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櫻井翔『新空港占拠』「獣」のルーツはやはり「鬼」?　ジェシー“謎の男”の謎行動にも注目

2024/01/27 12:00

新空港占拠

　櫻井翔主演の『新空港占拠』（日本テレビ系）の第2話が1月20日に放送された。初回では櫻井演じる武蔵が謎の集団に拉致され、連れていかれた新空港で脱出。その空港では十二支のマスクをかぶった集団が空港ジャックを起こし、その場を占拠。武蔵の姉である二葉（奥貫薫）も拉致され、ともに逃げるが捕まってしまう。失踪した武蔵の兄との関連も気になるところだ。マスクの集団に囲まれた武蔵の前で、「蛇」がマスクを取る。その正体は、前作『大病院占拠』で警察の一員だった駿河（宮本茉由）……という衝撃のラストだった。

　武蔵に対し「私はもともと獣です」と発言する駿河。目的を聞かれると「わかっているはず」と、二葉や多くの人質に銃口を向ける。観念する武蔵。武蔵の妻である裕子（比嘉愛未）は、重傷を負った謎の男（ジェシー）に銃で脅され、車を走らせていた。「交渉人」として外に出された武蔵。武蔵の身体には爆弾が巻き付けられていたが、間一髪で逃れる。警察の仲間と合流する武蔵だが、それは獣の集団の思うつぼだった。

　空港内でライブ配信を始めた獣の集団。「獣ちゃんねる」の視聴者は一気に数十万人に。駿河が犯人グループにいることを知り驚がくする警察の面々。駿河は結婚して警察を辞めていたが、実際には結婚しておらず、警察に潜伏していたということらしい。獣の目的は、一部の人質が持つ「ウソ」を暴くこと、つまりは復讐である。前作の「鬼」の模倣犯である。空港を占拠するという大掛かりなテロ行為となると、プラン立案からメンバー募集、そして実行までを率いた“首謀者”は「鬼」関連の人物だろうか……。

「くそ、なめやがって」。獣の動向に悪態をつく櫻井くん、じゃなくて武蔵。櫻井本来がもつ育ちの良さが見え隠れするのも本作の味わいだ。獣の「龍」と交渉を始める武蔵。龍は一人の初老男性の人質をライブ配信に連れて行き「こいつはウソをついた」として水槽に閉じ込め、水を流す。ウソを当てれば男性は助かる。この男は政財界と深くつながるパイプを持つがトラブルも多い会社社長。過去のニュースから、以前この男性の会社に勤め、横領で告訴され自殺したある女性の存在に行き着いた。女性の自宅のパソコンには遺書があったが、それは「捏造（ねつぞう）だ」と捜査班のハッキングでわかった。

　真実は、女性は横領をしておらず、社長からのパワハラを受けていた被害者だという。パワハラを内部告発すると、逆に横領を捏造され、ネットで中傷も受けて自殺してしまったという。社長と同行する同じく人質の弁護士、第1話で死んだチンピラの男女もその仲間であることが暴露される。龍は「この国のウソを暴く」と宣言。1時間後には新たな人質の「ウソ」を暴くという。“国”という規模の大きさからも、今後国家レベルのウソが暴かれるのだろう。人質には神奈川県議会議員の二葉もいる。善人にしか見えないが、その裏で「獣」の恨みを買うような悪事をはたらいていたとしたら、それはそれで衝撃だ。

　捜査班は集団のアジトを突き止め、現場に向かう武蔵と警察。アジトにあった電話が鳴り、それが罠だったことがわかる。一緒にいた捜査員は罠にハメられて命の危機、武蔵はアジト内に閉じ込められる。鍵を開けるには、拉致された際に身体に埋め込まれたマイクロチップ（鍵）を取り出すことだった。部屋にはメスが……。一方、裕子は男ととある場所に向かう。それは武蔵と家族の家だった。裕子と家に戻っていた娘が人質になってしまった。男の目的はいったい……。

　第2話の印象として、話自体はテンポもいいが犯人たちの動機がそれほど目新しくもなく、ウソをついている人質たちのセコさや「そんなこと簡単にできるの？」というIT技術には苦笑してしまうことも。ただ、１日を舞台にしたスリリングかつテンポの良さは前作から踏襲されており、既存ファンは一定の満足をしているのではないか。あと武蔵、いや櫻井くん、「ふざけやがって」とか「なめやがって」などはやはり違和感がある。まだドラマは始まったばかりだ。アイドル、ニュースキャスターから一皮むけたアクション俳優としての新境地もぜひ楽しみにしたい。