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乃木坂46「人は夢を二度見る」二度目の夢を見ている真っ最中の俺にぶっ刺さる

乃木坂46「人は夢を二度見る」二度目の夢を見ている真っ最中の俺にぶっ刺さるの画像1
乃木坂46 公式サイトより

 やはりここまでのグループともなると、何かの動きが出る度に何かとやいやいとされてしまうのが宿命であろうが、とにかくおっさんが断言したいのは当曲、即ち乃木坂46の32ndシングル「人は夢を二度見る」は、そりゃあそうなのだ、という事だ。

 丁度発売日である2023年3月29日の前日である3月28日に、LINE CUBE SHIBUYAにて行われた「乃木坂46鈴木絢音 卒業セレモニー」終演をもって1期2期メンバー全員が乃木坂46から卒業した事となり(この日付の設定もまた何ともちゃんと大きなグループの歴史としての筋書きつうかバスラの記事で言及した一大叙事詩的な采配であるし、おっさんは配信で観ておりまして鈴木絢音さん、お疲れ様でした。ありがとうございました。先ずはゆっくりお休み下さいね)、本作の発売をもってして完全なる3期生最古参体制に移行し、次なる10年(結成から10年を一区切りとした場合の話である)への第1歩であり第1手となる楽曲が当曲と相成った訳であるのだ。

が、

 そんなこちらがはっきり言って近年の表題曲、いやもしかしたら結成から数える事32曲ある表題曲の中で1番即効性に欠ける楽曲であるとも言える内容であったし、MVのシュールな展開や振付も込みで、とてもわかり辛くよって伝わり辛くよって扱い辛い、非常に手強い1曲となっている。

 懐かしさは確かに感じさせつつもシティポップ的でも90年代JPOP的でもない、ある意味では原点回帰したとも取れるフレンチポップス+歌謡曲な構造であるのだが、そこに乗る歌メロ並びに綴られる歌詞の内容は昨今のトレンドをフル無視した、或いはリバイバルを逆手に取った更なる逆行を試みた様な、個人的には古めかしいフォークソングを掘り返したかの様な代物となっているのだ。

 そもそもサビ頭の”夢をもう一度見ないか?”やら”若さは熱しやすく冷めやすく”なんて言葉選びが先ずもって”新体制に移行して新たにフレッシュな私達をお届け!”なんという見せ方に全く興味がない事が伺える。何と言うか最早アイドルという概念そのものからの脱却なんて単純なお話ではなく、それらしいやり方を否定、或いは忌避しているかの様にすら思えてしまう。

 それもまた真っ向からアイドルと言う概念を否定するという分かりやすいやり方では全くないが故に、先述の通りわかり辛く伝わり辛く扱い辛く故に超手強いなんて表現を使わせて頂いたのだが。

 この感覚は何なのだろう。スルメ曲である事は確かであるのだが、でもそれはおっさんが当曲の歌詞にある「10年前の僕からは今の自分がどう見えるか?」に照らし合わせると10年前は[Alexandros]のドラマーとして生きており、局所性ジストニアの罹患を機に[Alexandros]である事とドラマーである事を辞して、それでもなお今はこうしてライターやスタイリストやブランド運営などこれまた当曲の歌詞にある”大人になってやりたかったこと”の次点、即ちロックバンドのドラマー以外(実は大学生の時はライター志望でもあったんすよね。でもこれはそもそも当時の俺が夢なんてそう叶う訳ないからバンドでメシなんて食える訳ないなんて思っていた事が理由。夢に生きる事にビビってたんすよね)を回収する人生を歩むっつう、言わばマジで二度目の夢を見ている真っ最中である事から俺にぶっ刺さるのは然もありなんであって、よってスルメ曲なのは確かだと評するのもそれはそんな俺が聴いとるからなのではないかとも思う。

 しかしより確かに言える事は、この1手は恐らく今後の乃木坂46に於ける大きな筋書き即ち大いなる一大叙事詩第二章の中の導入部にしか過ぎないと言う事であって、グループとしての二度目の夢の全貌が明かされるのはまだ随分先の事であろうという事。

 要するにこの即効性に欠ける曲をこのタイミングで持ってきた事、そしてアイドル的なやり方を忌避したかの様な手法は恐らく、わざとだ。

 そう考えると一聴して地味な作りもたまらなく刺激的に聴こえてくるってもんでして、でも先述の通りおっさんの人生には刺さる部分が多かったからその地味さもたまらんつうか実は、この曲が刺さったのにはもう一個別の理由があって、何かトラックだけ聴くと90年代中盤のプレステとかサターンのゲーム音楽っぽいんすよね。

 特に思い出したのはセガの「ナイツ」ってゲームで、そのサントラと曲調に何かやたらと近しい物を感じてしまうんですよどっかで聴けるから聴いてみて欲しいすってのも飽く迄個人の感想ですしそもそもこの曲が昔のゲーム音楽っぼいから刺さりましたなんて言ってるヤツなんて世界中で俺だけだと思うし無視して下さいだけどだから個人的には刺さったんすよね。

 話題と文体の揺れはご容赦頂くとして、よってこの1手は上述の理由でたまらなくおっさんにとっては刺激的であったのだ。いよいよますます今後の展開が楽しみでならない1手であるしもう本当にこれからもこんな風にあっと言わせる楽曲でめちゃくちゃに翻弄して欲しい。そして数年後、そう言う事だったのかたまらんなオイと思わせて欲しいのだ。そのカタルシスが欲しいから、おっさんはこれからも乃木坂46を推すのだ。

 因みにMV冒頭で山下美月が佇む街は新宿のゴールデン街の五番街と言われる通りであり、おっさんがゴールデン街内で1番お世話になっている通りである。もし会えたら一杯やろう。音楽を掛けてくれる店もあるから、そこでこの曲とナイツのサントラを交互に聴きつつ、二度目の夢についての話をしようじゃないか。

 ちちななみみにに山下美月と賀喜遥香がすれ違うシーンは、一本隣の三番街でここにもまた世話になっとる店があってもし会えたら(ry

 

 

庄村聡泰(コラムニスト・スタイリスト)

ロックバンド[Alexandros]のドラマーとして2010〜21年に活動。バンド時代の収入ほぼ全てを注ぎ込むほど傾倒した音楽や洋服を中心に、映画やマンガ、アニメやグルメ、世界各地の珍スポットなどのさまざまなカルチャーに精通し、これらの知識と経験を生かしてライフスタイル提案型ファッションブランド「スナック NGL」を始動。また、歌劇な過激団 @furaku_taru の制作総指揮を務めるなどプロデュース活動や、#サトヤスタイリングとしてファッションスタイリングや、#ショウムライターとして音楽や映画をはじめさまざまなメディアでインタビューやコラムを執筆。自ら映画にも出演するなど精力的な活動を広げている。 #サトヤスタイリング #ショウムライター インタビュー

Twitter:@shomurasatoyasu

Instagram:@shomurasatoyasu

庄村聡泰のホームページ

しょうむらさとやす

最終更新:2023/06/19 19:48
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