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TPの芸人礼賛

素人女子高生パーソナリティのラジオが伝説回に…ひと夏の青春に悶える

 るかさんはこの回のフリートークにて「ラジオの感想を言ってきたり、パンをくれたり、一緒にお笑いライブを観に行ったりする同級生男子(A君とする)がいて、少し気になっている」ということを明かす。この気持ちが恋なのかなんなのか、るかさん自身もよくわかってないし、A君の気持ちもわからないので、確かめるために「ラジオの力」を使って電話をつなぐことになる。

るか「もしもし、今何してるの?」
A君「塾から抜け出してきた」
るか「そうなんだ、セミの音がするわ」

 ラジオでリスナーなどと電話をつなぐのは定番だが、素人高校生男女がラジオ上で電話するのはもしかしたら史上初かもしれない。そしてとんでもなくセミの音がする場所での電話も初だったと思う。自然のBGMがこれでもかと夏を演出してくる。

るか「私にさ、話しかけてくれたりとかもするじゃない? 一緒にライブ行ったり。そういうのはどう思ってる?」
A君「楽しいなって思ってる」
るか「だよね、同じ同じ」
A君「え?」
るか「同じ同じ、同じ気持ち」

 少しずつ本題に切り込むるかさん。素人高校生男女の電話を盗み聞きしているような背徳感に襲われる。

るか「今友達なわけじゃん? なんか、友達の、その上の存在になる、みたいな、のはあったりするの?」
A君「俺が?」
るか「そう」
A君「あのですね…」

 この続きはぜひラジオを聴いてもらいたい。文章じゃ伝わりきらない純度100%の青春がそこにある。聴いてもらえばわかるが、こんなことをされたらどんな企画も演出も敵わない。セミの音をBGMに繰り広げられる素人の高校生男女の会話は、どんな映画や恋愛リアリティショーよりもエモかった。安易にエモいという言葉を使いたくないけど、そうとしか形容できないほどに胸が焦がれてしまったのである。

 僕は勝手に脳内で「secret base~君がくれたもの」を再生していた。多分このBGMは世代によって「夏祭り」の人もいれば「若者のすべて」な人もいるだろう。

 最終回の衝撃的な展開で少し薄まってしまったが、素人の女子高生が冠ラジオを4回もやりきることだけでだいぶすごい。

 最終回の感想トークで「自分がラジオをやってみてわかったのは、感想をいただけるのがめちゃくちゃ嬉しいということ。自分もこれからはコンテンツを観るときに、感想をたくさん言おうと思った」という素晴らしい話をしていて、こちらもハッとした。さすが女子高生、ものすごい成長速度だ。

 るかさんは高校3年生でこの先受験を控えているとのことなので、もし推薦入試の面接で自己PRを求められたら「GERA NEXTで冠ラジオをやったことがあります」というのを伝えたら間違いなく合格だと思う。いや、面接官にこのすごさは伝わらないか、悔しい。

 実はこの最終回の収録の後、同級生男子A君とはさらなる展開があったとのことなので、るかさんには大学受験が落ち着いたタイミングでぜひまたラジオをしてもらいたい。『るかのGERA NEXT』は、音声配信アプリ「GERA」で全4回を聴くことができる。できれば夏のうちにチェックしてほしい。

https://stand.fm/channels/62f5f82b73ef6bc249368dfc

高橋雄作(TP、プロデューサー・作家・社長)

プロデューサー、作家、社長。2022年夏、テレビ朝日を退職し独立。音声配信アプリ「stand.fm」コンテンツアドバイザー、お笑いラジオアプリ「GERA」チーフプロデューサー。YouTubeチャンネル「金属バット無問題」などを手掛ける。

Twitter:@takahashigohan

たかはしゆうさく

最終更新:2023/08/15 13:00
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