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まったく浸透しない旧ジャニーズの「STARTO」呼び…タレントも「慣れない」と本音

※イメージ画像:GettyImagesより

 旧ジャニーズ事務所が崩壊し、その受け皿となった新会社「STARTO ENTERTAINMENT」が4月10日より本格始動してから1カ月以上が経過した。一部テレビ局で「旧ジャニーズという呼称を禁止し、STARTO呼びを徹底するようお達しがあった」などと報じられているが、いまだにメディアやネット上では「旧ジャニーズ」といった呼び方が根強く残っており、新会社の名称はほとんど定着していない。

 ジャニーズ事務所をめぐっては、故ジャニー喜多川氏による性加害問題で被害を受けた人たちが「ジャニーズ、ジャニといった言葉でフラッシュバックを起こす恐れがある」などの理由で名称変更の必要性が生まれた。

 結果、関ジャニ∞(現SUPER EIGHT)などが改名したほか、被害補償業務を担う旧ジャニーズ事務所は「SMILE-UP.」に社名変更し、タレントのマネジメント業務を引き継ぐ新会社は「STARTO ENTERTAINMENT」と命名された。

 しかし、現在も各メディアで「旧ジャニーズ」という呼称が広く使われ、ネット上のファンも「STARTO」という呼び方をしている人はあまりいないのが実情だ。なじみのない「STARTO」という言葉より、長く親しんできた「ジャニーズ」のほうが圧倒的に分かりやすいためとみられる。

 しかし、業界的には被害者の心情やスポンサーへの配慮などを踏まえると、いつまでも「旧ジャニーズ」と呼ぶわけにはいかない。とりわけ、STARTO社のタレントと縁の深いテレビ局にとっては重要な課題だ。

 24日付の「FRIDAY」WEB版(講談社)の記事では、制作会社スタッフが「先日もフジテレビ局内で『情報番組の中で、旧ジャニーズという言い方をしないように』『STARTO社と言うように徹底してほしい』という“お達し”を受けたばかりです」と証言。フジが「STARTO呼び」に統一する方針を示したという。

 だが、STARTOという呼称は先述したように「まだほとんど浸透していない」のが現実だ。実際、ネット上のファンからは「旧ジャニーズって言い方やめたいけど、STARTOの名前が浸透してなさすぎ」「どうしてもジャニーズって言っちゃう」「周りでもジャニーズって呼んでる人がほとんど」といった声が漏れ聞こえてくる。

 当事者のタレントたちもまだ馴染めていないようだ。24日に放送されたTBS系バラエティ番組『それSnow Manにやらせて下さい』では、ダンス対決企画でKis-My-Ft2の千賀健永、元A.B.C-Zの河合郁人、SixTONESのジェシー、Travis Japanの宮近海斗が「STARTO ENTERTAINMENTチーム」を名乗って参戦し、掛け声とともに宮近が発案したという事務所の頭文字「S」をイメージした決めポーズを披露した。

 しかし、河合は「あんまり言うことではないと思うんだけど、めちゃくちゃ『STARTO ENTERTAINMENT』って言うの恥ずかしかった」と本音を漏らし、これにジェシーが「慣れてないですからね」と同調。本人たちも、まだしっくりきていないようだ。

 日本で最も親しまれているSNSの一つであるTwitterは、昨年夏に「X」に名称変更したが、いまだに大半の人が「Twitter」と呼んでおり、メディアでも「X(旧Twitter)」という表記が目立つ。STARTO社に限らず、旧名称が定着してから名前を変更すると、なかなか新名称が浸透しないという問題があるようだ。

 だが、いつまでも「旧ジャニーズ」と呼ばれていたら負のイメージを延々と引きずることになる。STARTO社という名称をどのように浸透させていくのか、事務所や所属タレントたちにとって大きな課題となりそうだ。

SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。

さとうゆうま

最終更新:2024/05/27 18:00
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