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『ねほりんぱほりん』「友情結婚」を必要とする社会に感じる世知辛さ

「同性婚」が許されていれば…

 最も気になるのは、「外に恋人を作ってもいい」というルールだ。

YOU 「彼氏とかいないんですか?」

ハル 「今、いないですね。ただ、気になる人はいます。職場の後輩の子です。後輩の子だったら、『時間がないな』というときも『無理して時間を作って一緒に話したいな』と思えるんですけど、奥さんにはそこまでの感情はないかな……」

 最初から、「外に恋人を作ってもいい」というルールだった。だから、家庭外に好きな人ができるのはまったく問題ない。

ハル 「奥さんもそれ自体はいいよって言ってくれてるんですけど、もし本当に恋人ができたら、『奥さんとの関係性も変わってくるかな?』と不安に思ってるところではあります。結婚という形を壊さずに両立するのは難しいのかなと思いだしてきて」

山里 「それは、なぜ?」

ハル 「結婚したあと、奥さんから『たとえ、恋人を作ったとしてもそういうのは聞きたくないから、できても内緒にしてほしい』と言われたんですね」

YOU 「ちょっとこれ……あれじゃないですか。(奥さんから)好かれちゃってるんじゃないですか、あなた?」

ハル 「僕も、もしかしたら『ちょっと、好意を持たれてるのかな』と思うところはあります。でも、僕は奥さんに恋愛感情は抱けないから、そうなってくるとちょっと困るなというか……」

 いや、それは疑問である。話を聞くと、奥さんはアセクシャルっぽいからだ。単に、性の生々しい話を聞きたくないだけなのでは?

 問題は、婚外恋愛が容認されている点。恋愛が始まると、その相手は誰より大事な存在になる。つまり、ハルさんに恋人ができると夫婦の関係性は否応なしに変わるはずだ。それぞれが外に恋人を作ったら、その夫婦は破綻する気がする。だから、友情結婚は普通の夫婦よりも続けるのが難しい。

 番組は、友情結婚のトラブルに詳しい森伸恵弁護士に話を聞きにいった。実際に、どのような相談が持ちかけられるのだろう?

「依頼者さんはゲイの男性で、レズビアンの奥様のほうが自分たちの関係性について『両親や親戚の人にウソをついていくのは耐えられない! 自分が全部ぶちまけたい』と、勝手に暴露してしまうことが心配……というようなご相談はありました」(森弁護士)

 いや、そりゃあないだろう……。身内からされるアウティングの不安。「両親を安心させたい」という目的で友情結婚をしたのに、両親に嘘をつくのが耐えきれなくなるという本末転倒。その奥さんは軽率に結婚してはいけなかった。

 こういうケースを知れば知るほど、「同性婚が許されていれば……」としか思えなくなってくる。友情結婚がいらない社会になればいいのだ。昔より選択肢は増えたのに、幸福度はまったく上がっていないという現実の悲しさ。みんなで幸せになる方法はないものだろうか。

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