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『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』阪元裕吾監督インタビュー

『ベイビーわるきゅーれ2』“目の前の貴様を葬る”って気持ちだけで戦わせたかった

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阪元裕吾監督(左)と庄村聡泰氏(右)(写真/宇佐美 亮 以下、同)

 阪元裕吾監督が日本映画批評家大賞・新人監督賞を受賞した『ベイビーわるきゅーれ』の続編『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』が、3月24日から全国順次公開される。

 20歳で発表した『ベー。』で「残酷学生映画祭2016」グランプリを受賞した阪元監督は、2022年に発表した『グリーンバレット』はコミカライズもされるなど、映画ファンがいまもっとも注目する監督の一人だ。

“ベビわる”シリーズはバディもののアクション映画にして、ピカイチの腕前を誇る女性殺し屋コンビ「杉本ちさと」(髙石あかり)と「深川まひろ」(伊澤彩織)の冴えない日常生活などを描く。

 個性的な登場人物が奏でるオフビートな笑い、本格アクションなどを持ち味とする阪元監督の作品づくりに、本サイトで映画レビューを手掛けるショウムライターこと庄村聡泰さんが迫った。

 “ファンが安心して観られる映画”という贅沢

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庄村聡泰(以下、庄村):人気作の続編って難しいと思いますが、本作は不満が一切思い浮かばないぐらい良かったです。映画のパラメーターを五角形のグラフとかで表すとしたら、本当に全方位でパワーアップした印象でした。

阪元裕吾(以下、阪元):試写会でもちゃんとウケていてよかったです。「1」を観たお客さんが観たいものをちゃんと観せて、好きになってもらえる続編を目指したので。

――「2」の構想はいつ頃から考えていたんですか?

阪元:もともとマンガ連載みたいなイメージで、「1」を撮っている頃から「2」のことは頭の中にありました。撮影期間も1週間で終わってまだまだ撮り足りなかったし、もっといろんな2人の姿を見たいなと。僕が好きな『クレヨンしんちゃん』もそうですけど、良いキャラ映画って、ジャングル、戦国時代、宇宙……とシチュエーションを変えるだけでも全然観たくなるじゃないですか?

庄村:このコンビなら、異世界転生して斧や剣で戦っても僕はおもしろがれると思います。

阪元:『プレデター』も原始時代とか行っていましたからね。今回に関しては3つあった続編案のうちのひとつを撮っていて。もっとシリアスでダークな「ソナチネ編」みたいなプロットもあったんですが、「1」と同じ気持ちで安心して観られる映画が僕自身も観たいなと。「1」は脚本段階だと“ちさまひ”の日常シーンをもっと撮る予定だったんですが、アクションを優先した結果、そういう小さなシーンが予算の関係でけっこう削られてしまったこともあったので。

庄村:続編って、得てしてファンが観たいものからズレが生じるものだとも思うんですけど。そのズレが今作ほぼなかった気がします。

阪元:それで言うと、前作のほうが意外と脳みそ使ってというか、理屈っぽく撮っているんですよね。まひろは、コロナ禍で家から出られずに自堕落な生活に堕していた自分を反映したキャラですし、メイド喫茶のシーンなど「これはツイッターでバズりそうだな」という感じで考えていて。話自体も前作のほうが喧嘩や仲直りがあって、わりと殺し屋でなくても成立する映画になりました。それをふまえて、例えば社会不適合者のまひろが、同じような失敗や挫折みたいなものを経験するというのを、続編でも繰り返すパターンはありがちやな、と。

庄村:サム・ライミ版『スパイダーマン』シリーズを思い出しちゃいます。「言いたいことはわかるけど、そこに時間を使い過ぎ!」みたいな続編ってよくありますよね。

阪元:シリーズものって回を重ねるほど登場人物の内面を描きがちなんですが、「ベビわる」シリーズに関してはむしろ逆で。どちらかというと「1」で内面を描いたので、「2」は純粋に「こいつとこいつの戦いが見たいやろ?」という気持ちで撮れたんですよね。

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