ジャニーズ性加害問題で“Hey! Say! JUMP”がピンチに

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Hey! Say! JUMP

 創業者である故ジャニー喜多川氏の性加害問題をうけて、東山紀之新社長のもとで再出発するジャニーズ事務所。被害者救済に向けての賠償や再発防止に取り組み、問題発生の背景にあった同族経営からの脱却を図こととなるが、すでに“スポンサー離れ”が加速。ジャニーズ事務所のタレントとのCM契約を更新しないと宣言する企業が続出している。

「ジャニー氏の性加害問題は国際的にも知れ渡っており、ジャニーズ事務所のタレントを広告に起用すると、“人権意識が低い企業である”と思われかねない。

また、ジャニー氏の名前が入った“ジャニーズ事務所”という名前が変わらないということもまた対外的な印象を悪くしており、スポンサーが離れていく大きな要因になっているでしょう」(芸能記者)

 9月7日行われた記者会見では、序盤にひとまず“ジャニーズ事務所”という名前は変えないと明言した東山社長だが、会見終盤には“変更の余地はある”とも話しており、社名については流動的な姿勢であるようだ。

「会見後の世間の声に耳を傾けると、社名は変えたほうがいいという意見が多い。そのうえスポンサー離れが深刻化している状況もあり、おそらく社名変更の方向に進んでいくのではないかと見られています」(同)

“ジャニーズ”という名前を抹消するというのであれば、社名だけでなくグループ名にも影響が及ぶ。まさに“ジャニーズ”という言葉を冠している「ジャニーズWEST」のグループ名変更は必至だろう。

 9月9日放送の朝日放送『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』に出演したジャニーズWESTの中間淳太は、“ジャニーズ”という名前を続けることへの批判について〈僕も変えるべきだと思っていますし、ジャニーズWESTの名前がなくなる覚悟もできています〉とコメントしている。

「もし“ジャニーズWEST”は改名することになったら、“関ジャニ∞”も改名せざるを得なくなる。さらに言えば、ジャニー氏が名付け親であるグループについても改名する可能性があるでしょう」(同)

 これまでたくさんのグループがジャニーズ事務所からデビューしているが、その多くのグループ名がジャニー氏によって名付けられている。

「現役のグループであれば“TOKIO”も“嵐”もジャニー氏が名付け親。“Kis-My-Ft2”、“Sexy Zone”、“SixTONES”、“なにわ男子”なども同様です。

 また“Hey! Say! JUMP”であれば、“JUMP”の部分が『Johnny’s Ultra Music Power』の頭文字をとったものであり、こちらは“ジャニーズ”という言葉が入っている。ほぼすべてのグループ名が、ジャニー氏が名付け親であり、完全なる“脱ジャニー喜多川”を世間に見せていくなら、グループ名の変更という選択肢を検討する必要がある」(音楽業界関係者)

 現在、ジャニーズ事務所内での人気No.1である“Snow Man”については、かろうじてジャニー氏の命名ではない。

「元々“Mis Snow Man”というジャニー氏が付けたグループ名で活動していたんですが、後に滝沢秀明氏によって“Snow Man”に改名して今に至ります。一応、滝沢氏が名付け親となっているので、Snow Manはセーフでしょう」(同)

 メジャーデビュー目前と言われる、ジャニーズJr.の“Aぇ!group”、“美 少年”、“HiHi Jets”や“7 MEN 侍”もまた、ジャニー氏が名付け親だ。

「Jr.のグループについてもいくつかは改名が必要かもしれません。ただ、ジャニーズアイランドの井ノ原快彦社長が名付け親の“SpeciaL”や、関ジャニ∞の大倉忠義が名付け親の“Boys be”、“AmBtious”についてはセーフとなる可能性が高いでしょう」
(同)

 しかし、多くのグループが改名するというのは、並大抵のことではない。果たして実行できるのか。

「グループ名を変えたとしても、過去のリリース作品はそのままだとは思いますが、今後リリースされる作品やグッズ、コンサートのロゴなど、あらゆるもののデザインなどを変更しなくてはならず、相当なコストになるし、時間もかかる。そういった事情もあり、ひとまずジャニーズ事務所という名前を残すと判断したのかもしれません」(同)

 仮にグループ名を変えずに活動を継続するとしても、ジャニー氏との決別をしっかりと示す必要があるだろう。

「ジャニー氏の影を消すためには、たとえば所属タレントのマネジメントをジャニーズ事務所から切り離すなどのもうちょっと踏み込んだ変革が必要。マネジメントのための新会社を作るとか、外部の芸能事務所などにマネジメントの一部を委託するとか、そういった方法も視野に入れていかなければ、現在いるジャニーズタレントが総崩れになってしまうかもしれません」(同)

 東山が新社長となり、同族経営から脱却するだけでは、根本的な解決には至らないジャニーズ事務所の問題。ジャニー氏が遺した負の遺産はあまりにも大きい。

手山足実(ジャーナリスト)

出版業界歴20年超のベテランジャーナリスト。新聞、週刊誌、カルチャー誌、ギャンブル誌、ファンクラブ会報、企業パンフレット、オウンドメディア、広告など、あらゆる媒体に執筆。趣味はペットの動画を見ること、有名人の出没スポットパトロール。

てやまあしみ

最終更新:2023/09/19 11:00
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