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『THE SECOND』流れ星☆たきうえの「客批判」ツイートが示した“大会の可能性”

『THE SECOND』流れ星☆たきうえの「客批判」ツイートが示した大会の可能性の画像1
流れ星☆の(左)ちゅうえい、(右)たきうえ。(浅井企画公式サイトより)

 結成16年以上の漫才師による賞レース『THE SECOND ~漫才トーナメント~』のノックアウトステージ16→8が4月29・30日に開催され、グランプリファイナル(5月20日19時からフジテレビ系で生放送)に進出する8組が決定した。

 1対1のタイマン方式で争うノックアウトステージ16→8では、一般審査員100名が1人1~3点の合計300点満点でネタを評価。ネタ時間は6分で、6分30秒を超えると10点減点、それ以降は15秒を超えるごとに10点減点され、最終的な合計点が高かったほうが勝ち残るルールだ。

 勝ち残ったスピードワゴン、三四郎、超新塾、ギャロップ、テンダラー、マシンガンズ、囲碁将棋、金属バットの8組は、5月9日に行われるトーナメント組み合わせ抽選会を経て、グランプリファイナルで再びタイマン方式の勝ち残りバトルを繰り広げる。

「M-1グランプリの場合、準決勝レベルでもネタのウケに多少の差があり、結果がある程度予想できることも多いのですが、THE SECONDでは基本的に全組がしっかりとウケており、誰が勝ち残ってもおかしくないような戦いでした」(お笑い事務所関係者)

 そんななか、一般審査員による採点に納得がいかないとツイッターで愚痴をこぼしたのが、三四郎に敗れた流れ星☆のツッコミ担当・たきうえだ。

 たきうえは激戦の翌日の朝に、

 と投稿。さらに、

 と、コアなお笑いファン向けのネタが有利になっている現状のルールについて持論を展開したのだ。

 そんなたきうえに対し、ネット上ではさまざまな意見が寄せられている。

「敗退した芸人による“客批判”というやつは、お笑い賞レースではめずらしくもないことですが、SNSでしっかり意見を表明する芸人はあまりいない。たきうえさんの意見自体は、賞レースの“予選”における大きな問題として、常に指摘されていることではあります。一般審査員を採用するなら、どういった“層”の一般人であるかによって結果が変わってくるのは当然であり、THE SECONDの運営サイドもそのあたりをどう考えているのかは、気になるところです」(同)

 物議を醸しているたきうえの愚痴ツイートだが、一方で今後の大会を占う意味でも、重要だったという声も出てきている。ある構成作家はこう話す。

「THE SECONDの面白いところは、とにかく目の前の敵に勝つことが重要だという点。M-1であれば、将来性やオリジナリティーが審査基準に入っていますが、客審査で決まるTHE SECONDであれば、とにかくウケまくることが基本です。

 だから、客イジリも、ほかの出演者イジリも、時事ネタも有効打になる。そういう意味では、客層をしっかり把握して、コアなお笑いファンがウケるネタをチョイスした三四郎は、流れ星☆よりも一枚上手だったと言えるでしょう。奇しくもたきうえさんのツイートが、客層に合わせてネタを変えるという、THE SECONDにおける有効な戦術を浮き彫りにしたわけです」

 さらに、たきうえがツイートしたことで“サイドストーリー”が出来上がったという要素もある。

「トーナメントで戦っていくTHE SECONDは、格闘技大会に近い雰囲気があります。かつてのK-1やプライド、そして今のRIZINなどでもそうですが、格闘技大会では選手同士が相手を煽ることもめずらしくないし、リベンジマッチが組まれることもある。そういった形で、サイドストーリーを見せながら試合を盛り上げていくという側面が強いわけです。

 たきうえさんが、THE SECONDの運営に対する不満を漏らしたことは、そのまま流れ星☆のサイドストーリーになっていくだろうし、三四郎とのリベンジマッチが組まれたらかなり盛り上がるでしょう。敗退してもなお、今後につながる“遺恨”を残すあたりは、さすが試合巧者の流れ星☆という感じもしますし、大会運営の方向性を見せてくれていますね」(同)

 格闘技の世界では、トーナメントだけではなく、なんらかの遺恨がある選手同士がノンタイトルで戦うことも少なくない。

「THE SECONDはフジテレビのバラエティー番組の流れを汲んでいるので、いろいろな盛り上げ方も可能だと思うんです。それこそ、トーナメントとは関係ないところで、三四郎と流れ星☆のリベンジマッチを行うこともできる。“勝ったらレギュラー獲得、冠番組獲得”みたいなご褒美があってもいいでしょう。そういった可能性も含めて、たきうえさんの愚痴ツイートから得られるヒントはとんでもなく多いと思います」(同)

 トーナメントでどの漫才師が優勝するかだけでなく、それぞれのサイドストーリーにスポットを当てる余地があるそうなTHE SECOND。ネタはもちろん、繰り広げられるドラマにも注目だ。

浜松貴憲(ライター)

1980年生まれ、東京都出身。大学卒業後、出版社に入社。その後、いくつかの出版社を渡り歩いた末に、現在はフリーライターとして、テレビ番組、お笑い、YouTubeなど、エンターテインメント全般について執筆している。

はままつたかのり

最終更新:2023/05/05 08:00
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