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『R-1グランプリ』芸歴制限撤廃 「10年やらないとモノにならない」ピン芸の世界

R-1グランプリ2023 公式サイト

 来年3月に決勝が行われる『R-1グランプリ』(フジテレビ系)が、2021年大会より導入されている「芸歴10年以下」の制限を撤廃すると報じられている。

 この報を受けて、各方面は一様に歓迎ムードだ。昨年、ラストイヤーで本大会を迎え、会見で制限撤廃を声高に叫んでいたサツマカワRPGは、X(旧Twitter)で「クク」とひとこと。本戦5回出場のヒューマン中村も、かまいたち・山内健司の「R-1の亡霊のあの人が復活するんじゃ」という問いかけに応じる形で「もはや亡霊通り越して悪霊でした」と、独特の表現で挑戦の意思を示している。

 いまだ『R-1グランプリ』運営側からの正式発表はないが、複数のメディアで報じられている芸歴制限の撤廃については、芸人たちの間ではひそかにささやかれていたようだ。

 先月18日に配信されたTBSポッドキャスト『深夜徒歩』に、ピン芸人・ヒコロヒーとオズワルド・伊藤俊介が出演。ちなみにヒコロヒーは2022年までで、芸歴制限にひっかかり『R-1』への出場権を失っていた。

「R-1、まだ出れるってなったら、出る、ヒコさん?」(伊藤)

「絶対出る」(ヒコロヒー)

「R-1の芸歴制限がなくなる」もしくは「芸歴10年以上のピン芸人の大会が始まる」といったウワサが定期的に回ってくると語るヒコロヒー。「あったら出たいなーと思うけど」と賞レースへの冷めやらぬ情熱を口にした。

「私の持論やねんけど、ピン芸人なんて、10年やらないとモノになんないのよ、芸が。絶対」(ヒコロヒー)

「そうだね、だって(いろいろ)経ての人が多いからね」(伊藤)

 実際、芸歴制限がかかる前の第1回(02年)から第18回(20年)までの優勝者を眺めてみると、10年以下なのはだいたひかる(4年)、濱田祐太郎(同)、中山功太(6年)、浅越ゴエ(7年)、霜降り明星・粗品(7年)、三浦マイルド(10年)の6人。11年以上が、07・08連覇のなだぎ武を含めて延べ12人となる。粗品は高校時代から『R-1』に出場しており、出場11年目での優勝だった。

『R-1』の芸歴制限には、従来、賛否があった。ルシファー吉岡、おいでやす小田らの実力の飛び抜けた数人が毎年出場することによるマンネリ感を打破したことは確かだが、一方で出場者の知名度が格段に低くなり、視聴率の低下を招いている。

 だが、出場者のモチベーションは決して低くない。『R-1』とはいえ優勝すればそれなりに仕事が増えることは間違いないし、ハリウッドザコシショウ、バカリズム、小籔千豊、マヂカルラブリー・野田クリスタル、陣内智則という現在の審査員の座組も、若手からのリスペクトを集めるには充分といえるだろう。

 昨年の『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)で、王者・ウエストランドの井口浩之に「夢がない」と断じられた『R-1』だが、その『R-1』に夢を見ている芸人は決して少なくない。

 だからこそ、運営側に求めたいことがある。

 こんな重要なこと、スポーツ新聞にリークされるんじゃなくて、ちゃんと先に正式発表する段取りができないもんですかね!

(文=新越谷ノリヲ)

新越谷ノリヲ(ライター)

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。

n.shinkoshigaya@gmail.com

最終更新:2023/10/16 16:00
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