれないと覚悟している悠依は意気投合。一緒に弁当を食べながら悠依は、“直木が幽霊になり、魚住を通して話している”と打ち明ける。夏英も、亡き夫と瓜二つである魚住に警察署まで会いに行ってしまったことを明かして、「夫と声まで同じで、似てるというより本人に見えました」と話した。しかし脳神経内科の医師である夏英は、「でも、それは私が記憶を書き換えているだけなのかも。人間の脳はすっごいワガママなんです」「消えてしまうのがとてもつらいから、脳が『いる』と思いこんでる。幽霊はいません」と冷静に分析していた。

 そんな二人を見ていた直木と樋口は、幽霊の存在を否定されてしまったために、自分たちの存在をアピールしようとする。樋口がペーパータオルを吹き飛ばすという“幽霊しぐさ”を行ったのに続き、直木が懸命に吹き飛ばそうとするとフーフーしていると、かすれた口笛のような音が鳴り、なぜか悠依の耳に届く。生前の直木は口笛が苦手で、下手な直木の口笛の音に親しんでいた悠依は、直木によるものだと確信。喜んだ悠依は魚住を立ち合わせて、本当に自分の耳に聞こえているのか念入りに確認するが、確かに悠依には直木の口笛が聞こえていた。悠依は、口笛を1回鳴らすと「はい」、2回で「いいえ」というルールを決め、直木はついに自分の意思を悠依に直接伝える手段を手に入れる。

 そんなとき、直木がシェフを務めていた「洋食屋ハチドリ」のオーナーである池澤英介(荒川良々)から、直木と開いていた子ども食堂に来ていた木内兄弟の弟・海翔(三浦綺羅)の行方が分からないと連絡が入る。直木には海翔が行く可能性のある場所に心当たりがあった。その場所は里親である広田勝(春風亭昇太)の家にいたころに直木と悠依も連れていってもらったことのあるキャンプ場だった。口笛によるコミュニケーションで直木が伝えたいことを察した悠依は、英介にキャンプ場を探すよう伝える。車で駆けつけた英介は無事に海翔を見つけるが、海翔は「ここに来る途中、なんか……怖いもん見た」と英介をその場所へ連れていく。そこにあったのは、ブルーシートに覆われていた直木の遺体だった。

 遺体と対面し、直木の死という現実を目の当たりにする悠依。悲しみと暮れる彼女を励ましたのは、直木の不器用な口笛が奏でる思い出の曲だった。再び立ち上がった悠依は、事件の手がかりを求めてかつて二人が育った里親の家を訪れる。すでに亡くなっている勝の家には誰もいないはずだが、悠依は居間に敷いてあったカーペットがなくなっていることに気がつく。また、直木の遺体の左手にあった花の鉢植えもここにはあった。本棚を探ると、そこには里親にお世話になっているころに撮った写真が。尾崎莉桜(安斉星来)と写ったその写真の裏には「リオ ユイ スズカ」という3人の名前があった。スズカは殺害された高原涼香なのか?と疑問をもつ悠依のそばで、急に直木は苦しみ始め、床に倒れ込んでしまう――。

 第4話にして、直木の死は決定的なものとなってしまった。今後は事件の真相解明や、直木の魂との別れに重きを置くドラマとなることが確定したといえる。悠依の記憶にない「スズカ」は、本当に高原涼香と同一人物なのか。また視聴者の間では、「リオ ユイ スズカ」という名前の順番が話題となっている。写真に映っている順番も莉桜、悠依、「スズカ」の順であり、裏に書くのなら「リオ」と「スズカ」は逆になるのではとの指摘があるためだ。表の写真の順番どおりに書いただけの可能性が高そうだが、一方で夏英が悠依に語った“脳が記憶を書き換える”発言が伏線という可能性も少なからずある。となれば、悠依の記憶はどこかで書き換わっており、それゆえに「スズカ」と3人で写真を撮った記憶が悠依から抜け落ちているのかもしれない。

 次回予告では現在の莉桜(香里奈)が悠依の首を抑えつけながら「何も思い出さないで」と言う、気になる場面もあった。どうやら悠依の“記憶”も事件に関わりがある様子。今夜放送の第5話でははたしてどんな展開を見せるのか、注目だ。

■番組情報
金曜ドラマ『100万回 言えばよかった
TBS系毎週金曜22時~
出演:井上真央、佐藤 健、シム・ウンギョン、板倉俊之、少路勇介、穂志もえか、近藤千尋、桜 一花、平岩 紙、春風亭昇太、荒川良々、松山ケンイチ ほか
脚本:安達奈緒子
音楽:河野伸
主題歌:マカロニえんぴつ「リンジュー・ラヴ」
警察監修:志保澤利一郎
里親監修:岩朝しのぶ
医療監修:冨田泰彦、藤田浩
プロデュース:磯山晶、杉田彩佳
演出:金子文紀、山室大輔、古林淳太郎
編成:中西真央、吉藤芽衣
製作:TBSスパークル、TBS
公式サイト:tbs.co.jp/100ie_tbs

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2023/02/10 12:00
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