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箱根駅伝に噛みついた青山学院大学原晋監督の“真意”

箱根駅伝に噛み付いた青山学院大学原晋監督の真意の画像1
箱根駅伝(Getty Images)

 夏に箱根駅伝の話題が出るのはめずらしいが、青山学院大学の原晋監督の発言が、駅伝ファンの議論を呼んでいる。

 来年で100回大会を迎える箱根駅伝は、特例で全国の大学が参加可能となるが、27日に「全国化は1回限り」という報道が登場。すると原監督がTwitterで、

「ご存じの方も多いでしょうが、箱根駅伝は関東学生陸上競技連盟が主催する大会で、出場権があるのは関東の大学のみ。ただ、記念大会では出場枠を増やすのが恒例で、100回大会は全国の大学に門戸が開かれることとなりました。地元の大学が箱根路を走る姿を見たいという声は多く、原監督も“全国化派”でしたが、どうやら1回だけになりそうだということで『茶番だ』とツイートしたのです」(週刊誌運動担当記者)

 関東の大学だけでもこれだけ盛り上がるなら、全国化すれば大会はもっと盛り上がりそう。同時に競技レベルも上がりそうだが、ことはそう簡単ではない。

「箱根駅伝は関東学連が努力に努力を重ね、ここまで大きく育てた大会。視聴率は毎年30%前後に達し、広告効果は絶大で、学校のイメージアップや受験者獲得のツールとして最強です。実際、新興大学が駅伝に力を入れて、校名をアピールする例も少なくない。関東学連がその“既得権”を簡単に手放すはずはありません。

 100回大会に関して言えば、関東以外の大学が予選を突破する可能性は限りなく低い。箱根駅伝に出るには、箱根に特化した練習が必要で、すでにノウハウがある関東の大学に立ち向かうのは難しいですし、そもそも箱根駅伝に出たい選手は関東に集まっているので、レベルがまるで違います。関東以外の大学が予選会を突破する見込みはほとんどないのでは」(スポーツライター)

 そんなことは原監督が一番よく理解しているはず。それでも全国化を訴える理由は何なのか?

「ひとつは、関東学連における原監督の立ち位置です。彼が指揮を取る青山学院大学は現在、駅伝界最強の大学ですが、箱根駅伝の長い歴史から見れば傍流。青学は長距離以外は力を入れておらず、大学陸上界で大きな勢力ではありません。原監督自身、愛知県の中京大学出身で、箱根駅伝を走ったことはなく、出身校コネクションもない。だからこそ全国化の議論をリードして、イニシアティブを握りたいのでしょう。

 もうひとつは出馬の噂です。メディアに積極的に出演し、人気も知名度もある原監督は政界進出の噂が絶えず、都知事選や参院選の候補者として取り沙汰されたこともある。全国化を訴えれば全国の駅伝ファンは喜ぶでしょうし、議論が盛り上がれば顔も名前も売れる。関係者の間では、“政界進出への地ならしだ”と揶揄する声さえあります」(同上)

 原監督は「皆さんはどう感じられますか?」と意見を募っているが、賛否は見事に分かれており、議論は平行線。往復200km超の箱根駅伝よりも、長い議論になりそうだ。

石井洋男(スポーツライター)

1974年生まれ、東京都出身。10年近いサラリーマン生活を経て、ライターに転身。野球、サッカー、ラグビー、相撲、陸上、水泳、ボクシング、自転車ロードレース、競馬・競輪・ボートレースなど、幅広くスポーツを愛する。趣味は登山、将棋、麻雀。

いしいひろお

最終更新:2023/07/02 08:00
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