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TVerお気に入り登録者数ランキング

『教場0』がついに3位転落! 2位の座を奪ったのは…TVerお気に入り登録者数ランキング

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『風間公親-教場0-』FOD配信ページより

 「テレビ番組の無料見逃し配信」としてすっかり定番化したTVer。今年3月には月間動画再生数が初めて3億回を突破し、TVer単体の月間アクティブユーザー数(MAU)も最高記録を達成(2739万)した。TVerの月間動画再生数は2020年10月の時点では1億回、2021年10月時点では2億回であり、順調にサービスが浸透・成長していっていることがわかる。特にTVerではドラマが圧倒的に再生されており、ドラマ視聴においてTVerは間違いなく無視できない存在だ。

 しかしTVerは、かつては番組再生数の実数をクール毎にランキング形式で発表していたものの、2022年1-3月期を最後に発表がなくなった。TVerでの累計再生数が7300万回を超えた『silent』(フジテレビ系)など、新記録を打ち立てた際などに発表される程度にとどまっており、具体的な数字が公開される例は少ない。

 この視聴率だけでは見えにくいドラマの人気度合いを、日刊サイゾーではTVerが公開している再生数ランキングの総合部門を定点観測することで独自に「TVerドラマ人気ランキング」として毎週お届けしているが、今回はTVerの「お気に入り登録者数」から春ドラマの人気度合いを見比べてみよう。

『王様に捧ぐ薬指』が伸び率ナンバーワンで登録者数2位に

 6月5日0時時点でのお気に入り登録者数トップ15は以下のとおり。「前回順位」と「増減数」は、5月14日に公開したお気に入り登録者ランキング記事との比較によるもの。

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 「TVerドラマ人気ランキング」でも7週連続の1位を記録するなど今期圧倒的な強さを見せているのが、奈緒主演のフジテレビ木曜劇場『あなたがしてくれなくても』。セックスレスと不倫という問題を扱った同作は、初回放送の見逃し配信が、放送後1週間で346万再生を記録(フジドラマの初回の再生数としては歴代4位)。さらに第2話は359万再生で、第3話以降はずっと400万再生を超えており(第3話430万、第4話426万、第5話414万、第6話412万、第7話416万)、すでに累計2800万再生を突破。お気に入り登録者数の伸びはさすがに落ち着いてきたが、それでもまだ毎週+4万ほど増えており、“TVer覇権ドラマ”の地位は揺るぎそうにない。

 そして番狂わせとなったのが、橋本環奈×山田涼介(Hey! Say! JUMP)のTBS火曜ドラマ『王様に捧ぐ薬指』。お気に入り登録者数では長らく3位の座に位置していたが、順調にファンを増やしていき、木村拓哉のフジテレビ月9ドラマ『風間公親-教場0-』から2位の座を奪った。両番組はちょうど先週デッドヒートを繰り広げ、6月3日0時時点では『王ささ』が127.4万、『教場0』が127.5万だったのが、4日0時には『王ささ』が127.9万、『教場0』が127.8万と逆転。そして5日0時には上記のとおり『王ささ』が128.3万、『教場0』が127.9万と差を広げ始めている。

 『教場0』は春ドラマ開始時からしばらくの間、お気に入り登録者数ではトップを走っていた。というのも、TVerの仕様上、シリーズものは同一番組で括られるため、過去に放送されたスペシャルドラマ『教場』『教場II』で登録されていた数字がそのまま積み重なっており、放送開始前の4月9日の時点で43.2万人もの登録者数を抱えていた。このことを頭に入れておくと、『教場0』はお気に入り登録者数の伸びが鈍いことがわかる。

 前回(5月14日)と比較しても、『教場0』は+9万だが、『あなして』は+15.1万、『王ささ』は+19.6万と伸び率が大きく違う。特に『王ささ』の+19.6万は『あなして』をも大きく上回っており、伸び率ナンバーワンと勢いがある。さすがにドラマも終盤に入り、増加ペースは現象しているため、『王ささ』が『あなして』のお気に入り登録者数を上回るのは難しいだろうが、『王ささ』はTVer再生数ランキングでも勢いを増しており、「TVerドラマ人気ランキング」でも『あなして』に続く2位常連となっている。原作から大きく設定・ストーリーを変えたことで賛否を呼んでいるが、それがかえって先の読めないおもしろさにつながっているようで、オリコンによる「ドラマ満足度ランキング」でも回を追うごとに満足度が上がっているのも注目だ。

 伸び率でいえば、坂口健太郎×白山乃愛の日本テレビ系土曜ドラマ『Dr.チョコレート』が+10.2万で『王ささ』『あなして』に次ぐ3位となり、福山雅治×大泉洋のTBS日曜劇場『ラストマンー全盲の捜査官ー』を上回っているのも興味深い。『Dr.チョコレート』はコア視聴率が高く、前期の『大病院占拠』同様、大人が観るにはツッコミどころの多い荒唐無稽な作風だが、若年層から支持を集めやすい傾向にあり、TVerなど配信との相性もいいのだろう。

 『ラストマン』は世帯視聴率では今期民放ドラマで唯一2ケタ推移と圧倒的トップで、“キムフク戦争”の勝敗でいえば、視聴率では『ラストマン』の圧勝だが、TVerでは『教場0』のほうが強い。とはいえ『ラストマン』はTVerでもまずまずの強さを見せており、伸び率では『教場0』超え、純粋な登録者数でも波瑠×高杉真宙のフジテレビ系水10ドラマ『わたしのお嫁くん』を上回って登録者数4位に。オリコンによる「ドラマ満足度ランキング」でも『ラストマン』は『教場0』に大差をつけているが、両作とも“本題”の謎がどう解決されるかに左右されるところも大きく、最終回まで目が離せないところだ。

 なお、ランク外となった民放ゴールデン・プライム帯の連ドラについて言及すると、『それってパクリじゃないですか?』は17位(47.3万)、『日曜の夜ぐらいは…』は19位(43万)、『ケイジとケンジ、ときどきハンジ。』は20位(42.9万)、『弁護士ソドム』は22位(34万)、『特捜9 season6』は23位(32.8万)だった。

 5月31日にひと足早く最終回を迎えた『特捜9』は、33万強をピークに現在は減少傾向にあるが、いずれにせよテレビ朝日は『日曜の夜ぐらいは…』『ケイジとケンジ、ときどきハンジ。』『特捜9』と、『unknown』以外は配信ではまったく振るわない状況が改めて浮き彫りになった。

新城優征(ライター)

ドラマ・映画好きの男性ライター。俳優インタビュー、Netflix配信の海外ドラマの取材経験などもあり。

しんじょうゆうせい

最終更新:2023/06/10 01:27
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