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市川猿之助、逮捕からの長すぎる2週間

市川猿之助、逮捕からの長すぎる2週間の画像1
市川猿之助 公式サイトより

 ベテラン芸能リポーターの城下尊之氏が、とかくあおり・あおられがちな芸能ニュースをフラットな目線で、おちついて解説!

――市川猿之助容疑者が母親に対する自殺ほう助の疑いで逮捕され、6月29日に送検されてから2週間以上経ちました。父親の死にどのように関与していたのか、まだ捜査中ということですかね。ずいぶん時間がかかっていますね。

城下 そうですね。猿之助容疑者の父親・段四郎さんはがんを患い要介護の状態だったとされています。そうしたなかで本当に「家族会議」ができ、その結論に同意したのかどうか。猿之助容疑者にじっくりと聞き出しているのでしょう。

――ということは、母親と同じ自殺ほう助の疑いではないということですか。

城下 別の容疑で再逮捕される可能性もありますね。そうなると歌舞伎界はかつてない衝撃を受けます。発端となったセクハラ・パワハラ報道が出た際に、すぐに謝罪すべきところがあればきちんと謝罪して、釈明すべきところがあれば釈明すべきでした。座長として弟子を指導したり、誰を起用するか厳しい判断を下したりすることは当然のことですから、誤解があったのかもしれない。

 セクハラに関しても行き過ぎた行動があったかもしれないが、男性に対して好意があっての上でやってしまったことなのであれば、それはそれで明らかにしてもよかったのではないでしょうか。もう少し時代に合った広い視野で考えてほしかった。

――歌舞伎を運営する松竹は、猿之助容疑者は「10月まで休演する」と発表していましたが、これは10月どころか相当時間がかかりそうですね。

城下 かかりますね。以前、僕は「猿之助という名跡を一刻も早く返上させるべき」と書きましたが、このままだと名跡に大きな傷がついてしまいます。

 歌舞伎界には「團十郎」と「菊五郎」というビッグネームがあり、もともと「猿之助」はそれほど大きな名跡ではありませんでした。それを先代の猿之助で現・市川猿翁さんがスーパー歌舞伎の人気によってビッグネームに仕立て、さらに今の猿之助容疑者が歌舞伎界のドル箱となるまで育てたのです。努力によって築き上げたこの大きな名跡を今後も受け継ぎ、歌舞伎界に残していくためにも、すぐに手を打たなければ。

――そうですね。このままだと猿之助を継ぐ人が誰もいなくなってしまう。

城下 名跡をいったん返上したとしても、父親に対しても母親と同じ「自殺ほう助」の罪であれば、執行猶予や起訴猶予となることも考えられます。それなら、世間の様子をうかがいながら折を見て名前を戻すこともできるでしょう。

 仮に執行猶予5年だったとして、歌舞伎における5年はそれほど長くない。みんな高齢でも歌舞伎役者を続けているのですから。無理ではない話です。

――そうですね。捜査がこれからどうなるのか、松竹はどう対処するのか気になります。

城下尊之(芸能リポーター)

立教大学在学時から、サンケイ新聞でアルバイトを行っていた経緯から、卒業後、サンケイスポーツへ入社。スポーツ紙文化部記者となった初日で見習い経験もないうちに、他に大きな事件があったため、「(故)林家三平さん、大病から復帰!」という大事な現場を任された。退社後は、TBS『奥様8時半です』のデスク担当として勤務し、その後、芸能リポーターに転身し、現在に至る。独自に身につけてきた取材能力、ブレーンの作り方等から、芸能界の裏話を交えた、楽しい味付けで話す。

【プロフィールページ】

しろしたたかゆき

最終更新:2023/07/18 08:00
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