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読者にも好評! 都条例の不安の中で生まれた前代未聞の「18禁BL」がもたらす可能性

pinkgold.jpgリブレ出版公式サイトより

 男性同士の恋愛やセックスを描くボーイズラブ(BL)マンガ。従来、男性向けと違い、18禁表示を行ってこなかったこのジャンルに堂々18禁を看板に掲げた書籍が登場し、注目を集めている。

 この書籍を発行したのはBLジャンルの大手として知られるリブレ出版だ。話題のアンソロジー形式の単行本『PINK GOLD』は、「BL。なのに18禁。それって…超デンジャラス!!」をキャッチコピーに数量限定発売。BLを数多く取り扱う全国書店のほか、ネットでも販売されている。

 まず気になるのは、BLジャンルでは18禁コーナーを設置していない書店の店頭で、どのように区分陳列し、販売しているかというところ。BLジャンルを多く取り扱う都内の某書店を訪れてみたところ、ほかの書籍と同じく平積みにされているが「18歳未満には販売できません」「レジで年齢をお聞きする場合がございます」という文面が記された紙と一緒にシュリンクされた状態。店頭で18歳未満が中身を読むこともできないし、対面販売のため、客が誤って購入する可能性を防ぐ十分な措置を取っていた。

 この単行本が企画された契機は、一大騒動の末に改定された東京都青少年健全育成条例が施行された昨年7月のことだ。この条例は改定により「刑罰法規に触れる性交若しくは性交類似行為又は婚姻を禁止されている近親者間における性交若しくは性交類似行為を、不当に賛美し又は誇張するように、描写し又は表現する」雑誌や書籍を規制(東京都青少年健全育成審議会による不健全図書指定)できるよう求めたものだが、「規制される内容が曖昧」「表現を萎縮させる」として大きな反対運動が繰り広げられる中で成立したもの。改定された条例が施行されてから一年を過ぎて、新たな条文に抵触する「不健全図書」が出ていないのは本サイトでも報じている通りだが、やはり現場での不安の声は大きかった。今回、『PINK GOLD』の編集を担当した、岩本朗子氏は語る。

「条例が施行されてから不安は拭えませんでした。作家さんの中からも『不健全指定されたらどうしよう』とか『指定されて書店に置いてもらえなかったらどうしよう』といった不安の声をお聞きしました。編集部のスタッフからも『作家さんには自由に表現してほしい。でも、作家さんに、どんな助言をすればいいのか?』という意見が挙がり、編集部内で何度も話し合いました」

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