市川猿之助、しれっと復帰した市川團十郎や香川照之との相違点

市川猿之助、しれっと復帰した市川團十郎や香川照之との相違点の画像1
市川猿之助 公式サイトより

 ベテラン芸能リポーターの城下尊之氏が、とかくあおり・あおられがちな芸能ニュースをフラットな目線で、おちついて解説!

――5月18日、歌舞伎俳優の市川猿之助の自宅で、父・段四郎さんと母が死亡、猿之助本人も意識がもうろうとした状態で倒れて救急搬送されるという事件が起きました。

城下 驚きましたね。詳しい状況はまだわかっていませんが、この日発売された「女性セブン」(小学館)で猿之助さんのパワハラ・セクハラが報じられたことと関係していると見られています。弟子や共演者へのセクハラは、本人としては知られたくなかったのでしょうね。

――事実であれば大変な問題ですよね。でも歌舞伎界には過去にもいろいろと問題を起こした人がいますし、謝罪後、復帰もできていますよね。セクハラでテレビからは姿を消した香川照之も歌舞伎には復帰、市川團十郎も海老蔵時代に元暴走族の男とトラブルを起こしましたが、何事もなかったように團十郎を襲名しましたし。

城下 かつては「歌舞伎役者は治外法権」と言われ、羽目を外して遊ぶことは「仕方がない」と目をつぶってもらえていたんです。不倫にしたって「女遊びは芸の肥やし」と言われていたくらいで、あちこちに隠し子がいっぱいいました。それは、歌舞伎界がご贔屓筋、太いスポンサーに支えられていたからなんです。

――ご贔屓筋とはどんな人ですか。

城下 毎回のように、歌舞伎を観劇してくれる、歌舞伎ファンの人たちで、特に決まった歌舞伎役者の舞台は欠かさないような人たち、今もそういった、たくさんのファンがいますが、その中でも、主にワンマン中小企業社長のような特別に“太いご贔屓筋”が、昔はいたものでした。チケットの売り上げがよくなければ、ご贔屓筋が買い占めて、関係者にばら撒いて接待するような、そういったことができる人たち。

 そういう人たちに囲まれていた時代は、スキャンダルが表沙汰になることはありませんでした。しかし、今はサラリーマン社長が増えて、そういう太いお客さんがどんどん減ってしまいました。

――コンプライアンス遵守の流れも強くなりましたし、不祥事があればネットで告発、情報拡散も早い。昔とは違うということですね。

城下 特に猿之助さんは、歌舞伎のファン層を広げてきた人。2014年に三代目市川猿之助さんが始めたスーパー歌舞伎を引き継いで、「スーパー歌舞伎II(セカンド)」の上演を始めました。古典歌舞伎にも出演しながら、マンガを題材にした『ワンピース』や、2024年には『鬼滅の刃』の上演を予定するなど現代風の歌舞伎上演に取り組んできました。ファンの裾野を広げることに成功したからこそ、一般的なイメージや好感度が大事なんです。

――ドラマにも多数出てますし、好感度は大事。それが弟子にセクハラなんてねえ。

城下 猿之助さんや両親にとって、今回のスキャンダルはショックが強く、絶望を感じてしまったのかもしれません。

――謝罪すべきところは謝罪し、反省して、またやり直してほしいですね。

城下 非常に難しいですね。まず、仕事に復帰できるところまでに、今回の件の状況を説明できなければなりませんし、多くの人たちに一応の納得をしてもらえるくらいの努力とたいへんな時間がかかるでしょう。そうなったとしても将来的にも、猿之助の名前を継いでくれる人が出てくるのかといった問題にまで発展しそうです。時間が長く経過して、人々が忘れた頃に、なんとなく復帰していたではすまされない、大問題を起こしてしまいました。復帰には、時間と努力が必要ですが、それを乗り越え、やり直しでもらいたいです。

 

 

「こころのオンライン避難所」https://jscp.or.jp/lp/selfcare/

電話やSNSによる相談窓口
・#いのちSOS(電話相談)https://www.lifelink.or.jp/inochisos/
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・10代20代女性のLINE相談(SNS相談)https://page.line.me/ahl0608p?openQrModal=true

相談窓口
・厚生労働省 まもろうよこころ https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/
・いのち支える相談窓口一覧(都道府県・政令指定都市別の相談窓口一覧)https://jscp.or.jp/soudan/

孤独・孤立対策の支援制度や相談窓口
・あなたはひとりじゃない 内閣官房 相談窓口等の案内 https://notalone-cas.go.jp/
・支援制度・相談窓口の検索 https://notalone-cas.go.jp/search/
・18歳以下の方向けの検索ページ https://notalone-cas.go.jp/under18_ch

城下尊之(芸能リポーター)

立教大学在学時から、サンケイ新聞でアルバイトを行っていた経緯から、卒業後、サンケイスポーツへ入社。スポーツ紙文化部記者となった初日で見習い経験もないうちに、他に大きな事件があったため、「(故)林家三平さん、大病から復帰!」という大事な現場を任された。退社後は、TBS『奥様8時半です』のデスク担当として勤務し、その後、芸能リポーターに転身し、現在に至る。独自に身につけてきた取材能力、ブレーンの作り方等から、芸能界の裏話を交えた、楽しい味付けで話す。

【プロフィールページ】

しろしたたかゆき

最終更新:2023/05/26 20:00
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