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『イコライザー』『ジョン・ウィック』…今年の映画は秋がアツい!

『イコライザー』『ジョン・ウィック』…今年の映画は9月がアツい!の画像1
『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』公式サイトより

 エンタメ系ライター、メディア編集者、配給会社PRスタッフーー。それぞれの立場で映画業界を憂えたり嘆いたりしつつも、映画が大好きないい歳の男たちが集まって、キャッキャッと盛り上がりまくる映画座談会を今年6月に開催した。

 高尚な映画論はゼロ! 匿名なので責任もゼロ! ビール片手にスマホをスクロールして目に留まったところだけ飛ばし読みしてくれれば全然OK!! 最新の注目映画の情報と合わせて、業界の生々しいだべりを堪能あれ……。

今年は9月がアツい!『イコライザー』最新作

A氏:デヴィッド・クローネンバーグの新作『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』も8月18日公開か。カンヌで途中退場した人が続出したって話もありますけど観ました?

B氏:とんでもない映画です。宣伝の人も何回観てもわけがわからないと言っていました。

A氏:クローネンバーグは年を取ってから一時期、わかりやすい作品つくるようになったと思ったら。

B氏:原点回帰した。6月に『ヴィデオドローム』、7月に『裸のランチ』もリバイバル上映してましたね。あと、アクション映画で言えば、『イコライザー THE FINAL』も楽しみだな。

C氏:ファン待望の『ジョン・ウィック:コンセクエンス』は9月22日ですね。今回、2時間50分くらいあるみたいですけど。

A氏:試写で観ましたけど、ドニー・イェンが最高of最高でした。申し訳ないけどキアヌを食ってた。ドニーのおかげで2時間50分が長くない。

B氏:『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』は7月21日に公開されて、3日間で興収10億円突破を記録しましたね。僕シリーズずっと追っかけているんですけど、今回アツいなと思ったのが、第1作を想起させる列車の上でのアクションがあるんですよね。

A氏:個人的に『3』以降はトム・クルーズの持ち芸みたいな感じで、どうもトムがイーサン・ハントのコスプレみたいに見えちゃうんですよね。意外と脇キャラとか引っ張っているから一気見するとおもしろそうですけど。

C氏:アクション映画が典型ですけど、絵的なおもしろさとか劇場で観る価値をいかに訴求するかが映画宣伝の最大のポイントになりますよね。

A氏:もともとタランティーノとかがやっていたことですけど、プレイリスト全開の作品も増えましたよね。劇場音響で音楽を楽しむみたいな感覚で。

B氏:あと『クリード 過去の逆襲』のように「IMAXじゃないと本当に観たことにはなりません」とか。

A氏:そういう意味では映画ファン好みの、中規模の人間ドラマを作家性全開で撮るような監督の作品が、PR的にも評論的にも一番立つ瀬がないですね。待てばすぐ配信に落ちてくる状況だし。そういう監督は作品発表の場を配信に移したほうがいいし、デヴィッド・フィンチャーなんかはそうなりかけてる気がします。2時間の映画より1クールのドラマほうが、文芸的には深掘りできるだろうし。ますます劇場へ行く玄人映画ファン層が薄くなってしまいますが。

伝説のうまい棒「ニコラス・ケイジ」

A氏:人気原作モノとかは、入場特典を毎週変えてリピーターを掘り起こしたりもしていますね。

C氏:あれはPR・宣伝というより、動員施策のひとつですね。配信コンテンツの場合、普通の映画みたいに事前の告知はあまりしないで、配信開始後のプロモーションがむしろ勝負になるんですけど。

A氏:いわゆる“追いパブ”ですね。

B氏:劇場公開の映画だと、絶対そういう考え方しないですよね。

C氏:我々は公開直後の金~日で全てが決まっちゃうので、1週間後に記事を出されても命が尽きている可能性があるんですよ(笑)。「TOHOシネマズでもう、2回になっている!」みたいな。悪夢ですね。

A氏:初週末の結果で何週間上映できるかは8割がた決まってしまうし、宣伝の評価も8割以上決まるのが興行というものの伝統。でも、実態とのズレは感じます。自分自身、映画のレビューや詳細な紹介記事は観る前に読みません。観た後に確認のために読む。だから突っ込んだレビュー記事をWebに出す場合は、公開後に配信するほうが絶対に読まれやすいと思うんですけどね。知り合いのカルチャー系サイト編集者も同じことを言ってました。

C氏:公開作品数が膨大で劇場の取り合いですから、初速の興行収入ランキングで見られる習慣はずっと変わらないです。劇場さんもキャパを埋めないと経営が厳しいし、「1週目ちょっと厳しいけどもう少し様子見るか」なんて余裕はないという。

A氏:だから、映画って初週末の数字から着地の興収をだいたい当てられますよね。

C氏:昔は初週の5~6倍みたいな感じでしたけど、最近は3~3.5倍からそれ以下という感じでどんどん伸びが縮小されています。

B氏:この間、90年代にバリバリ映画宣伝やっていた人と話したら、本国への初週の報告とか当時かなりテキトーだったみたいですけどね。今はSNSとかあるから本国からもすぐバレるだろうけど、日本版のポスターを勝手につくったりして後から本国の人に怒られた話とかしていておもしろかったです。

C氏:マイナー作品だとけっこう、今もやっちゃっていますよね。

B氏:そういえばニコラス・ケイジでも数年前にそんな話があったな(笑)。

C氏:うまい棒のパッケージにニコラス・ケイジの顔貼って、前売特典にしようとしたら、実は許可をとっていなくて配布予定の前日に中止になったという(笑)。かなり話題になっていました。

共同制作なんで、いろんな現場があります

A氏:キャストのメディア露出に関しては、やっぱり今も取材NGメディアのリストとかあるんですよね?

C氏:ちゃんとメディアリストを提出して事務所にチェックしてもらいますね。

B氏:そこはお互い様で、二度と取材したくないこっち側のNGリストもありますから。カメラマンが撮影した写真が1枚もOKが出なくて、理由を聞いたら「この衣装はウエストが太く見えるから」と言われたことが1回ありましたね。「そっちが用意したスタイリストの問題でしょ」って。

C氏: 宣伝でプロモーションしてもらうにしてもタレントに付き添う際の苦労も結構あるんですよね。

A氏:まあ、いろいろありますよね。想像していた以上に塩対応で、インタビュアーとして自信失った経験とか僕も普通にありますよ。100球投げても全然バット振らない人とか。

B氏:多忙な時期で、体調でも悪かったんでしょうかね。

A氏:あとは取材現場で随分待たされるから「いまこれ何待ち?」と聞いたら、「彼女の気持ち」みたいなこととか……って黒い噂話が無限に出てきちゃう。この座談会、2時間もやるもんじゃないですね(笑)。

黒崎さとし(編集者・ライター)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。普段は某エンタメ企業に勤務してます。

Twitter:@kurosakisatoshi

くろさきさとし

最終更新:2023/09/02 19:00
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