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ラランド・サーヤ、アルピー・酒井……『M-1』王者のコンビ結成申し出をフッていた過去

《ラランド》大活躍の秘密に迫る!サーヤだけじゃなくニシダにも注目SP!! | TVer

 さまざまな芸人をサンドウィッチマン、アンタッチャブルという2組の『M-1』王者が深堀りしていく番組『証言者バラエティ アンタウォッチマン!』(テレビ朝日系)に9日、若手お笑いコンビのラランドが出演、さまざまな証言が寄せられた。

 コンビとしての漫才、コントやYouTubeのほか、サーヤはバンド「礼賛」での音楽活動、ニシダは昨年、短編小説集『不器用で』(KADOKAWA)を上梓したほか、俳優としてドラマに出演するなどマルチな才能で知られる2人。

 礼賛でギターを担当している川谷絵音はラランドのライブに足を運ぶほどのファンだといい、「演技力が本当にすごい」と芸人としてのサーヤを絶賛。また、礼賛のライブには「武道館を埋めるほど」の応募があることも明かし、サーヤの集客力にも舌を巻いていた。ちなみに礼賛では絵音ではなく、サーヤ自身が作詞作曲も担当している。

 また、ニシダに対しては自らのYouTubeチャンネルに頻繁に出演させているテレビプロデューサーの佐久間宣行氏が「人格が最悪」「悪口が尽きることがない」「無限のクズ」など、そのキャラクターを評価。何をやってもクレームが来ず、サーヤの能力も引き出しているとして「得難い人材」「最高の宝物」と表現した。

 また、番組終盤にはデビュー前にはサーヤが現・令和ロマンの高比良くるまから「コンビを組んでプロになろう」と誘われていたエピソードも紹介された。

 サーヤは上智大学、くるまは慶応義塾大学だが、学生お笑いとしては同期という間柄。サーヤはお笑いを続けながらも就職する必要があったために断ったというが、ラランドは2019年の『M-1』でアマチュアのまま準決勝に進出し、敗者復活戦で注目を集めたことを足掛かりにブレーク。令和ロマンは言わずもがな、昨年の『M-1』王者である。

 コンビ結成を持ち掛けられ、フッたほうが先に売れて、フラれたほうが『M-1』王者になる。このパターンは、実はもう1組存在している。

 2000年代中盤、東京の地下ライブシーンで一部から熱狂的な支持を得ていた「ホトトギス」というトリオが解散した。トリオでネタを書いていた酒井健太は界隈から「天才」と評され、野田クリスタルというピン芸人からコンビ結成を持ちかけられる。

 だが、酒井は「なんか怖い」という理由でその誘いを拒否。当時の野田はガリガリの上半身にタンクトップという奇矯な姿でスベり芸を続けており、酒井の「なんか怖い」という気持ちは察するに余りあるところだ。

 酒井はその後、セクシーチョコレートを解散したばかりのセクシー平子と「アルコ&ピース」を結成。12年の『THE MANZAI』(フジテレビ系)で爪痕を残すと、翌年には『笑っていいとも!』(同)の準レギュラーに抜擢され、ラジオ『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)でも1部昇格を果たすなど、活躍の場を広げている。

 一方、野田クリスタルは大学お笑い出身の村上に誘われる形で「マヂカルラブリー」を結成、2年目に『M-1』準決勝に進出するなど好スタートを切ったものの、その名を全国に知られるには20年の『M-1』優勝を待たなければならなかった。

 最近では、マヂカルラブリーとアルコ&ピースが共演する機会も増え、そのたびに野田が「酒井は天才だった」と熱っぽく語っては失笑されるというくだりも定番になっている。

 キラキラな大学お笑いのサーヤとくるま、ドロドロの地下の底で出会った酒井と野田クリ、“失恋”の舞台は違えど、極めて似た形の曲線を描いて表舞台にたどり着いてる4人。そのそれぞれの顔を思い浮かべて「天才」というレッテルを貼ってみると、やはりちょっと酒井だけ笑ってしまうのは筆者だけではないはずだが。

(文=新越谷ノリヲ)

新越谷ノリヲ(ライター)

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。

n.shinkoshigaya@gmail.com

最終更新:2024/01/10 23:00
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