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秋本真利議員、逮捕のXデーはお盆明け?強制捜査の本当の目的は「大物議員」か

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国会議事堂(「Wikipedia」より)

 国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

 毎日暑いし、沖縄や九州を中心に大雨も心配ですが、みなさまはいかがお過ごしですか? 永田町の住人たちは、国会閉会後も自然災害やマイナ保険証、さらには今井絵理子参議院議員らの「パリ豪遊」問題などの対応に追われており、神澤も議員会館の事務所でデスクワークの日々です。

 そんな中、8月4日には衆議院第一議員会館で大規模な家宅捜索があったので、国会女子たちもざわつきました。前夜に自民党の秋本真利衆院議員が洋上風力発電事業を手がける日本風力開発側から数千万円の不透明な資金を受け取っていた疑惑が報じられていたのは、ご存じの方も多いのではないでしょうか。朝から秋本事務所のある第一議員会館のすべての出入口に記者さんたちが集まり、異様な雰囲気でした。

 秋本議員の取材が目的なのはすぐにわかりましたが、それより国会はもう閉会しているのに大勢の記者さんたちがズカズカと立ち入ってくることに、神澤たちは正直とても迷惑しています。第一議員会館だけでなく、周辺にもれなく記者さんがカメラを持って待ち構えていて、駐車場や議員会館、衆議院本館などへちょっと移動するだけで一斉にカメラを向けられます。何も悪いことをしていなくても、とても緊張するんです。これは何回経験しても慣れないですね。

 「記者さんたち、いつまでいるんだろうねえ」と神澤が憮然としてると、秘書仲間の一人が「私の時も迷惑かけたよね」とぽつりと言いました。「そんなの、マスコミと検察のせいなんだから、気にしないで」と慌てて言いましたが、やっぱり捜査はトラウマになるんですね。

 彼女のボスはいわゆる「国策捜査」で議員会館を含めて強制捜査を受けていました。一貫して無実を主張していましたが、有罪判決を受けて議員辞職を余儀なくされています。もちろん彼女も長時間の取り調べを受けて、心身ともボロボロになっていました。いやほんと他人事じゃないですよ。

捜索前に書類廃棄、当日に「事務所スタッフ不在」の謎

 秋本議員の捜査は、4日に議員会館の事務所や地元の事務所、自宅が捜索を受け、風力発電の会社は5日に東京地検特捜部が家宅捜索に入っていますね。報道の翌日に捜査が入るとは限らないというか、あんまりないと思います。予測できないんですよ。

 もちろん検察が捜索の日にちを教えてくれるはずもないのですが、記者さんたちは検察から情報をもらって朝から押し寄せてきます。普通はそこで初めて「ああ今日は強制捜査だな」と観念(?)するものなんですが、今回は少し様子が違いました。国会女子たちは、先週末に秋本事務所のスタッフが議員会館の事務所が大掃除をしていて、たくさんのファイルや書類を捨てているのを見ていたのです。強制捜査の前日である3日にも、秋本事務所のフロアのゴミ捨て場にたくさんのファイルが捨てられていました。強制捜査を予測して、事前に書類を整理していたのでしょうね。

 つまり、秋本議員は強制捜査や逮捕を予測して備えていたようなのです。なぜ事前に予測して対策を取れたのでしょうか。与党議員ですから、普段からマスコミと親しくして情報をリークしてもらっていたのかもしれませんね。

 なお秋本議員は外務政務官で、4期目でしたが、世間的には知名度は今ひとつですよね。同じ「あきもと」でもIR汚職で逮捕された秋元司元衆議院議員の方が知られているようで、「また秋元先生が?」と思った人もいたようです。

 神澤もすぐには思い出せませんでしたが、秘書給与の問題で文春砲を浴び、今年の予算委員会で野党からの追及を受けていましたね。でも、旧統一教会との関係が問題になっている自民党議員が多かったので、あまり印象に残っていなかったのでしょうね。

 一説には、検察はその予算委員会の時から洋上風力発電の賄賂について捜査を始めていたそうで、相当自信を持って強制捜査に踏み切ったのでしょう。しかも、強制捜査が入った4日は秋本事務所には誰もいませんでした。これはとても異例のことです。なので、検察官は事務所を衆議院の職員に解錠させたうえで一度引き上げ、改めて「立会人不在」で入室可能か確認していました。強制捜査時に事務所に誰もいないなんて、おそらく初めてのことではないでしょうか。

 ちなみに国会の関係者以外が議員会館に入館する際は、金属探知機で所持品の検査を受け、訪問先の事務所の承認がないと入れません。しかし、検察官にはそのような手続きはなく、衆議院の職員が「手引き」するのです。「手引き」って、なんだか言葉が悪いのですが、国会で働いている神澤たちからすると、そんな感じです。昨年12月に薗浦健太郎衆議院議員(当時)の事務所が政治資金収支報告書の過少記載問題で強制捜査を受けた時も同じ印象でしたね。

 話はそれましたが、秋本議員の捜査は今後どのように進展していくのでしょうか。議員は疑惑が報じられてから、一切説明をしないまま離党届を提出して受理されていますが、逮捕は避けられず、「Xデー」はお盆明け頃との情報も流れています。

 実は、収賄側は秋本議員だけではないという説もあります。他にも賄賂とまではいかなくともパーティ券を大量に購入してもらったり、過剰な接待を受けていたりしている議員もいるようで、どこまで名前が出てくるのか、注目しています。

 また、日本風力開発の塚脇正幸社長には自民党以外にも親しくしている議員がいるようで、強制捜査の本当の目的は「大物議員」への資金提供の流れをつかむためではないかと予測する先輩もいます。今後の捜査の行方が気になりますが、この事件で再生可能エネルギー政策の推進に影響が出てしまうことはないように心から祈っています。

経験20年以上の現役国会議員秘書

かみざわしま

最終更新:2023/08/07 13:00
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