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『翔んで埼玉』続編、W主演の2人の判断が“賢明”だったかもしれない理由

『翔んで埼玉』続編、W主演の2人の判断が賢明だったかもしれない理由の画像1
GACKT(写真/Getty Imagesより)

 12月8日から10日の『国内映画ランキング』(興行通信社調べ)が発表され、公開3週目を迎えたGACKTと二階堂ふみがW主演を務めた大ヒット映画の続編『翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~』が、週末3日間で動員13万3100人、興収1億8900万円をあげ、累計成績は動員107万人、興収14億7700万円を突破した。

 前作で、東京都民からひどい迫害を受けていた埼玉県人だが、麗(GACKT)と百美(二階堂)をはじめとする埼玉解放戦線の活躍により通行手形制度撤廃を勝ち取り、平穏な日常を手に入れた。続編では、埼玉解放戦線の「埼玉に海を作る」という野望が関西に飛び火し、東西対決へと発展する。

「今作で関西圏において、前作の埼玉県人と同じような扱いを受けているのが滋賀県人で同県出身の堀田真由、野性爆弾・くっきー!、高橋メアリージュンらが出演している。そのため、滋賀県内の映画館の1日の公開回数マックスは23回。それに対し、前作の興行収入37.6億円のうち10億円を稼ぎ出した埼玉県内の劇場の1日の公開館数マックスは20回。関西地方の公開劇場が増えたことから、公開初日の時点の公開館数は前作の318館から373館に増えた」(映画業界関係者)

 当然、前作以上のヒットが期待されたものの、公開3週目の時点での興収は前作が15億3444万4100円だったのに対して、興収14億7700万円。前作にやや及ばない数字なのだが……。

「そろそろ勢いが落ちてしまっているので、前作超えは難しいという見方もあったが、前作超えは確実視されている。ただ前作を見た人は、だいたいパターンがわかってしまっており、最大の見どころは、前作は埼玉vs千葉のバトル。今作は滋賀連合vs関西連合のバトルで、両軍が出身の有名人の横断幕やバルーンなどを掲げ、敵軍を威圧する。前作は埼玉がTHE ALFEEの高見沢俊彦、反町隆史、竹野内豊、千葉がX JAPANのYOSHIKI、桐谷美玲、真木よう子、市原悦子ら豪華な面々。それに対して、今作は両軍が人数を増すに連れて微妙な面々。さらに、埼玉パートが少ないので、埼玉県内の動員は前作ほど伸びないかもしれない」(映画担当記者)

 GACKTと二階堂は、「埼玉県民の日」である11月14日、前作の動員者数が全国1位に輝いた“聖地”MOVIXさいたまで同作の舞台あいさつに出席。二階堂は続編のオファーがあった時を振り返り、「GACKTさんも私も正直、続編のお話をいただいたときは全力で止めました」と打ち明けた。そしてGACKTは、「止めるというよりは断ったんです、普通に」と暴露。しかし、「ほかのキャストを全員固めた状態で、『もう逃げられませんよ』と言われて、最終的には、ふみちゃんも僕も踏み絵を踏む気持ちで挑ませていただきました」と、渋々オファーを受けたことを明かしていたのだ。

「リップサービスもあるだろうが、GACKTも二階堂も、パターンが同じになるので続編をやるべきではない、という考えで一致していたとも思われる。しかし、製作側のフジテレビは映画事業が収益の大きな柱。なので、なんとか続編にこぎ着けたが、この先、ほかの地域で続編をやってもどんどんパターン化が進むかもしれない」(同)

 製作サイドにとっては厳しい現実が突き付けられてしまったようだ。

大山ユースケ(ライター)

1990年、千葉県生まれ。某大手メディアに勤務中の複業ライター。得意ジャンルはお笑いと酒。

おおやまゆーすけ

最終更新:2023/12/17 13:00
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